2019/03/29

映えるお花見写真のコツ 人気インスタグラマーの桜スマホ撮影テクニックとは

お花見シーズンが到来! 満開の桜の下、お酒を飲んだりお団子に舌鼓を打ったりと楽しみ方は色々あるけれど、せっかくの機会だから綺麗な桜をおしゃれに撮影したいもの。でも「ただスマホで撮影するだけ」で満足するのはもったいない! ちょっとした工夫を加えるだけで、写真のクオリティはグッと高くなります。

神尾美沙さん

そこで今回は、ただきれいに撮るだけではなく、インスタ映えするお花見写真テクニックを教わるため、インスタグラマーとして活躍中の神尾美沙さんに同行させていただきました。

神尾「「SNSで反応が多いのは、なにも考えずに撮影した写真よりも、工夫やオリジナリティが感じられる写真です。特別な写真知識や道具は不要、コツをつかめば誰でも簡単にいい写真が撮れますよ」」

神尾美沙さん 神尾美沙さん

撮影する前の準備

まずは撮影前の準備から。

神尾「「インスタグラムにアップするなら、縦と横の比率が1:1のスクエア写真がスタンダードです。きれいな構図をつくりやすくなるのと、スマホで見たときに、横位置(横長)よりも大きく表示されます。
もちろん撮影前はレンズを拭くこと。スマホはレンズに手の皮脂がつきやすく、そのまま撮影すると白く濁ったような写真になることがあります。それから撮影するときは、スマホがグラグラしないように、できれば撮影する瞬間は息を止めるようにしてください。それだけで写真がブレにくくなります」」

インスタ映えする写真を撮る神尾さん

神尾「「手の大きさはそれぞれ違うので、ブレたりふるえたりしないような持ち方を自分なりに試してみてください」」

インスタテク①「背景の青空を生かして桜を撮る」

ではさっそく作例を見ていきましょう。まずは桜そのものを撮影した神尾さんの写真がこちら。

【神尾さんの作例】

インスタ映えする神尾さんの作例
インスタ映えする神尾さんの作例

桜のピンクと空の青のコントラストがきれいに写っています。ポイントはこの桜と空の構図にあると神尾さん。

神尾「「桜の美しさを際立たせるために、“余白”を生かした構図を意識して撮影するのがおすすめです。たとえば桜を中心に撮影するのではなく、その向こうの青空をあえて広く撮る。写真の奥行きも出て、空の青色が桜の薄いピンク色の差し色となってより一層桜が美しく撮影できます」」

ちなみに余白を意識せずに「そのまま撮影」したのがこちらの写真。

よくある桜の構図

なるほど。桜の色はきれいだけど、神尾さんの作例のような印象深さがなく、なんというか普通の写真に……。

神尾「「撮影するときは、青空が開けたなるべく明るい場所を探すのがポイントです」」

少し離れたところから撮ると余白を入れやすくなる

インスタテク②「花より団子は団子が主役! 桜をあえて引き立て役に」

お花見といえば、屋台で買った飲み物やお団子も絶好の撮影アイテム。でも、おしゃれ&美味しそうに撮るのって意外と難しいものです。ポイントは、主役と脇役を明確にすること!

【神尾さんの作例】

インスタ映えする桜と団子
インスタ映えする山桜と桜まんじゅう

桜はメインではなくあくまで引き立て役に。被写体は中央になるように撮るとキマります。

こちらはやってしまいがちなダメな作例。

桜と団子

団子を真ん中に持ってくるのはいいですが、肝心の団子にピントも合っておらず、なにをメインにしたいのかがわからない写真になっています。背景に人が写り込んでしまって、ゴチャゴチャした印象になっているのもマイナスポイント。

神尾「「桜と食べものをどちらも撮ろうとすると、なにをメインにしたいのかわからない写真になってしまいます。こういった場合はあえて写真の中央に食べ物や、飲み物を配置して、背景に桜が写るように撮影してみてください。中央にピントを合わせると、背景の桜がうまくボケてプロが撮ったような写真になりますよ」」

さらに、2人でいるならこんなショットも。中央に向けて少し傾けるとおしゃれ感はさらにアップします。

【神尾さんの作例】

インスタ映えする桜とビール

神尾「「インスタグラムで人気なのは、ちょっとしたストーリー性を感じられる写真です。こんな風に手に持った2つの被写体を傾け合った写真にすれば、『誰かと一緒にいるんだな』とか『どこだろう?』と、見ている方も想像力を働かせることができて楽しくなります。ちょっとした演出が写真をグッと良くしてくれるんですよ」」

インスタ映えする桜とビール

撮影のポイントは、スマホを被写体に近づけて撮影すること。カメラを引いて顔の近くから撮影しようとすると、被写体もボケやすくなってしまうので注意しましょう。

インスタテク③「自撮りは桜越しに」

せっかくの花見なので、セルフィー(自撮り)も撮ってみましょう。ポイントは、「桜の位置」。

【神尾さんの作例】

インスタ映えする桜と自撮り

プロフィール写真にしたくなるようなナイスなセルフィー! 手前の桜が良い感じ!

神尾「「お花見で自撮りするときって、つい桜をバックにして撮影しがちなんですけど、ありきたりな記念写真っぽくなってしまいます。そこで、『桜の花越しカット』がおすすめです。桜の枝の後ろに回りこんで撮影することで手前の桜が少しだけボケて、幻想的なセルフィーになります」」

こちらは、桜を背景にして自撮りしたパターン。

桜と自撮り失敗例

こちらも悪くはないのですが、確かにインパクトのない普通の写真に見えます。桜を前後にすることで、同じセルフィーでも印象が変わります。

神尾「「ちなみにセルフィーはなるべく斜め上からのアングルで撮影するのがおすすめです。男性も女性も、下から見上げるようなアングルだといい表情になりにくいんです。どうしても下から撮る場合は、なるべく顎を引いて撮ってみてください。
また斜め上から自撮りする場合も、あまり上目遣いになりすぎるとちょっと“あざとく”なってしまうので、少し視線を外したりすると自然なセルフィーになりますよ」」

自撮りの撮影の仕方

インスタテク④「上級者は身体のパーツをうまく使う」

さらに上級者のインスタテクをご紹介。

桜そのものではなく、落ちている桜の枝や、地面に落ちた桜の葉など、独特な被写体に注目することで、オリジナリティの高い写真にすることができます。

【神尾さんの作例】

インスタ映えする桜
インスタ映えする桜

 

神尾「「桜の枝を持っている手まで写り込ませたり、地面に落ちた花びらに自分の足を写り込むようにすると、撮影している人やそのときの気持ちまで感じさせるような写真になります。女性の場合、指を綺麗に見せるなどの演出が必要ですが、男性ならそこはあまり意識せず、作為的に見えないようにあくまで自然体で撮影すると好感が持てます」」

足を上手に使った撮影はこちら。

【神尾さんの作例】

インスタ映え花びら

木漏れ日も映り込んで幻想的な印象です。

神尾「「足がメインにならないように、下1/3くらいに靴が収まる構図にしましょう。余白の地面に花びらが点々と落ちていると、抜け感が出て写真のクオリティがぐっとアップします。桜の葉がまばらに落ちていて、木漏れ日の陰影がはっきり出ているところを探してみてください」」

インスタテク⑤「アプリでフィルターをかける」

撮影した写真をそのまま投稿するも良しですが、アプリのフィルターを使うことで、写真のクオリティを簡単に、しかも見違えるほど上げることができます。ここではインスタグラマーのあいだでも人気が高いという無料の写真加工アプリ「VSCO(ヴィスコ)」をご紹介。

インスタグラマーに人気の写真加工アプリ「VSCO(ヴィスコ)」 写真加工アプリ「VSCO」。無料(アプリ内課金あり)、iPhone、Androidに対応

神尾「「VSCOはスマホだけで写真の加工ができて、インスタグラマーにも人気が高いアプリです。簡単なフィルターがけから高度な加工まで、直感的に操作できるようになっているので、慣れてしまえばとても心強いアプリです」」

ここではVSCOを例に、手軽に写真の印象がガラッと変わる機能を一部ご紹介します。

【フィルター機能】
VSCOには無料で使えるフィルターが10種類も入っています。どれを使えばよいでしょうか?

神尾「「最近は、加工しすぎるフィルターよりも、ナチュラルなものがトレンドです。色みはあまり変えずに、明るく鮮やかになる仕上がりを目指しましょう」」

【加工前】

写真加工アプリ「VSCO(ヴィスコ)」加工前

【フィルター加工後】

写真加工アプリ「VSCO(ヴィスコ)」加工後

VSCOの「G3」というフィルターをかけてみると、日差しが強くなってより力強い印象に。

写真加工アプリ「VSCO(ヴィスコ)」加工後

こちらは「T1」というフィルターを使用。全体に白いフィルターがかかったようになり、トイカメラで撮影したようなおしゃれな雰囲気に。

神尾「「写真の印象がガラッと変わるのでいろいろと試してみたくなりますが、やり過ぎるのは禁物です。iPhoneやスマホに入っている標準アプリやインスタグラムにもフィルター機能があるので、まずはそこから始めてみて、自分に合うものを試してみてください」」

インスタテク⑥「投稿するときはハッシュタグを上手に入れよう」

インスタグラムなどのSNSではハッシュタグの付け方も重要です。

神尾「「いい写真が撮れたら、ハッシュタグを使ってより多くの人に見てもらって、同じ趣味や感性を持つ人と積極的につながっていくと、SNSがさらに楽しくなります。たとえば落ち葉の足元写真なら『#足元倶楽部』や、季節感のある『#お花見2019』といった人気のハッシュタグなどがあるので、写真に合うものを見つけてみてください」」

桜写真のハッシュタグ例

神尾「「よくハッシュタグをどれくらい入れたらいいのか聞かれることがあるんですけど、インスタグラマーのあいだでは、ハッシュタグを11個以上入れると反応がいいといわれているんですよ」」

インスタグラマーがおすすめする花見撮影テクニック、いかがでしょうか? ポイントは「自分らしさを写真に取り入れる」ということ。自分でも何度も見たくなるクオリティの写真が撮れるようになれば、より一層思い出に残るお花見になること間違いなしです! ぜひ、今年のお花見の参考にしてみてください。

文:富永玲奈
監修:神尾美沙

神尾美沙(かみお・みさ)

インフルエンサーマーケティングを手がけるLIDDELL株式会社所属。自身も1万人強のフォロワーを擁するインフルエンサーとして活動しつつ、同社の一員として企業コミュニケーションにインフルエンサーの力を活用すべく、講演活動やインフルエンサー育成のリーダーを担っている。
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