2019/04/25

| 更新

2022/09/27

「QRコード」ってどういう仕組み?種類や歴史、使用時の注意点などを解説

スマホのカメラをかざすだけで情報を読み取れる「QRコード」は、決済やアプリのダウンロード、LINEの友だち追加など、さまざまなシーンで使われている。しかし、「QRコードってよく耳にするけど、結局どういうものなの?」という人もいるだろう。そこで、本記事ではQRコードの仕組みや特徴について解説する。

QRコード

なお、QRコードの使い方について知りたい人は、以下の記事を参考にしてほしい。

【目次】

QRコードとは?

まずは、QRコードがどういうものかを紹介しよう。

●実は日本発の技術

QRコードは世界中で使われているが、実は1994年に株式会社デンソーウェーブが開発した、日本生まれの技術である。バーコードと比較してより多くの情報を格納したい、というニーズに応えて開発された。

ちなみに、「QR」とは「Quick Response」の頭字語であり、「素早い反応」という意味。その名のとおり、1秒間に30回読み取ることができる。

●実は日本発の技術

QRコードの主な用途は「電子決済」をはじめ、「チラシや広告からホームページへ誘導する」「商品の情報や生産者の情報を確認する」「コンサートやイベントなどの電子チケット」などさまざま。共通して、「すばやく作業を済ませられる」というメリットがある。

QRコード

QRコードとバーコードの最大の違いは、情報を横並びに記録する「一次元コード」ではなく、情報を縦と横の2方向に記録する「二次元コード」であること。二次元にデータを記録するQRコードであれば、バーコードのおよそ350倍もの情報を格納できる。

QRコードとバーコードの違い

しかも数字だけでなく、平仮名、片仮名、漢字、アルファベットも表現可能だ。もっとも大容量な「バージョン40」で、「誤り訂正レベルL」という設定のQRコードの場合、最大で漢字・かなを1,817文字、英数字を4,296文字、数字のみなら7,089文字を格納できる。

これにより、商品の細かい詳細データなど、従来はバーコードに収まりきらなかった情報もしっかり記録できるということだ。

●どの角度からも高速で読み取れる

バーコードは向きを合わせる必要があったが、QRコードなら3つの角に配置している四角い「切り出しシンボル(ファインダパターン)」があるため、コードの存在とコード領域を即座に認識できる。どの角度からでも高速で読み取れるため、何度もスマホの向きを変えたり、なかなか認識しなかったりといったストレスとは無縁だ。

QRコードはどの角度からも読み取れる

●破損や汚れに強い

また、QRコードは破損や汚れにも強い。コードの一部が欠損しても、コード自身でデータを復元する「誤り訂正機能」を持っている。これは、もともとQRコードが工業用の油で汚れやすい工場(製造現場)などで使用されることを想定してつくられたことによるものだ。

QRコード誤り訂正

誤り訂正機能には4段階のレベルがあり、レベルが高くなるほどQRコードの汚れや欠損率が高くなっても読み込めるようになっている。一般使用ではレベルLやM、汚れがつきやすい工場などの環境ではレベルQやHの使用が推奨されている。QRコードを作成して使用する場合は、その使用される場所によって作成時に切り替えるといいだろう。

QRコード誤り訂正レベル

●携帯カメラ撮影データの画像処理により読み取りができる

QRコードが普及した要因のひとつが手軽さだ。専用のリーダー(読み取り機)を必要とせず、ガラケーのカメラの画像処理でデータを読み取れることは、2000年代初頭としては画期的だった。これまでのバーコードはレーザーや特殊なセンサーによる読み取りのため、スーパーやコンビニで見かけるような専用のリーダーが必要だった。しかし、QRコードならそれらの初期投資を抑えることができるのだ。

スマホでQRコード

QRコードの種類

一概にQRコードといっても、普段よく目にする正方形のもの以外にもいくつか種類がある。

●QRコードモデル1

最初につくられたQRコード。最大バージョンは14(73×73セル)で、1,167桁もの数字を扱うことができる。なお、現在、使用されているQRコードは、一般的には次の「モデル2」のことを指す。

QRコードモデル1 画像提供:株式会社デンソーウェーブ

●QRコードモデル2

モデル1を改良し、コードが歪んでしまった場合でもスムーズに読み取りができるようになった。最大バージョンは40(177×177セル)で、7,089桁もの数字を扱うことができる。

QRコードモデル2 画像提供:株式会社デンソーウェーブ

●マイクロQRコード

切り出しシンボルがひとつのQRコード。通常のQRコードは、3つの角に切り出しシンボルを配置しているので、ある程度の大きさが必要になる。しかし、マイクロQRコードの場合、2セル分のマージンが確保できれば問題ない。M1〜M4と、4つのバージョンがある。非常に小さいスペースへの印字が可能なため、電子部品などの生産管理や製品管理などのトレーサビリティにおいて活用されている。

マイクロQRコード 画像提供:株式会社デンソーウェーブ

●SQRC

「公開データ」と「非公開データ」を持つことができるQRコード。非公開データは、暗号キーを持った専用リーダーのみ読み取りができる。

SQRC 画像提供:株式会社デンソーウェーブ

●フレームQR

コードの内部に自由に画像を入れられる「キャンバス領域」がある。QRコードとイラストを一緒にしたい人が利用する。

フレームQR 画像提供:株式会社デンソーウェーブ

●rMQR

デンソーウェーブが2022年5月に発表したQRコード。長方形で細長く狭いスペースへの印字に対応。最大で数字で361文字、英数字で219文字、漢字で92文字のデータを格納できる。わずかなスペースに大容量のデータを格納でき、細長い部品、チケットや伝票など、細長い余白スペースへの印字が難しかったものへの活用が期待されている。

rMQR 画像提供:株式会社デンソーウェーブ

QRコードの構造と仕組み

QRコードの構造は一定のルールに基づいている。ここでは当サイトのURLを示したQRコードを例に、どの部分がどんな役割を果たしているのか解説する。

QRコードの仕組み、構造

①セル(言語)

コード内に存在する白黒のマス(セル)だが、実は2進法で言語を表すように設定されている。いわば、白黒のマスは0と1の集合体であり、記録された言語そのものなのだ。

②切り出しシンボル(ファインダーパターン)

三隅にある四角形が「切り出しシンボル」。位置検出や歪んだコードの外形を正確に検出する役割があり、カメラはこれを捉えることで対象をQRコードだと認識し、どの角度からでも高速で読み取ることができる。

また、切り出しシンボルの形は、コードのまわりにある文字や図形からコードだけをいち早く抽出するため、帳票、チラシ、パッケージなどであまり使われていない図形を検討した結果、白セルと黒セルの比率が「1:1:3:1:1」になっているのを発見した。これは印刷物のなかでいちばん使われていない比率であることから採用されている。

③タイミングパターン

コード全体の歪みや、セルピッチに誤差が生じている場合に、各セルの中心座標を補正するもの。黒いセルと白いセルが交互に配置されており、QRコードの座標を検出する役割を果たす。

④アライメントパターン

右下のほうにある小さな目玉のようになっているこの箇所は、カメラを斜めにかざしたときでも各セルに生じるズレや歪みを補正するために重要な役割を果たす。

⑤フォーマット情報(誤り訂正機能)

3つの切り出しシンボルの側面に配置されているのが、前述した「誤り訂正機能」のレベルを決定するものだ。この配列のパターンにより、誤り訂正レベルが設定されている。
上記の②〜⑤以外の部分が、デザインできるデータ領域だ。

さらにQRコード全体には、白と黒のマスをバランスよく配置するために「マスク」と呼ばれる加工も施されている。黒だらけでびっしり埋まったコードを見かけないのは、マスクによる補正のおかげだ。8種類の法則に基づき、記録された言語を保ちながら白と黒の色を反転させる仕組みになっている。

QRコードは安全?

スマホ決済などで使用されるQRコードは、時限性であり、一定時間を過ぎると無効になる。もし、スマホの画面上のQRコードを撮影して別の支払いに使おうとしても、数分後には使えなくなるので、不正利用のリスクをかなり抑えられているのだ。

ただし、偽装されたQRコードには要注意。不正なファイル(アプリ)をダウンロードさせたり、個人情報を盗んだりすることを目的とした、悪意のある第三者がつくった可能性もあるので、街の広告やブログに表示されたQRコードを無闇に読み取るのは避けておこう。

さらなる進化が予想されるQRコード

スマホのカメラをかざすだけで、簡単に情報を読み取れるQRコード。2022年5月には、長方形型のQRコードが発表されるなど、その進化は留まるところを知らない。もしかしたら今後、マイクロQRコードよりも小さいサイズで、より多くのデータを取り扱えるQRコードが登場する日がくるかもしれない。QRコードのさらなる進化に期待しよう。

※QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です

文:TIME&SPACE編集部