2019/10/28

ディスプレイがあると何が違う? Google Nest Hubを1カ月使ってみてわかったこと

「Google Home」や「Amazon Echo」に加えて、Appleのスマートスピーカー「HomePod(ホームポッド)」も発売を開始するなど、日本でも音声アシスタントに対応したスマートスピーカーがおおむね出揃った。最近ではディスプレイを搭載した「スマートディスプレイ」も登場し、スマートスピーカーはさらなる進化をとげている。

Google Nest Hub

そこで今回は、スマートディスプレイの代表モデルである「Google Nest Hub」を実際に使い、ディスプレイがないスマートスピーカーとの違いや、便利なところなどポイントを紹介する。

「Google Nest Hub」と「Google Home」の違いは?

Google Nest HubとGoogle Home

写真左がスマートディスプレイの「Google Nest Hub」、右がスマートスピーカーの「Google Home」。

スマートスピーカーとは、対話型の音声操作に対応したAIアシスタント(iPhoneでいう「Siri」やAndroidでいうところの「Googleアシスタント」)が利用できるスピーカーのことで、話しかけることで音楽鑑賞や天気予報、ニュースなどの調べ物など、音声操作を中心としたデバイスだ。

今回のGoogle Nest Hub とGoogle Homeとの一番大きな違いは、ご覧のとおりディスプレイの有無で、それ以外での大きな違いはない。

ただ、このタッチパネルの搭載により、Google Nest Hubではディスプレイでの各種設定やコンテンツの選択といった音声以外の操作が可能になり、操作性や使い勝手の点で、スマートスピーカー初心者にも優しい仕様となっている。

スマートディスプレイが便利な場面

では、スマートディスプレイはどんな場面で便利なのか?Google Nest Hubを1カ月間使用した実体験をもとに紹介する。

①置き時計にできる

Google Nest Hub

Google Nest Hubにはディスプレイがあるので、待機時でもディスプレイに時刻を表示させることができ、リビングや仕事机の上に置いておくだけで「置き時計」として活用できる。自宅に掛け時計や置き時計がなかった筆者にとっても、Google Nest Hubを購入したことで常に時間が把握できるようになった。Google Homeと違い、「話しかけなくても時刻がわかる」のはやはりありがたい。

②フォトフレームとして活用できる

Google Nest HubとiPhone X

待機画面では、時計の表示のほか、Google フォトにある写真を表示させる設定があり、フォトフレームとしても使用できる。筆者の場合、撮りためたままフォルダに眠っていた写真が、ここで活きる形となった。スマホより大きな7インチの画面で表示されるので非常に見やすく、思い出の掘り起こしにもなり、また写真を撮るモチベーションにもなってきた。

Google Homeアプリの設定画面

写真はGoogleフォトとの連携がかんたんで、表示させる写真はアルバム単位で設定できる。もちろん、写真だけでなく先程の時刻の表示のほか、天気予報の表示なども可能。

③モバイルシアターとしても活用できる

Google Nest Hub

映画好きな筆者には、Google Nest Hubは動画視聴専用機としても活躍した。「OK Google、○○の動画」と話しかければ、YouTubeのほか、HuluやU-NEXTなど対応のサービスから検索し、検索結果を表示、またはダイレクトで再生もできる。音声だけで動画を検索、再生できるので、仕事の息抜きに活躍した。スマホよりひと回り大きい画面サイズなので動画とは相性が良い。

④料理中もレシピが目でも確認できて便利

Google Nest Hubで表示したナポリタンのレシピ画面

Google Nest Hubは音声だけで料理レシピを呼び出せるので、手の空きづらい料理中でも使い勝手がよかった。「OK Google、ナポリタンのレシピ」で表示したのがこちら。

Google Nest Hubで表示したナポリタンのレシピ画面

Google Homeでも音声でレシピを聞くことができたが、料理中は聞き逃すことも多く、その点ではディスプレイがあることで、目でも確認できる点が非常に便利だった。レシピの表示もディスプレイサイズに合わせてデザインされていて、とても見やすい。レシピ以外でもタイマーを最大3つまで表示できるので、麺の茹で加減とソースの煮込み時間など料理ごとのタイムマネージメントもできて便利だ。

Google Nest Hubタイマー画面

料理途中に手が空いたら、動画視聴や音楽を流すことも可能。キッチンという場所とスマートディスプレイの親和性はかなり高かった。

⑤朝の支度の最中も情報収集に

・ニュースを聞く、見る

Google Nest Hub

歯磨きをしたり、顔を洗ったり、シャワーを浴びたり…とせわしない朝に最短で情報収集ができるのもスマートスピーカーの利点のひとつ。「OK Google、最新のニュース」と呼びかけるだけなので、テレビリモコンを探す→テレビをつける→チャンネルを変える、という一連のルーティンを省くことができる。このながら情報収集でも、ディスプレイがあることで、聴覚だけでなく、視覚でも情報を補える点が非常に便利だ。

・言葉だけでなくアイコンでも傘の用意を判断できる

Google Nest Hubに表示された神宮前の天気予報

特にスマートスピーカーでおなじみの天気予報も、音声情報だけだと朝のながら聞きでは聞き逃すこともあったが、見慣れた天気アイコンがディスプレイにも表示されるので、より直感的にお天気情報を知ることができた。テレビを点けずとも、傘の準備や洗濯物の取り込みなど、とても便利に活用できた。

・外出までの逆算にも役立つ

Google Nest Hubに表示された地図画面

また、外出前に打ち合わせ先の駅名や住所を音声入力すれば、移動やアクセス方法も音声だけでなく、マップと合わせて表示される。出発前に目的地までのアクセス方法を掴めるため、こちらも非常に便利だ。

⑥帰宅後、就寝時にも活躍

・音楽を流す

Google Nest Hubに表示されたYouTube Musicの画面

スマホや音楽プレイヤーを介していた音楽も、「曲名」や「アーティスト名」を音声入力だけで済むスマートスピーカーは、仕事や読書中のBGMガジェットとしても大変重宝。Google Play Musicのほか、うたパス、YouTube Music、AWA、Spotifyといった音楽サービスの視聴も可能だ。Google Nest Hubは、ディスプレイ上に再生中の曲名やジャケットなどの情報を可視化できるので、再生途中にいちいち「この曲、何?」と質問をする手間も、曲途中でフェードアウトして答えを聞く必要もなく、スマートディスプレイのありがたみを感じたポイントでもあった。

Google Nest Hubに表示されたアプリ「森の音」の画面

ちなみにベッドサイドに置いての使用時、もっとも重宝したのが「森の音」というアプリ。鳥や虫の音声が流れるだけのものだが、さあ寝るぞと思ったときに「OK Google、森の音」と音声入力をして寝ていたのだが、とても心地の良い睡眠に誘ってもらった。

またGoogle Nest Hubのディスプレイの上部には、明るさを検知するセンサーがあり、部屋の消灯合わせディスプレイの明度を自動で下げてくれる。就寝時は、寝言による誤動作を防ぐために、ディスプレイ裏にあるプライベートボタンをオンにする。ベッドサイドに置いても睡眠の邪魔をしない設定もうれしいところ。

スマートディスプレイは、スマートスピーカーをさらに進化させている

こうして1カ月使用してみた感想を。Google Homeでは音声操作が便利な反面、検索結果の聞き取り→記憶の必要があったが、スマートディスプレイでは、音声プラス視覚情報があることでより操作がしやすくなった。

Google Nest Hubの人なつこい一面

基本的には、どの部屋に置いても、それぞれに役に立つ。本当は部屋ごとにスマートディスプレイを置きたいくらいだが、ディスプレイがあることでいちばん役に立ったのは、音声操作でレシピを見たり、レシピをみながら音楽をかけたり、複数のタイマーを表示できたりと手が空きづらい料理中のシチュエーションなどには代替がきかない存在感を発揮してくれた。たとえばキッチンにはGoogle Nest Hub。ほかの部屋には値段も手頃なGoogle HomeやGoogle Home Mini、といった使い方がいいのかも。もちろん、生活スタイルによって使い方も異なるので、自分に合った使い方を探してみるも楽しそうだ。

ディスプレイを携えたことで、さらに進化を遂げたスマートスピーカー。Google Nest Hubよりもサイズアップし、コミュニケーション機能も強化されたGoogle Nest Hub MAXの発売も控えている中、スマホでもタブレットでもない、もうひとつのガジェットとしてぜひ試してみてはいかがだろうか?

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文:よもぎ三太郎
写真:HAYASHI★2019