2020/10/13
| 更新
2021/03/23
Apple Watch『Series 6』と『SE』の進化ポイントは?Series 5 との比較で解説
2020年9月、「Apple Watch Series 6」と「Apple Watch SE」が発売された。
![Apple Watch Series 6](/s3assets/articles/998cafa9dfd4c3db1f264f11f5e8d75d.jpg)
![Apple Watch SE](/s3assets/articles/1074b4b8ee4f74f81f796fd64db03f80.jpg)
「Series 6」はいったいどのような進化を遂げているのか、そして「SE」はほかのモデルとどういった違いがあるのか。「Series 5」とのスペックを比較しながら、それぞれの特徴や進化ポイントを紹介していこう。
より進化した「Series 6」、必要十分なスペックの「SE」
「Series 6」「SE」「Series 5」のスペック比較表から確認しよう。
機種名 | 発売年月 | ディスプレイサイズ | ディスプレイ常時表示 | 重量(GPSモデル) | 厚さ | チップ | デジタルクラウン | 転倒検出 | 心拍センサー | 心電図機能 | 血中酸素濃度センサー | 位置情報 | バッテリー駆動時間 | ストレージ容量 | ケースの素材(GPS+Cellularモデル) | 防水 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Series 6 | 2020年 9月 | 40/44mm | ○ | 40mm:30.5g 44mm:36.5g |
10.4mm | S6 SiP(64ビットデュアルコア) | 触覚的なクリック感に対応 | ○ | 第2世代光学式心拍センサー | ○ | ○ | GPS、コンパス | 最大18時間 | 32GB | アルミニウム/ステンレススチール/ チタニウム |
水深50mの耐水性能 |
SE | 2020年 9月 | 40/44mm | × | 40mm:30.49g 44mm:36.2g |
10.4mm | S5 SiP(64ビットデュアルコア) | 触覚的なクリック感に対応 | ○ | 第2世代光学式心拍センサー | × | × | GPS、コンパス | 最大18時間 | 32GB | アルミニウム | 水深50mの耐水性能 |
Series 5 | 2019年 9月 | 40/44mm | ○ | 40mm:30.8g 44mm:36.5g |
10.7mm | S5 SiP(64ビットデュアルコア) | 触覚的なクリック感に対応 | ○ | 第2世代光学式心拍センサー | ○ | × | GPS、コンパス | 最大18時間 | 32GB | アルミニウム/ステンレススチール/ チタニウム/セラミック |
水深50mの耐水性能 |
![](/s3assets/articles/5b952e9f3f58dc6b83cfd35610d92c5c.png)
「Series 6」は最新チップの搭載による高速化など、着実に進化している。「SE」はいくつかの機能が非搭載ではあるが、「Series 5」と同等の性能を備えている。
サイズやバッテリーはほぼ変わらないが、カラーバリエーションが増えた「Series 6」
ここからは項目ごとに比較していこう。まずは、サイズ・カラー・バッテリーについて。
![AppleWatchのサイズ](/s3assets/articles/d2c3d15bd0915c52ac48ea86a3d2967f.jpg)
サイズは「Series 6」「SE」ともに、「Series 5」と同じ40mm、44mmのケースを採用している。一方、厚みは「Series 6」「SE」が10.4mmで、「Series 5」の10.7mmに対して0.3mm薄くなっているが、差を感じることはほとんどないだろう。
見た目という点ではカラーバリエーションに注目したい。「Series 6」のアルミニウムモデルにはおなじみのシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色に、ダークブルーと(PRODUCT)レッドの2色が加わった。いずれも上品な色合いで、カラーバリエーションが豊富になり、うれしい人も多いだろう。ステンレススチールはシルバー、グラファイト(DLC)、ゴールド(PVD)の3色となっている。なお、Apple Storeではチタニウムモデルもラインナップされている。
![「Series 6」のカラーバリエーション](/s3assets/articles/8e49dc2bfc0304c9f4623bcec9cca225.jpg)
一方の「SE」についてはアルミニウムモデルのみで、シルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色展開というラインナップだ。
「Series 6」は充電速度が速くなり、常時表示ディスプレイの輝度が向上
「Series 6」と「SE」のバッテリー駆動時間は、「Series 5」と同じ最大18時間となっている。充電時間は「Series 6」の速度が上がり、0→80%までが約1時間、100%までが約1.5時間と、これまでのモデルよりスピーディに充電できるようになった。
ディスプレイについては、「Series 6」は「Series 5」から搭載された常時表示ディスプレイに対応。また、「Series 6」の常時表示ディスプレイの輝度が上がり、屋外で手首を下げているときに「Series 5」の最大2.5倍の明るさを実現している。少し薄暗かったパネルがさらに見やすくなったことは、ユーザーにとって歓迎すべき進化といえる。
![「Series 6」の常時表示ディスプレイ](/s3assets/articles/f9935af7c9b3e8746e2ac893619cbe59.jpg)
一方の「SE」は、常時表示ディスプレイには対応していない。このあたりも、購入のための大きな判断基準になりそうだ。
「Series 6」は血中酸素ウェルネスセンサーを搭載
また、搭載するヘルスケア系センサーは各モデルに違いがある。「Series 6」は、「Series 5」にて搭載された心電図機能と第2世代の光学式心拍センサーに加えて、「血中酸素ウェルネスセンサー」を搭載した。昨今のコロナ禍で、消費者が自己診断できる要素のひとつとして注目を集める血中酸素濃度をモニタリングできるようになったことは、このご時世ならではの注目トピックといえるだろう。医療目的では使えないものの、ヘルスケアにおけるひとつの目安として役立つはずだ。
![「Series 6」搭載の血中酸素ウェルネスセンサー](/s3assets/articles/e0b1ec8c7926e215dbdc5485ede6444b.jpg)
「Series 5」は、血中酸素ウェルネスセンサーは非搭載だが、心電図機能と第2世代の光学式心拍センサーが搭載されている。対して「SE」は、第2世代の光学式心拍センサーのみを搭載。各種センサーの有無から、Apple Watchをヘルスケア視点で選ぶこともできそうだ。
「SE」の搭載CPUは「Series 5」と同様。つまりコストパフォーマンスが魅力
「Series 6」に搭載されているS6チップは、「Series 5」が搭載していたS5チップより20%処理速度が向上している。
「SE」は「Series 5」と同じS5チップを搭載。表示機能やセンサーは簡素化したものの、2019年に発売された「Series 5」と同レベルの性能を備えている。にもかかわらず、29,800円(税別)からと圧倒的なコストパフォーマンスを実現している。
電話機“単体”としても飛躍した、Apple Watchシリーズ
「Series 3」からeSIMを搭載し、Apple Watch単体で通話ができるようになったが、今回同時にリリースされた最新OS「watch OS 7」では「ファミリー共有設定」と「ウォッチナンバー」を利用することで、Apple Watch独自に番号を割り当てられるようになった。「ウォッチナンバー」は、現在(2021年3月22日時点)auのみが提供しており、このサービスを利用することによって電話機として独立させることができるようになったのだ。
![「watch OS 7」の「ファミリー共有設定」イメージ](/s3assets/articles/0336d2940b7d2454097e231af28e0b20.jpg)
ビジネスで番号を2つ持ちたいユーザーや、子どもの見守りなど、使い勝手の幅が広がった印象だ。これまではiPhoneの“子機”の印象が強かったApple Watchだが、より“親離れ”が進み、強力なモバイルデバイスへと進化の舵を切った印象を受ける。
膨大なモデルと豊富なベルトから、ぴったりの“1本”が見つかるはず
「Series 6」と「SE」の発売とともに、新たなバンド「ソロループ」も加わった。伸縮性のあるシリコーンゴムを編み込むことで、バックルがなく快適なつけ心地を実現している。
![新しい(PRODUCT)RED Apple Watch Series 6と専用のソロループ](/s3assets/articles/d1b9ed49d6b1f908b4589b7d94ac6ec0.jpg)
さまざまなモデルとバラエティ豊かなバンドを組み合わせることで、より自分にあった“1本”を選ぶことができるようになった。進化した「watch OS 7」とともに、モバイルデバイスの進化の一端をぜひ感じ取ってほしい。
文:吉州正行