2020/02/06

犬や猫の気分や健康状態を可視化するペットテックとは? 最新のIoTトイレを試してみた

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ペットと意思の疎通を図るのはきわめて困難だ。

殊勝な顔をしたふてぶてしい暴れネコ 殊勝な顔をしたふてぶてしい暴れネコ

寂しそうなのでなでようとしたから噛まれ、その1秒後に甘えてくる。

寝息を立てるネコ 噛んだ相手のお腹の上に飛び乗って寝息を立てるネコ

その「わからなさ」がまた愛らしいのだが、病気や体調不良となると話は別だ。ペットは「気分が悪い」とか「食欲がない」なんて意思表示はしてくれない。日頃から彼らの動きや態度に気を配っていても、気づいたときには悪化している可能性がある。それは心の健康面も同様だ。

ペットと適切なコミュニケーションを取ることは、飼い主としての願いだ。まして調子が悪いときには、より早く、正確にペットの状態を知りたい。そうした願いをIoTやAIなど、先端技術を活用して叶えてくれるのが「ペットテック」である。

「ペットテック」とは具体的にどんなもので、現在どんな種類があるのか、人気のペットテック商品&サービスを実際に試してみることにした。

スマホと連携した、先端のペットテックとは?

ペットテックは、文字どおり「ペット」と「テクノロジー」をかけ合わせた造語だ。多くはスマホと連携し、手軽に、先端技術でペットの健全な育成と、飼い主とのコミュニケーションをサポートしてくれる。

では、どんなものがあるのだろうか。

・健康管理

たとえば活動量計。缶バッジサイズのデバイスを首輪に装着し、加速度センサーなどでペットの動きを読み取り、スマホアプリで記録してくれる。日々の活動量から平均値を割り出し、それと比較することで「今日のペットの体調」を分析することができたりも。また、ネコの尿量や尿回数を記録し、スマホで見られるスマートトイレなどもある。

心の健康を管理できるツールもある。装着したハーネスがペットの心拍数から“感情”を解析。「ペットが今どう思っているか」をスマホアプリと連携して可視化することも。

・見守りカメラ

自宅に設置し、外出中でもネットワークを通じて、家で過ごすペットの様子をスマホやパソコンで確認することができるサービスだ。子どもや高齢者がいる家でもよく使われているが、ペット用見守りカメラには、ペットが寂しがっている様子をAIが感知し、飼い主のスマホに呼びかける機能のあるものも出ている。

・迷子防止

首輪に装着してGPSデータを発信し、ペットの現在位置を飼い主のスマホに送信してくれるサービス。

・各種マッチングサービス

飼い主に代わって愛犬の散歩をしてくれる人や、愛猫を預かってくれる家、近所のトリマーなどをスマホで見つけることができるサービスだ。

このように、AIが分析し、スマホと連携することで、飼い主が簡単にペットの情報を確認できるものが増えている。ペットテックはスマホが一般化した現代で、とても注目されている分野なのだ。

家庭でできるネコの健康管理とは

飼っている人なら気にしている人も多いと思うが、ネコの健康を維持するうえで、腎臓のケアはとても重要だ。

ペット保険のアイペット損害保険が、毎年「ペットの保険金請求が多い傷病のランキング」を発表している。契約者の保険金請求実績から、実際にイヌやネコがどんな病気にかかるケースが多いかを調査したものだが、1〜6歳のネコでは「皮膚炎」についで「膀胱炎」が2位に、「腎臓病」が4位にランキング。7歳以上になると「腎臓病」はトップとなっている。

(2018年1月1日~12月31日、アイペット損害保険株式会社による、契約者からの保険金請求実績に基づくサンプル調査より)

筆者は、6歳を超えてそろそろ健康面でのケアが気になりはじめてきたネコ(♂)と暮らしている。名前は「あまとら」。記事冒頭から登場しているが、実は彼、1年半前に膀胱炎にかかった。

6歳のオス猫 あまとら(ミックス/オス6歳)

「トイレの回数が増えてない?」と気になりはじめ、トイレに行くたびに「ちゃんとおしっこしているか」を観察しつつ、トイレシートを確認していると、以前より極端におしっこの量が少ないことがわかった。病院に連れて行くと、先生から膀胱炎という診断。結局ことなきを得たが、病院に行くまで1週間が経ってしまった。

おしっこの回数や量を観察することは、猫の腎臓の健康をはかるうえでとてもよいバロメーターになるのだ。ただし、毎日毎回、おしっこの様子を確認することはなかなか難しいというのが現実だ。

そこで今回は、ネコ用スマートトイレ「toletta2」を実際に試すことにした。「toletta2」は猫のおしっこの回数や量などをデータとして記録し、飼い主のスマホに送信してくれる。

「toletta2」到着! さっそく試してみた

というわけで、こちらが今回、メーカーさんからお借りした「toletta2」。

ネコ用スマートトイレ「toletta2」

基本構成はネコを飼っている人にはお馴染みのトイレと同じ。左のトイレ本体のスノコの上に、ネコ砂を敷き、トレーにトイレシートを敷く。

特別なのは、右のセンサープレートというパーツ。トイレ時の体重、トイレへの入室時間、滞在時間、インターバル、尿量を計測し記録してくれる。

コードでつながったT字型のパーツはカメラだ。ネコがトイレに入室すると自動的にモニタリングし、動画と静止画を撮影してくれる。そして、すべてのデータはスマホアプリに集約される。

本体をセットするとこんな感じ(写真左)。もとの一般的なネコ用トイレ(写真右)と比較すると、幅4cm、奥行き5cmほど大きくなる。

従来のシステムトイレとスマートトイレ「toletta2」のサイズ比較

そして、これまでのトイレの位置にスマートトイレ「toletta2」を置いてみた。

スマートトイレ「toletta2」

トイレ奥上部にLEDライトがあり、その下にカメラ。部屋が真っ暗でもモニタリングできるように。突然のトイレ変更にわがネコが怖がらないよう、以前のトイレで使い古した“ネコ砂”をそのまま流用した。

次にスマホ用のアプリ「toletta」をダウンロードして、ユーザー情報とネコ情報を登録。

「toletta」のマイページ完成

ネコの顔写真を登録し、その後ネコがトイレを使えば顔を認識するという。なお、登録できるネコ数は無制限。従来のスマートトイレでは首輪にバッジなどを付けてネコを識別する必要があったが、「toletta2」はカメラがネコの顔を認識し、ネコごとにデータをまとめる。これは世界初の技術だという。

こんなふうに。

「toletta2」の画面

見慣れぬトイレに怪訝な表情で遠巻きにしていたネコだが、約4時間後に初入室。普段と変わらない様子でおしっこ完了。

こうして体重・尿量・排尿回数・入室回数・トイレ滞在時間が初めて計測された。トイレに行くたび、データは動画とともに上のように記録され、スマホに届けられる。

愛猫のトイレ事情を毎回しっかりと把握することは現実的には難しいが、自動的にデータを取ってくれるので、変化があったときは早めに気づくことができそうだ。トイレの掃除以外、飼い主の作業が増えるわけではない、という点も助かる。

こちらがスマートトイレ生活開始後2週間、2019年12月15日から29日までのデータだ。

「toletta2」での体重・尿量・入室回数・尿回数のデータ

青いラインは増減の傾向を表したものだ。トイレに入ったがおしっこをしなかった場合やうんちの場合は入室回数だけが増える。客観的なデータが残るうえ、アプリからは獣医師に相談もできる。また、かかりつけの獣医師に「toletta2」で記録したデータを見せれば、診断の参考にもなるだろう。

膀胱炎にかかって以降、筆者と家族は尿量チェックが日課のようになっていた。少ししかおしっこをしていないと、病気の兆候のような気がしてならなかったからだ。だが今や、愛猫のトイレ情報は「toletta2」がスマホに送信してくれる。ペットへの気遣いへのしんどさを、まさにテクノロジーが埋めてくれたのだ。

こうして「toletta2」を使用し始めて約1カ月、筆者は安堵の日々を過ごしている。

▼ スマートねこトイレ「toletta2(トレッタツー)」

ねこ用スマートトイレ「toletta2」

商品名/toletta2
メーカー/ハチたま
価格/32,780円(税込、送料無料)

その他のおすすめペットテックを紹介!

ペットテックにはスマートトイレのほかにも、さまざまな製品が発売されている。ここでは、家庭に取り入れやすく、スマホと連携することでペットとのコミュニケーションをより深め、ペットを知ることができるサービスや商品を紹介する。

▼ 首輪で簡単、ペットの元気を管理「Plus Cycle(プラスサイクル)」

缶バッジほどの大きさのデバイスに3軸加速度センサーと気圧センサーを搭載し、活動量を測定する。ジャンプ回数、ご機嫌、ごはんの量、便の状態などをすべてスマホアプリで視認可能。ログから割り出した平均値とその日のデータを比較することで、飼い主はリアルタイムでペットの好不調を知ることができるのだ。

ネコがPlus Cycleを装着した様子

商品名/Plus Cycle
メーカー/日本動物高度医療センター
価格/9,900円(税込、送料無料)

▼ 愛犬のメンタルを健全に保つ「INUPATHY(イヌパシー)」

ハーネス型のデバイスに心拍センサーを内蔵。心拍数の変化から「リラックス」「ドキドキ」「ハッピー」「興味」「ストレス」といった犬の心の動きを、LEDライトで表わし、装着したデバイスとスマホアプリでリアルタイムに確認できる。飼い主としては、犬への適切な接し方がわかり、犬たちにストレスのない暮らしを提供することができるようになるのだ。

INUPATHY(イヌパシー)
INUPATHY(イヌパシー)

商品名/INUPATHY
メーカー/ラングレス
価格/本体、ハーネスセット 29,800円(税別、送料別)

▼ 飼い主の留守中も心配なし! のドッグカメラ「Furbo(ファーボ)」

外出中、気になるペットの動向をスマホやタブレットなどのアプリで見守ることができる。犬が寂しがって吠えると通知が届き、遠隔操作でペットに話しかけたり「おやつを発射」したりすることもできる。身体的な異変に遠隔で気づけるだけでなく、イヌのストレス軽減にも役立ってくれそうだ。

留守番中の飼い犬をスマホで見守ることができるカメラ

商品名/Furboドッグカメラ
メーカー/Tomofun
価格/27,500円(税込、送料無料)

ペットにまつわるグッズやサービスはこれまでも数多く展開されてきたが、AIやIoTによって、飼い主が切実に知りたいと思っていた「ペットの状態」を、より正確に、詳細に知ることができるようになってきた。これらの先端テクノロジーが、飼い主とペットの関係をより良いものにしてくれるだろう。

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取材・文:武田篤典

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