2019/03/05

緊急速報が鳴らない原因は? iPhone、Androidの設定確認や音量調節の方法

地震がくる直前、スマホから警報音を鳴らしてくれる緊急地震速報。たった数秒とはいえ、机の下にもぐったり、台所の火を消したりと、警報が鳴ることで対応できることも多い。地震速報だけでなく、津波警報やJアラートなど、非常時にスマホを鳴らしてくれる「緊急速報」機能はいざという時に頼もしい。

しかし、周囲のスマホは警報音が鳴っているのに自分のスマホだけ鳴っていない……という経験のある人はいないだろうか。実はスマホの設定や受信するエリアによっては警報が鳴らない場合があるのだ。いざというときに鳴らない可能性があるのは不安なため、この記事では、緊急速報を受信する設定方法や鳴らない場合の原因と対策を紹介しよう。

iPhone 緊急地震速報

緊急速報が鳴らない場合、まず設定を確認

現在、緊急速報の受信はau、docomo、SoftBankなど大手キャリアから販売されているスマホやケータイなら間違いなく対応している。auの場合、対応機種一覧は公式サイトにも掲載されている。

もし、スマホ自体が緊急速報に対応しているにもかかわらず、警報音が鳴らない場合は、緊急速報を受信する設定になっていない可能性がある。以下に、iPhone・Android・4G LTE ケータイ・ケータイ別に設定方法を紹介するので、手元の端末をチェックしてみよう。なお、受信する設定になっていても、ある条件下では受信できない場合もある。この条件も後述するので、あわせて確認してほしい。

▼iPhoneでの受信設定
iPhoneで緊急速報が鳴らない場合、まずホーム画面から[設定]アプリを開き、[通知]の項目から[緊急速報]がオンになっているかどうかを確認しよう。初期設定ではONになっているが、ここがきちんとONになっていないと緊急地震速報は受信しない。

・ホーム画面から[設定]>[通知]の項目をタップ>一番下の[緊急速報]をON

iPhone 通知 緊急速報

なお、音量を調節することはできない。マナーモードのON/OFFにかかわらず、警報音は最大音量で鳴動する仕組みになっている。

過去の受信履歴を確認したい場合は、画面上部から下に向かってスワイプして表示させた通知センターから確認できる。

iPhone 緊急地震速報 履歴

ただし、通知センターから消えた過去の速報は確認できないので、Safariなどブラウザで調べてほしい。

▼Androidでの受信設定(auの場合)
auから発売されているAndroidスマホの場合、プリインストールされている[au災害対策]アプリに緊急速報メールの受信設定がある。[au災害対策]アプリから[緊急速報メール]の項目を選び、右下の[設定]アイコンをタップ。

Android 緊急速報メール

[緊急地震速報]、[津波警報]、[災害・避難情報]の項目がそれぞれ表示されるので、それぞれ[受信する]に設定する(初期設定ではすべて[受信する]になっている)。

Android 緊急速報メール 受信 設定

なお、Androidスマホは通知音量を調節できる。先ほどの[設定]の項目から、各警報を選択して[音量]の項目をタップすると任意の音量に調節が可能だ。

緊急速報メール 音量設定

過去の速報の受信履歴を確認したい場合は、[au災害対策]アプリ>[緊急速報メール]と進むと、過去の受信履歴を確認できる。

緊急速報メール 受信履歴

▼4G LTE ケータイでの受信設定(auの場合)
なお、auから発売されている4G LTE ケータイ(ガラホ)の場合は以下の方法で受信設定を行うことができる。

① 待ち受け画面でセンターキーを押し「メニュー」を表示。
② 「安心安全」または「アプリ」を選択。
③ 「au災害対策」を開く。
④ 「緊急速報メール」を選択。
⑤ 「設定」より受信設定ができる。

▼auケータイでの受信設定(auの場合)
auから発売されているケータイ(ガラケー)の場合は以下の手順で受信設定が可能だ。
① 待ち受け画面で「メールマーク」を1秒長押しして、Cメールメニューを開く。
② 「緊急速報」を選択。
③ 「受信設定」を「受信する(ON)」にする。

どんな場合に緊急速報は鳴るのか?

緊急速報を受信する設定になっていても、ある条件下では鳴らないこともある。ここではまず、緊急速報が鳴る条件をおさらいしたい。

▼緊急地震速報が鳴る条件
最大震度5弱以上と推定した地震の際に、強い揺れ(震度4以上)が予想される地域を対象に配信される(気象庁から)。

▼災害・避難情報が鳴る条件
地震や台風などの自然災害が起こった際に、避難勧告や避難指示など、住民の安全にかかわる情報が配信される。弾道ミサイル攻撃などの武力攻撃事態の際に発せられる「Jアラート」もこれに当たる(国・自治体から)。

▼津波警報が鳴る条件
津波発生時、津波の高さが高いところで1m程度以上になると予想されるエリアに配信する(気象庁から)。

▼特別警報が鳴る条件
大雨や大雪などの気象、または噴火に関する特別警報が発表された場合、特別警報の対象となるエリアに配信される(気象庁から)。

 

受信設定をしているのに鳴らない場合に確認すべきこと

緊急速報の受信設定を行っているにもかかわらず受信しない場合、設定の不備や対象エリア外であること、電波障害などが考えられる。鳴らない場合には、設定を見直すとともに、以下の状況になっていないか確認してほしい。

① 各種緊急速報が配信される条件を満たしているか
当然だが、自分がいる場所が上記に示した各種緊急速報発令の条件に該当していなければ受信はされない。また、緊急地震速報の場合は、速報が発せられたエリアではない地域の基地局の電波を受信してしまうと、受信されないことがある。

② マナーモード中に警報が鳴らない設定になっていないか
Androidスマホの場合、マナーモード中に警報を鳴らさない設定になっている可能性がある(初期設定では鳴動するようになっている)。[au災害対策]アプリ>[緊急速報メール]>[設定]>[マナー時の鳴動]を確認し、「鳴動する」になっているかどうか確認してほしい。

緊急速報メール マナー時の鳴動

③ 電波状況が悪くないか
端末の電源を切っていたり、電波の受信感度が悪い、あるいは圏外である、機内モードであるなどの場合、緊急速報が受信できないことがある。ネットワーク障害が起きている場合も同様。

④ 震源地と近すぎないか(緊急地震速報の場合)
震源に近い地域の場合、緊急地震速報の通知が揺れ始めに間に合わないことがある。

⑤ 通話中、データ通信中ではないか
通話中、メール、SMS(Cメール)、+メッセージ送受信中、EZweb通信中などの場合、緊急速報が受信できないことがある。

緊急速報の受信漏れを防ぐ対策は?

上記の設定を見直したうえで、それでも緊急速報の受信漏れが不安だという場合は、別途、緊急速報アプリもインストールしておくとよい。

たとえば「Yahoo!防災速報」(iOS、Android対応、無料)は、地震速報の場合、予想震度を「震度3以上」から設定することができるので、スマホの緊急地震速報では配信されない速報も受け取れる。また、あらかじめ「渋谷区」「世田谷区」など自分の活動地域をいくつか設定しておくこともできるので、「速報が発せられたエリアにいないから受信できなかった」という事態も避けられる

地震速報のほかにも「熱中症」「地域の防犯情報」「訓練情報」など、危険から身を守るためのさまざまな情報を受け取ることができるので、予備としてインストールしておこう。

Yahoo!防災速報

今一度設定の見直しや、自治体のテスト配信の確認を

いざというときに緊急速報が鳴らないのは困るため、この記事を参考に設定を確認してほしい。設定したとしても間違いなくなるかどうかいつでもテストを行えないのが悩ましいところだが、自治体によっては定期的に防災情報のテスト配信を行っているところもある。そういった機会に正しく受信できるかをチェックしておき、起きてほしくはない本番に備えてほしい。





文:山本竜也