2017/04/19

意外と知らない“天井のひみつ” いろんなポッチの正体、知ってる?

いま、オフィスで仕事をしている方、ちょっと天井を見上げてみてください。

天井

日頃、天井をまじまじと眺める機会なんてなかなかないですよね。よくよく見ると、照明以外に、いくつもの小さなポッチが突き出ていることがわかります。どれがどういったものなのか、わかりますか? KDDIの本社でどんなポッチがあるのか、ちょっと調べてみましょう。

非常放送用のスピーカー

たとえばこれ。真ん中の大きめなのはまあ見ればわかりますね。非常放送用のスピーカーです。防災センターから防災情報を発信します。

これはなんでしょう?

スプリンクラー

正解は「スプリンクラー」。およそ70℃の熱を感知すると水を噴霧する消火設備です。

では、これは?

煙感知器

こちらも消防設備の一種。煙感知器です。煙を感知すると防災センターへ火災警報を通報します。

次はちょっと難しいかも。

調光センサー

・・・・・・答えは調光センサー。室内の照度を感知し、最適な明るさに調整するためのセンサーです。

といったように、ビルの天井には様々な設備があり、そこで働く人の安全や快適を守っているんです。

天井には携帯電話のアンテナもある!

そして実は、屋内へ電波を届けるアンテナもあるって知っていましたか?

それがこれ。

屋内向けアンテナ

これは屋内向けアンテナと呼ばれています。オフィスビルや商業施設などの屋内施設は建物の壁により電波が遮断されたり、高層階の場合は電波の干渉が発生するため電波が届きにくい場合があるそうですが、これが天井に設置されているからこそ、建物の中でも快適に使うことができるんですね。屋内にしっかりと電波を届けるため、フロアごとに数十メートル間隔でアンテナを設置することもあるそうです。
※屋内に電波を届ける仕組みについては「つながるひみつ 第三話」をご覧ください。

ただ、屋内向けアンテナにはひとつ問題がありました。天井からボコッと突き出ているため、どうしても見た目が目立ってしまい、場所によっては設置が難しかったのです。

美観や景観を損なうことなく、屋内に電波を届けられないものか? そんな思いからKDDIは、これまでの常識を覆す画期的な屋内向けアンテナを日本電業工作株式会社と共同開発。2017年2月に発表され、商用導入を開始しました。

画期的な屋内向けアンテナはどういうものかというと、これです。

可視光透過アンテナ

・・・・・・これだとまったくわからないので、もうすこし近づいてみましょう。

可視光透過アンテナ

おぉ、なんか透明でオシャレ!

「可視光透過アンテナ」と呼ばれるこのアンテナは、露出面が透明のためまったく目立たず、美観や景観を損なうことがありません。透明のアンテナは、携帯電話基地局用の屋内向けアンテナとしては世界初のことです。

可視光透過アンテナの設置風景
可視光透過アンテナの設置風景
可視光透過アンテナの設置風景

屋内向けアンテナはこのように天井裏へ設置します。

オフィスのなかで、携帯電話やスマートフォンを快適に使える。いまでは当たり前のことですし、その電波がどこから飛んできているかなんて、日頃は意識することはないと思います。でも、当たり前のことが当たり前のこととして実現できている裏には、ビル内へのアンテナ設置の地道な取り組みと、できるだけアンテナを目立たないようにする工夫や新しい技術への挑戦があるんですね。

文:TIME & SPACE編集部
撮影:有坂政晴、竹内一将
取材協力:TDK株式会社、三井不動産ビルマネジメント

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