2019/05/17

iPad、mini、Air、Proなど5モデルのスペック比較! どれがおすすめか周辺機器の対応も紹介

iPad Pro、iPad Air、iPad、iPad mini

iPadのラインナップは3月18日に発売された「iPad Air」と「iPad mini」を合わせ、サイズ違いも含めて5モデルになった。そこで、実際に購入を検討している人が選びやすいよう、既存モデルである「12.9インチiPad Pro(第3世代)」(以下、iPad Pro 12.9)「11インチiPad Pro」(以下、iPad Pro 11)「iPad(第6世代)」(以下、iPad)も交えて、それぞれのサイズの違いやスペックなど、さまざまな視点から比較する。自分にぴったりのiPadを選択する際の参考にしてほしい。

iPad比較表

液晶&本体サイズの比較

まず、もっとも大きな違いである画面と本体サイズの比較だ。シリーズ最大の画面を誇るiPad Pro 12.9は、12.9インチというノートPCクラスの大型画面を有する。常に持ち歩くわけではないが、自宅での動画視聴がメインという人に丁度いいサイズ感といえる

iPad Pro 11とiPad Airは、11インチと10.5インチで近しいサイズだが、ベゼルが狭いぶん、iPad Pro 11のほうが少しだけ本体がコンパクトだ。また、iPadも9.7インチなので画面サイズではiPad Airに肉薄するが、iPad Airは液晶パネルと表面のガラスとのあいだにほぼ隙間がなくなるフルラミネーションに対応したRetinaディスプレイを搭載している。ディスプレイ性能そのものに差があるということも覚えておきたい。

シリーズ最小であるiPad miniは、サイズ感としては「ちょっと大きいiPhone XS Max」といった印象。外出先での動画視聴やメモ用途にはうってつけだ。

液晶サイズ比較
本体サイズ比較

重さの比較

続いて重さ。最大の大きさを誇るiPad Pro 12.9は631gで、最小となるiPad miniは300.5gだが、その2つを除けば、iPad Pro 11とiPad Air、iPadの3つはいずれも456〜468gに収まっており、重さの違いはほとんどない。この3モデルについては、スペックニーズにあわせて選んで差し支えないだろう。

認証方法と対応周辺機器

iPad Proとそれ以外のモデルには、決定的な使い方の差がある。それは、前者が顔認証のFace IDを採用し、後者が指紋認証のTouch IDを採用しているということだ。Face IDとTouch IDのどっちが使いやすいか。ジェスチャー操作も変わってくるので、自分がどういったシーンで使うことが多いか、一度シミュレーションしてもいいだろう。

また、使い方という点ではApple純正の対応周辺機器についても触れておきたい。キーボードであり、カバーでもある「Smart Keyboard」と、文字や絵を手書きで入力できる「Apple Pencil」に対応しているかという点だ。

iPad Airに装着されたSmart KeyboardとApple Pencil

まずSmart Keyboardには、iPad ProとiPad Airが対応している。キーボードでのタイピング用途を考えているのであれば、この2モデルを選択するのが無難だろう。またApple Pencilはすべてのモデルが対応しているが、Apple Pencilには第1世代と第2世代があり、iPad Proのみ、充電方法がスマートで書き味がよくなった第2世代に対応している。細かいところではあるが、使い心地に差が出る大きなポイントなので、認証方法と合わせ自分の使い方をシミュレーションしてほしい。

充電端子とスピーカー

さて、使い勝手につながるポイントはほかにもある。iPad Proは汎用性の高い「USB-C」を採用しているのに対し、ほかのモデルはiPhoneと同様の「Lightningコネクタ」を採用している。

また、iPad Proは上下左右4つのスピーカーを搭載しているのに対し、それ以外のモデルは底部に2つのスピーカーを搭載している。全モデルがステレオ再生に対応しているが、iPad Proは4つのスピーカーでさらに動画視聴やゲーム音響で迫力を楽しめる。

上下左右にスピーカーが搭載されているiPad Pro

CPUとグラフィック

最後にCPUなどスペックの比較だ。ハイエンドモデルであるiPad Proには最新のチップ「A12X Bionic」が採用されており、ノートPCに匹敵する性能で、動画編集やマルチタスク機能で「バリバリ仕事に使いたい」と考える人にはベストな選択肢となる

動画編集中の画面が表示されているiPad Mini

また、iPad AirとiPad miniに搭載されている「A12 Bionic」は、iPhone XS、iPhone XS Maxと同様のチップだ。A12X Bionicにはやや劣るが、通常の操作や動画視聴、ゲームプレイにはまったく問題はない。

そしてiPadに搭載された「A10 Fusion」は、A12X Bionicの約半分の処理速度で、グラフィック性能は1/3とかなり劣る。動画編集やイラスト制作、映像制作など、高度な処理速度を求める際は別のモデルを検討したほうがいいだろう。

ただ、一般的なアプリやウェブ閲覧といった使い方であればどのモデルでもまったく問題なく、PCに近い作業をするかどうかでProかそれ以外を検討すると良いだろう。

数あるiPadファミリー。どれを選べばいい?

これらの点を踏まえ、どのモデルがどういった用途に向いているのかを考えてみよう。まず、高い処理能力とハイスペックを有するiPad Proシリーズは、動画編集や仕事での用途に向いている。ディスプレイ性能とスピーカー性能も高いため、動画鑑賞にクオリティを求めるユーザーにおすすめだ。

次にiPad Airは、総合力ではiPad Proに劣るものの、ディスプレイ性能や処理能力は十分に高い。動画処理のような負荷を掛ける場面以外では、iPad Proと性能面で見劣りするものではない。すなわち、「iPad Proほどの能力は必要ないが、必要十分なスペックはほしい」と考える人の選択肢となるだろう。

廉価版的な位置付けのiPadの魅力は、なんといっても価格だ。「ちょっと試してみたい」と考えるエントリーユーザーにはうってつけのモデルといえる。

そしてiPad miniは、コンパクトな筐体にiPad Airクラスの性能が詰め込まれている点に着目したい。外出先での動画視聴や、iPhoneだと窮屈さを感じる入力作業など、「外でコンパクトにiPadを使いたい」と思う人にはピッタリだ。

このように、あらゆるニーズに対応するかのように、iPadシリーズには選択肢が豊富に用意されている。そして、どのモデルを選んでも、iPhoneとは異なる満足感が得られるはずだ。ぜひ購入の際の参考にして、iPadのある生活を楽しんでほしい。

文:吉々是良