2019/05/31

アカウント共有すると危険? 売買は違法? 思わぬトラブルを防ぐ5か条

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スマホ全盛の時代にインターネットを使った思わぬトラブルにあわないよう、話題になっているセキュリティの手口や事例を解説し、今さら聞けない素朴な疑問に答える新連載がスタート。第1回は「アカウント」のお話。

若者の間でアカウントの共有や売買が増えている

SNSやショッピング、動画視聴にオンラインゲームなど、さまざまなインターネットサービスを使用する際に必要な「アカウント」。最近は若者を中心に、動画配信サービスのアカウントを仲間と共有して料金を折半したり、対価を支払ってオンラインゲームのレベル上げを代行してもらうために、知らない人にアカウントを教えたりするケースが増えているという。

アカウントの共有や売買は、セキュリティ面や法律面で問題はないの?

アカウント共有や売買の実態とその危険性などについて、不正利用対策を専門に行うKDDIのUX・品質統括部の新井 契(ひさし)に話を聞いてみた。新井は、auのお客様が安心してサービスを利用できるようにセキュリティ対策を推進しており、社内では「セキュリティ先生」として知られるスペシャリストだ。

KDDI 新規ビジネス推進本部 UX品質統括部 セキュリティ・設備品質グループの新井 契 KDDI 新規ビジネス推進本部 UX・品質統括部 セキュリティ・設備品質グループの新井 契

Yahoo! JAPAN IDを知らない人に渡したら……?

――最近、若い人のあいだでアカウントの貸し借りや売買が流行ってるみたいなんですけど、これって危なくないですかね。個人情報が漏れたり、悪いことに使われたりする危険があるし……。

新井「「もちろん、アカウントの共有や売買はとても危険な行為です。どう危険なのかを説明するために、まずは「アカウント」とはなんなのかを説明しましょう。そもそもアカウントは、個人情報を登録し、IDやパスワードを設定し、インターネットのサービスを受ける権利を得るためのものです。

まず知ってほしいのは、ネットの世界ではアカウントだけがその人を特定するものだということ。アカウントを誰かに貸した場合、その人になりすまして、なんでもできてしまう。名義貸しと同じなんです」」

――確かに私のアカウントを違う人が操作していても、外からみたら私がやっているようにしか見えませんよね。

新井「「そう。だからアカウントの共有はトラブルのもとなんです。実際、Yahoo! JAPAN IDを知らない人に渡した結果、架空出品に使われた事件がありました。

たとえば、Aさんがネットの掲示板で知り合ったBさんから、お金をもらって自分のYahoo! JAPAN IDを渡したとします。Bさんは悪意をもってこのIDでヤフオク!に架空の出品をします。商品は落札されてお金はBさんに振り込まれましたが、架空の出品なので商品は送られず、Bさんはそのままトンズラ。Aさんに悪意はなくても、購入者からの苦情はIDの持ち主であるAさんにきてしまいます」」

――その場合、アカウントを貸したAさんの責任は問われるんですか?

新井「「Aさんが、アカウントが犯罪に使われることを知っていたら、犯罪に問われる可能性があると思います。犯罪に使われることを知らなかったとしても、騙された方から民事訴訟を起こされたら、民事上の責任は問われる可能性が考えられます」」

――仮にBさんに悪意がなかったとしても、なにかトラブルが起きたら貸し主のAさんにも責任が生じる可能性もあるから、やっぱりIDを誰かに渡すべきではありませんね……。ほかにアカウントを共有することで起こりうるトラブルはありますか?

動画配信サービスのアカウントを友だちとシェアしてもOK?

新井「「最近は動画配信サービスで家族以外の友だちとアカウントをシェアする人が増えています。たとえば、月額1,000円のサービスを2人でシェアすればひとり500円になりますよね」」

――そういう使い方をしている人もいるんですね。それって規約的にアリなんでしょうか?

新井「「動画配信サービスでのアカウント共有は、各サービスの利用規約に準じることになります。Netflixの場合は、メインのアカウントがひとつあり、“サブアカウント”のようなプロフィールを5つまでつくって、それぞれが視聴することができます。ただし、『お客様のご家庭以外の方と共有することはできません』と規定されていますので、家族内での利用に限られるようです。ほかの動画配信サービスでも家族以外での共有は認めていないものもあるので、やはり利用規約を確認することですね」」

――動画配信サービスって、リビングで家族と観たり、子どもが自室で観たりと、いろんなシーンで複数の人が観ることを前提にしたサービスですよね。だから、利用規約の規定に従った範囲内なら共有するのはありなのかも。

動画配信サービスはパソコンやスマホなど、さまざまな端末で視聴できる 動画配信サービスはパソコンやスマホなど、さまざまな端末で視聴できる

 

新井「「ただ、気をつけたいのは、サービスを誰かと共有する場合、閲覧履歴をほかの人に見られる可能性があること。見られたくないものが共有されてしまう可能性があることは意識しておいたほうがいいでしょう」」

――自分の閲覧履歴は見られたくないですね……。別にヘンな意味じゃないですけど。

オンラインゲームのアカウントを販売したら……?

新井「「ほかにも、オンラインゲームのアカウントを販売している人が結構います。Twitterで「#アカウント販売」で調べると出てきます」」

アカウント販売の投稿イメージ アカウント販売の投稿イメージ ※投稿イメージは編集部が作成したものです

――ホントにたくさんいますね! 自分がやらなくなったゲームのアカウントを3,000円とか5,000円とかで売っちゃってる、これって……?

新井「「基本的にゲーム会社は利用規約で、アカウントやIDをほかのユーザーが使用することを禁止しているはずです。アカウントを売買して、金銭の取り引きが生まれた場合は利用規約に反しているので、悪質な場合はアカウントの停止措置になる場合があります」」

――いわゆる「垢BAN(アカウントBAN)」ですね。

新井「「詐欺が起こる可能性もあります。たとえば、経験値の高いアカウントを買ってゲームをしていたら途中で強制的にログアウト。実はそのアカウントは複数の人に売られていて、ほかの人がログインしてきたことで強制ログアウトになってしまったなんてことも」」

――あぁ、それはあり得る話ですね。

新井「「ほかにも、アカウントを共有して、有料でゲームのレベル上げ代行をお願いするというケースがあります。アカウントを共有された人が、レベル上げをしてちゃんとアカウントを返してくれたらまだいいですけど、お金だけもらってトンズラとか、パスワードを勝手に変えてログインできないようにされてしまうとか。でもいちばん重要なのはセキュリティ面でのリスクです。アカウントを作成する際にメールアドレスなど、なにかしらの個人情報を入力しますが、アカウントの共有はその情報も一緒に渡すことを意味します」」

――なるほど。知らないうちに自分の子どもが第三者とこういったやりとりをして、個人情報が漏れてしまう危険もあるから、家族にも注意喚起をしたほうがよさそうですね。

Twitterでカップルが共同垢をつくったら……?

新井「「恋人同士でアカウントを共有するケースもありますよ。TwitterやInstagramでカップルがひとつのアカウントを管理して、2人で発信するという「共同垢」をつくる若い子が増えています」」

カップル共同垢の投稿イメージ カップル共同垢の投稿イメージ ※投稿イメージは編集部が作成したものです

――なんのためにそんなことを?

新井「「おそらく、付き合い始めたときの記念アカウントといった感覚でつくるのではないでしょうか。日記のようにも使えますし、アカウントを一緒に使うことで連帯感も生まれますしね」」

――そういったアカウント共有ならハッピーでいいですね。とくに問題もなさそうですけど。

新井「「付き合いがうまくいっているときはね。でも、たとえば別れ話がもつれたときに、彼女が共同アカウントをやめようと考えているけれど、彼氏はまだ続けたいと思っている状況で、彼氏にとって都合が悪い内容のツイートを彼女にされるのが嫌だから勝手にパスワードを変えてしまうとか。

あと、別れてしまったあとにTwitter上に写真が残っていて、消したいとお願いしても写真を消してくれないといったトラブルが結構あるんです」」

――とくに10代の頃なら、付き合い始めの頃ってテンション上がっちゃいますしね。でもネットに写真やコメントが残るのは絶対に避けたいです。

新井「「Twitterなどで共同垢をつくりたい場合は、関係性が悪くなったときのこともイメージしておくことが大切です」」

アカウントを共有するのは「部屋の鍵を貸す」ようなもの

――これまでの話で、アカウントを共有する危険性はわかりましたが、被害にあわないようにするにはどうすればいいのでしょう?

新井「「アカウントに対する意識を変えること、これにつきます。絶対に他人と共有してはいけません。アカウントを誰かに共有するということは、部屋の鍵を貸すイメージに近いかもしれません。知らない人に部屋の鍵を貸すのって、心配ですよね。見られたくないものを見られたり、乱暴に使われて壊されたり、銀行通帳を盗まれたり、もしかしたら合鍵をつくられて、貸し終わった後もこっそり部屋に入られているかもしれません。アカウントもそれと同じです」」

――ゲームや恋愛といった、子どもや学生さんに起こりそうなことが多いですよね。

新井「「そういったトラブルを防ぐためにも、とくに小さなお子さんがいるご家庭ではアカウントにまつわるリスクについてきちんと話しあった方がいいと思います。アカウントを共有することで目先の利益が生まれる場合があるかもしれませんが、その先に多大な不利益を被る可能性が潜んでいるんです。そこで、最後にアカウントに関する5か条をまとめたので、みなさんもチェックしてみてください」」

――アカウントにまつわるトラブルって身近に結構起こりうるということがよくわかりました。またわからないことがあったら聞きにきますね!

新井「「サイバーセキュリティのことなら、いつでも私に聞きにきてください」」

トラブルを防ぐため! セキュリティ先生のアカウント取り扱い5か条

1. ネットの世界でアカウントは「人格」。なりすましができるので他人に共有しない。
2. 動画配信サービスのアカウント共有は利用規約を確認する。
3. オンラインゲームのアカウント共有はしない。
4. 恋人と共同アカウントをつくる場合、関係性が悪くなったときのこともイメージする。
5. アカウントをつくる際にどんな個人情報を登録しているのかを把握しておく。

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サイバー防災訓練

文:TIME & SPACE編集部

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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