2020/06/16

並ばず注文! スマホでの事前オーダー&決済『モバイルオーダー』を体験してみた

店舗に行かずとも、事前にスマホで注文から決済までがすべて完了し、あとは店舗に行って商品を受け取るだけ、という「モバイルオーダー」サービスが主に大手飲食チェーン店で広がりを見せている。2019年にはスターバックス コーヒーやすき家でも運用が始まり、2020年1月よりマクドナルドが全国展開を開始したことで、一気に普及。最近ではいわゆる三密回避のため、さらに注目を集めている。

モバイルオーダーを利用する女性

スマホのアプリを立ち上げると、位置情報から近辺の店舗が表示され、そこから行く店舗を決定し、メニューを選び、アプリ上で注文する。アプリのわかりやすい画面から好みの品をタップするだけだ。

各社モバイルオーダーアプリの画面 ファストフードを中心に各社モバイルオーダーサービスを行っている

事前にアプリ上で商品選択。お店の近く、あるいはお店に到着すると、同じくアプリ上で支払いが完了する。あとはカウンターで商品を受け取るだけ。たとえばランチタイムの混雑時などに、モバイルオーダーで注文しておけば列に並ぶことなく、効率的に利用することができる。

モバイルオーダーはここが便利!

手元のスマホを使って「食べたいな」「飲みたいな」と思ったタイミングで注文から決済まで実現できるのがモバイルオーダーのメリットだ。具体的には、以下の3つが挙げられる。

・並ぶ必要がない

たとえファストフードでも、混雑時にはカウンターに行列ができる。そして、お客さんの多い時間帯にはイートインの場合、席の確保もままならない可能性がある。事前にモバイルオーダーしておけば、注文カウンターに並ぶ人々を飛ばして、スマホと通信経由で自分の注文が厨房へと届き、スピーディーに受け取ることができる。テーブルデリバリーの実施店なら、入店後、席に座っているだけでテーブルにできたての料理が届く。

・事前にじっくりメニューを吟味できる

混雑時、慣れていない店でセットメニューなどを注文するとき、まずメインを選び、サイドメニューとドリンクを……といったオーダーがストレスになるという人は多いのではないだろうか。自分の後ろに行列ができていれば、なおさらだ。モバイルオーダーであれば、事前にスマホでゆっくりと選ぶことができる。モバイルオーダーは「慣れている人」「常連さん」が使うものというイメージがあるが、実はその店舗に不慣れな人にとってもメリットがあるのだ。

・隙間時間を有効活用できる

電車やバスに乗っているあいだにモバイルオーダーすれば、店で列に並ぶ数分を削減。移動中の隙間時間を有効活用できるぶん、ゆっくり食事を楽しみ、店での滞在時間を少なくして、早めにオフィスに戻ることができたりもする。

また、他にも
・アプリから直接オーダーすることで、注文の伝達ミスが防げる
・混雑時に素早く座席を確保できる
・ポイントカード、クーポンなどの出し忘れを防げる

などなど、ちょっとした「ファストフードあるある」の防止にも役立ってくれそうだ。
※メニューは記事製作時のものです。現在取り扱っていない商品もあります。

モバイルオーダーの利用手順

では、全国約2,700店舗(2020年6月9日時点)で使えるマクドナルドのモバイルオーダーを例に、利用手順を紹介していこう。

・必要なのは公式アプリと会員登録、決済方法

モバイルオーダーに必要なのは、マクドナルド公式アプリのダウンロードと会員登録だ。会員登録はメールアドレスとパスワードのみでOK。すでにマクドナルドの会員IDを取得している人は、新規登録は不要だ。

なお決済方法は、クレジットカードとLINE Payの2種類だ。画像はマクドナルド公式アプリ。画面下部の[オーダー]からモバイルオーダーを開始する。

マクドナルド公式アプリ

・行く店舗を決め、メニューを選ぶ

[オーダー]をタップすると、スマホの位置情報から近辺の店舗が表示される。自分が行く店舗を決めると、メニュー画面に切り替わる。サイドメニューやドリンクの内容、サイズの変更も可能。もちろん、公式アプリが提供する割引クーポンも使える。

マクドナルド公式アプリ

・注文後、受け取り方法を決める

メニューを決めたら受け取り方法を決める。[テーブルにスタッフがお届け](一部実施していない店舗もあり)のほか、[テイクアウト][カウンターで受け取る]の3種類ある。そして、クレジットカードかLINE Payから決済方法を選ぶ。ここで[注文を確定する]をタップし、次に[できたての商品を受け取る]画面が表示されれば、そこでお店に向かう。

マクドナルド公式アプリ

・店舗到着・決済、商品受け取り

[テーブルにスタッフがお届け]を選択した場合は、まっすぐ客席へ。そして各席に割り振られた番号をアプリに入力。そこではじめて[決済を確定する]をタップすることができ、支払いが完了する。と、同時に調理もスタート。席で待っていれば、スタッフの方が商品を届けてくれる。

なお、そうして来店したもののテーブルが空いていない、というケースもある。その際にはオーダー自体のキャンセルやテイクアウトへの切り替えも可能だ。

テーブルに貼られたテーブルデリバリー用の番号をアプリに入力

・カウンター受け取り&テイクアウトの場合

カウンター受け取り&テイクアウトの場合は、アプリが「店舗の近くに来ているかどうか」を確認してくれる。そこで支払いを確定すると、注文番号が付与されるので、あとは受け取りカウンターのモニターに自分の番号が出るのを待つだけだ。

テイクアウト時のモバイルオーダー画面

マクドナルド公式(iOS)
マクドナルド公式(Android)

さて、マクドナルド以外の店にも、それぞれ特色がある。本記事では、スターバックス コーヒーとすき家のモバイルオーダーを紹介しよう。

店によってモバイルオーダーは違う

・スターバックス コーヒー

スターバックス コーヒーのモバイルオーダーはプリペイド方式。ロイヤルティ プログラム「Starbucks Rewards™」参加者だけのサービスとなる。公式アプリをダウンロードし、会員登録を行ったあと、アプリ上でスターバックス カードを登録。このカードには、クレジットカードでの事前チャージや店頭での入金が可能。モバイルオーダーを使用するごとにさまざまなベネフィットが受けられる「Star」を集められる。

スターバックス コーヒー公式アプリ

また、スターバックスといえば、「ミルクの変更」「エスプレットショットの追加」「ホイップクリームの増減」など、好みに応じた多様なカスタマイズでおなじみだが、モバイルオーダーでも細かな設定が可能。そして、事前に「TO GO(お持ち帰り)」か「店内飲食」の利用方法を選ぶ。また、商品のできあがりを知らせる通知を受け取る設定もできる。

なお、ユーザーが来店したかどうかを店側が確認する機能は搭載されていないため、表示される受取時間を目安に店舗近辺でオーダーするのがおすすめだ。また、モバイルオーダー時に、自身のニックネームの登録も可能。配布される受取番号だけなく、このニックネームを伝えて商品を受け取ることもできる。

スターバックス コーヒー公式アプリ 「コスタリカ02」は店舗に決められた受取番号。かわりに自分で好きなニックネームを登録することもできる

スターバックス公式(iOS)
スターバックス公式(Android)

・すき家

すき家の公式アプリは会員登録の必要がない。クレジットカード情報の登録だけで、すぐに使うことができる。牛丼類のオーダーの際に「つゆだく」「つゆぬき」が選べたり、セットのたまごを「おんたま」、みそ汁を「とん汁」などに変更できる多彩なオプションにも対応している。オーダーしたいメニューを選んでから[トレイに乗せる]をタップし、注文を決定する。

すき家公式アプリのモバイルオーダー画面

すき家では、さまざまな割引クーポンが発行されているが、それらを自分で選択しなくても、条件が合致するオーダーの場合、自動的に適用されるのもうれしい。なお、決済は店舗到着後、卓上に貼られているQRコードをアプリで読み取れば完了する。そして、一度オーダーした品は[いつもの]としてアプリに登録できるため、ワンタッチで呼び出してオーダーすることも可能だ。

すき家公式アプリのモバイルオーダー画面

すき家公式(iOS)
すき家公式(Android)

各社の公式アプリに搭載されているモバイルオーダーは、それぞれの業態に合わせて、より便利で使いやすい仕組みになっている。

モバイルオーダーが「あるのが普通」になる?

実は、すでにアメリカ本国のスターバックスでは、全売上中のモバイルオーダー比率は約17%に達しているという(2020年1月時点)。新しい生活様式を求められる今、モバイルオーダーはさらに普及し、一般化していくだろう。

スマホと連携したモバイルオーダーは、列に並ぶイライラが解消され、現金を用意する必要もなく、時間も短縮されるなど、「いつもの行動」がちょっと便利に、快適になる。まだ使ったことがないという人は、一度体験してみてはいかがだろうか。

文:武田篤典