KDDI NEWS

2017/10/31

富士山登山道の混雑度を「見える化」 そこから判明した登山客の意外な行動パターン

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IoTを活用して、登山道の混雑度を「見える化」する

KDDIは、富士山の登山者が安心・安全に登山を楽しめるよう、スマートフォン・携帯電話の利用が多く見込まれる開山時期に合わせ、山頂および登山道における通信エリアの拡充を行っている。

富士山の山小屋に貼られたauのステッカー

今年2017年はその新たな取り組みとして、IoT向け通信技術LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークのひとつである「LoRaWAN」を活用して登山者数を把握する実証実験を行った。

「富士山登山状況見える化プロジェクト」と銘打たれたこのプロジェクトは、御殿場市の協力のもと、4つある富士山登山口のうち御殿場口新五合目で行われた。御殿場口の登下山道・ハイキングコースに計測カウンターを計5カ所設置し、センサーによって登山者数と下山者数を計測。集められたデータは通信モジュール経由でクラウドに送られ、ウェブサイトにアップされるという仕組みだ。

「富士山登山状況見える化プロジェクト」の舞台となった御殿場口新五合目
登山者数/下山者数を計測するカウンター。富士山の過酷な自然環境に耐えられるよう、防水性や耐久性に配慮したつくりになっている
計測カウンターは御殿場口の登山道計5カ所に設置された
登山者数/下山者数はスマートフォンやタブレットで閲覧可能

今回のプロジェクトを通じて、登山者は登山道の混雑状況をインターネット経由で簡単に知ることが可能に。そして自治体にとっては、これまではカウンターが設置されている場所まで人が登って確認しなければならなかったが、IoTを活用することで遠隔でのデータ確認が可能となった

御殿場市産業スポーツ部の勝俣 昇さんは「登山者数の実態を把握することは、富士登山における安全性や利便性を高めるために重要な情報。今後の整備計画やツアー創出にも役立てていければ」と今回の実証実験への期待を語った。

御殿場市産業スポーツ部の勝俣 昇氏
計測カウンターの開発に携わったKDDI総合研究所の宇都宮栄二。「有効性が確認されれば、富士山のほかの登山道や、山に限らずニーズがあればほかの場所でも応用させていきたい」

実は、“山頂だけがゴールじゃない”

この「富士山登山状況見える化プロジェクト」は、8月10日より開始され、登山期間が終わる9月10日をもって終了となった。今回の実証実験を通じて、どのようなデータや知見が得られたのか?

プロジェクトに携わったKDDIコンシューマ事業企画本部の浜地志穂によると、意外な調査結果が出たという。

「山頂を目指さず、大石茶屋まで行って散策をして新五合目に戻る観光客やハイキング客が全体の8割ほどを占めることがわかりました。大石茶屋は、御殿場口新五合目から登山道を15分ほど上ったところにある山小屋です。御殿場口の五合目付近はハイキングコースが整備されているので、その周辺を散策したり、山小屋でお茶を飲みながら美しい山容を仰ぎ見るだけでも十分楽しめる——そのように考えている方が予想以上に多いようです」

一般的に、登山口まで行ったら山頂を目指すものだと思われがちだが、必ずしもそうとは限らない。富士山の山頂まで行くには、それなりの体力と時間が必要とされる。あえて山頂を目指さず、登山口周辺でのんびり楽しむというのは、富士山の新しい楽しみ方かもしれない。

同じくKDDIコンシューマ事業企画本部の柴田雅也は、8月上旬、LoRaの電波調査のため、富士山頂まで足を運んだ。「私にとって初めての富士登山でしたが、予想以上に体力的にキツく、山頂にたどりつくまで苦労しました。私が登った御殿場ルートは比較的登山者が少ないと言われていますが、それでもたくさんの登山者で賑わっていました。混雑度合いを知ったうえで登ることは、登山の安全性や快適性を左右することにつながる——そのことが身をもって実感できました」

登山者で賑わう8月上旬の富士山頂にて。右がKDDIコンシューマ事業企画本部の柴田雅也

農業や漁業など様々な分野への応用が進むIoT。登山における活用はまだ始まったばかりだが、登山者の安全で快適のために、IoTのチカラが今後さらに活躍することを期待したい。

写真・文:T&S編集部

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