2020/06/01

| 更新

2021/02/23

ワンセグ非搭載スマホでテレビを見る4つの方法 おすすめのアプリやチューナーも紹介

スマホやガラケーでテレビを見る方法といえば、かつてはワンセグチューナーを搭載した機種でリアルタイム視聴するくらいだった。だが、いまでは見逃し配信など、後追いでテレビ番組を視聴できるWebサービスも充実しており、スマホでテレビを視聴するスタイルも多様化している。

本記事では、ワンセグを搭載していないスマホでもテレビ番組を視聴できる4つの方法を紹介する。

【目次】

スマホでテレビ番組を視聴する方法

①リアルタイム視聴できる外付けのモバイルチューナー

もっともオーソドックスと思えるのが、外付けのワンセグ・フルセグチューナーを利用する方法だ。接続してしまえば、使い勝手はワンセグ・フルセグ搭載のスマホと大差はない。

番組をリアルタイム視聴できるのがメリットで、録画に対応するものもある。micro USBやUSB-A、Type-C、Lightningなどさまざまな端子があり、スマホに直接挿して利用するものが多いが、なかにはチューナー自体は窓際など電波状況のよいところに設置し、Wi-Fiで接続して利用できるものもある。

ピクセラ「サイトスティック(Xit Stick)」※写真は「XIT-STK200」 ピクセラ「サイトスティック(Xit Stick)」※写真は「XIT-STK200」

ただ、通常の地デジ放送や4K、フルHDといったネットのストリーミング動画を見慣れていると、ワンセグの画質はかなり劣って見える。というのも、地デジ放送の解像度は1,440x1,080ピクセル、4Kだと3,820×2,160ピクセルにもなるが、ワンセグは320x240ピクセルしかない。そのぶん、車や電車などでの移動中を含め、テレビ電波を受信しやすいのだが、画質重視ならフルセグ(1,920x1,080ピクセル)の受信に対応したものを選ぼう。

なお、最近はネット配信が充実してきたこともあり、新たな商品が発売されることは減っている。上の画像のピクセラ「XIT-STK200」は古いスマホや最新OSにも幅広く対応しているが、機種によっては対応していないこともあるので、自分のスマホに対応しているかは購入前に気をつけたい。

【特長】
・データ容量(ギガ)を消費せずに利用できる

【注意点】
・テレビ電波を受信できる環境でないと使えない
・自分のスマホおよびそのOSのバージョンで利用できるか、事前に確認が必要

②移動中に昨夜の番組もチェックできる見逃し配信

リアルタイムで放送を見られず、録画もしていなかった……といった場合に心強いのが、いわゆる見逃し配信だ。これはテレビでの放送終了後、一定期間ネットで番組を配信するというもの。Web上で見られるほか、モバイル向けのアプリも用意されていることが多い。

スマホでテレビを見ている女性

各放送局も独自に見逃し番組を配信しているが、なかでも「TVer(ティーバー)」は代表格だろう。TVerは民放各社(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ、毎日放送、朝日放送、読売テレビ、関西テレビ、テレビ大阪)が連携したポータルサービスで、各局の番組を放送終了後に期限付きで配信している。視聴は無料で、ユーザー登録なども不要だ。

TVerのロゴ

番組名のほか、出演者などでも検索でき、お気に入りの番組をリストに登録しておけるなど、使い勝手もいい。また、テレビの番組表から放送アラートを設定すれば、その番組が始まる前にスマホに通知が行われる。

なお、各番組には配信期限があり、放送終了後から、翌週放送までの1週間となっているものが多い。過去に遡っていつでも見ることができるわけではなく、またすべての番組を配信しているわけではないため見られない番組もある。

【特長】
・見逃した番組をネットで見られる
・移動中や休憩時間など、好きなタイミングで見られる

【注意点】
・リアルタイムでは見られず、すべての番組を見られるわけではない
・配信期間を過ぎると見られない
・インターネット接続が必要。
・データ容量(ギガ)の消費が大きいので、Wi-Fi以外の視聴には注意が必要

③テレビ番組以外も配信する各放送局のオンデマンドサービス

各局テレビ番組の見逃し配信はTVerでまとめて見られるが、先述のとおり、すべての番組が配信されているわけではない。そうした配信されていない番組でも、各放送局が展開しているオンデマンドサービスでは配信されているものもあるので、チェックしてみるといいだろう。また、各サービスでしか見られないオリジナル番組なども配信されている。ここでは、主要放送局とNHKのサービスのなかから代表的なものを紹介する。

【特長】
・TVerで配信していない番組も見られる
・放送局ごとにオリジナル番組や映画なども配信している

【注意点】
・放送局ごとに登録(無料/有料)が必要
・リアルタイムでは見られない
・インターネット接続が必要
・データ容量(ギガ)の消費が大きいので、Wi-Fi以外の視聴には注意が必要

・日テレ無料!(TADA)/日本テレビ

日本テレビで放送された番組を配信している動画サービス。公開中の動画はすべて無料で視聴できる。基本的にはテレビでの放送終了後、すぐに公開されている。配信期間は番組によって若干異なるが、概ね1週間となっている。

日テレ無料!(TADA)のロゴ

・Hulu/日本テレビ

日本テレビ系列のサービスとしては、月額1,026円(税込)の「Hulu」もある。こちらは国内のテレビ番組だけでなく、海外の番組や国内外の映画、アニメなどを幅広く配信している。一部の作品はスマホにダウンロードして視聴することも可能だ。

Huluのロゴ

・テレ朝動画/テレビ朝日

テレビ朝日系列の番組を視聴できる有料・無料の動画配信サービス。有料動画はメダル(個別課金・月額課金)を購入するか、月額見放題パックを購入する必要がある。

テレ朝動画のロゴ

・TELASA/テレビ朝日

テレビ朝日系列では、auの動画配信サービス「ビデオパス」がリニューアルした「TELASA(テラサ)」もある。KDDIとテレビ朝日の合弁会社が運営しており、テレビ朝日系のコンテンツが充実している。

TELASA(テラサ)のロゴ

・ABEMA

テレビ&ビデオエンターテインメイト「ABEMA」は、24 時間編成のニュース専門チャンネルや、オリジナルのドラマや恋愛リアリティーショー、アニメ、スポーツなど多彩なジャンルの番組を配信しているほか、テレビ朝日系列の番組の見逃し配信が視聴できる。基本的には無料で番組を視聴することができるが、月額960円(税抜)の「ABEMAプレミアム」に登録することですべての作品が見放題、さらに広告なしでビデオを再生することが可能になるなどのメリットがある。

ABEMAのロゴ

・TBS FREE/TBS

TBSテレビで放送された番組を放送終了後から原則1週間、無料で配信している。

なお、TBSとテレビ東京、WOWOWの番組を配信する有料サービス「Paravi(パラビ)」も2018年4月から始まっている。月額925円(税抜)の有料サービスだが、過去に放送したドラマやオリジナル番組なども配信している。

TBS FREE、Paraviのロゴ

・テレビ東京ビジネスオンデマンド/テレビ東京

テレビ東京系列で放送中の経済ニュースや経済番組が見放題になるサービスで、月額は500円(税抜)。また、バラエティやドラマなどの番組は「ネットもテレ東」にて放送後から原則1週間限定で見逃し配信をしており、こちらは無料で視聴できる。

テレビ東京ビジネスオンデマンド、ネットもテレ東のロゴ

・FOD/フジテレビ

フジテレビが運営する動画配信サービス。無料でバラエティやドラマの最新回などを視聴できる。また、月額888円(税抜)(iTunes決済は980円(税込))で「FODプレミアム」に登録すると、フジテレビで放送された番組やオリジナル番組が見放題になるほか、120誌以上の雑誌も読み放題になる。また、見放題ではないが、新作映画などもポイント購入でレンタル可能になる。

FODのロゴ

・NHKオンデマンド/NHK

NHKが放送した番組を視聴できる動画配信サービスで、1番組110円〜330円(税込)で視聴することができるほか、月額990円(税込)で全番組が視聴可能となる「まるごと見放題パック」も用意されている。放送後2週間の見逃し配信と過去の番組のライブラリ―があり、無料の会員登録のみで見られる無料番組もある。なお、NHKでは総合テレビやEテレの番組の同時配信と1週間の見逃し配信を行う「NHKプラス」も運営している。

NHKオンデマンドのロゴ

放送局のオンデマンドサービスという括りからは外れるが、以下の動画配信サービスでも、リアルタイムではないが一部国内のテレビ番組を配信している。あわせてチェックしてみてほしい。

・Amazon Prime Video

Amazonのプライム会員向け動画配信サービスでも、一部のテレビ番組を配信している。また、別途月額料金が必要だが、「NHKオンデマンド」や「テレビ東京ビジネスオンデマンド Select」などのチャンネルを契約すると視聴が可能になる。あちこちで契約したくない、視聴アプリを増やしたくないといった場合には便利だろう。

Amazonプライムビデオのロゴ

・Netflix

月額800円(税別)からの動画配信サービス。オリジナル作品に力を入れているが、国内外のテレビ番組も一部配信している。

Netflixのロゴ

④スマホで視聴できるHDDレコーダーを使用

HDDレコーダーやブルーレイ / DVDレコーダーのなかには、スマホと連携して放送中の番組を外出先からもリアルタイムに視聴したり、録画した番組を再生できる機種がある。自宅のレコーダー(チューナー)を利用しているので、テレビ電波の受信感度に問題なく、録画番組をスマホに移しておけば、外出先でもきれいな映像を視聴できるのがメリットだ。

普段あまりテレビは見ないが、お気に入りのドラマや映画などを録画し、繰り返し見ているという人にとっては、月額制のストリーミングサービスにお金をかけたり、配信が終わって見られなくなるということもなく、いつまでも楽しめるのもポイントだ。

すでに利用しているレコーダーがスマホに対応している場合もあるので、一度確認してみることをおすすめする。

【特長】
・所有しているHDDレコーダーが対応していれば初期投資は不要
・外出先から自宅の録画番組をいつでも好きなだけ見ることができる

【注意点】
・対応するHDDレコーダーが必要
・録画を忘れると見られない
・外出先から見るにはインターネット接続が必要(録画をスマホに移して視聴するなら不要)
・外出先から自宅のHDDレコーダーにアクセスして見る場合、データ容量(ギガ)の消費が大きいので注意が必要

チューナー内蔵のスマホは?

最近は対応機種が減少傾向ではあるが、ワンセグ・フルセグチューナーを内蔵したAndroidスマホなら、ここで紹介したような手間をかけずにテレビ視聴が可能だ。最近のスマホでは、「Xperia 1 II」「Xperia 5」「AQUOS R5G」「AQUOS R3」「Galaxy S10 / S10+」「Galaxy S9 / S9+」などがチューナーを内蔵している。

Xperia 1 II、AQUOS R5G、Galaxy S10 左/Xperia 1 II 中/AQUOS R5G 右/Galaxy S10

外付けチューナーを利用する場合と同じく、通常のテレビと同じ地上デジタル放送の電波を受信するので、それ自体でデータ通信容量(ギガ)を消費することはない。ただ、テレビ機能を利用する場合には、専用の受信用アンテナや有線イヤホンなどを接続する必要があるので注意が必要だ。

“ギガ”の使いすぎに注意

外付けチューナー、見逃し配信アプリ、オンデマンド配信、HDDレコーダー連携と4つの方法を紹介したが、①の外付けチューナー以外は、基本的にインターネットへの接続が必要になるので注意してほしい。自宅などでWi-Fi接続で使うぶんには問題ないが、外出先でも手軽に見られるからと利用していると、大量のデータを消費してしまう。

ただし、HDDレコーダーで録画した番組をスマホに移す場合や、HuluやTELASA(テラサ)など一部のサービスでは、すべての作品ではないものの、スマホへの動画ダウンロードに対応したものもある。スマホに保存した動画を視聴するなら、当然インターネット接続は不要だ。高画質な動画も気兼ねなく見られるので、積極的に利用したいところだ。このあたりは利用する機器やサービス、アプリによってできることが変わってくるので、メーカーのホームページやマニュアルで確認してほしい。

なお、スマホに保存していない動画をどうしても外出先で見たい場合には、データ通信容量(ギガ)を抑えるために、画質を落として視聴するなどの対策をするといいだろう。

auでは、データ使い放題で「TELASA」「Paravi」「FODプレミアム」などのTV動画配信サービスがセットになった料金プラン「データMAX テレビパック新料金プラン」や、データ使い放題で「Netflix(ベーシックプラン)」「YouTube Premium」「TELASA」などの人気エンタメコンテンツがセットになった料金プラン「データMAX ALL STARパック」なども用意されいてるので、こういったプランに入ると安心だ。

YouTubeなどスマホの動画サービスの普及によって、一人ひとりが手元で動画を楽しめる時代。自粛要請などで在宅時間が長くなると、家族それぞれで別のテレビ番組を見たり、居間でなく自分の部屋で見るなど、紹介した方法を使えば、スマホによって時間や場所に縛られず、いつでも気軽に視聴が可能になっている。方法はさまざまあるが、本記事を参考にライフスタイルにあった視聴方法を楽しんでほしい。

文:山本竜也



※参考情報
・iPhone / iPad用TVチューナー Xite Stick
・TVer アプリ
・Hulu | 日本テレビ
・テレ朝動画 | テレビ朝日
・TELASA | テレビ朝日
・TBS FREE | TBSテレビ
・テレビ東京ビジネスオンデマンド | テレビ東京
・FOD | フジテレビ
・NHKオンデマンド | NHK