2019/05/02

| 更新

2021/12/14

iPhone『ヘルスケア』アプリの基本機能と使い方 体重や栄養管理から睡眠まで

自宅で過ごす時間が増えたことで、これまでの生活スタイルや自身の健康を管理することへの関心が高まり、スマホを利用して健康状態を記録している人もいるだろう。

なかでも、iPhoneに標準搭載されている「ヘルスケア」アプリにはさまざまな機能があり、Apple Watchをはじめとするウェアラブルデバイスなどと連携できるほか、スポーツや体力づくりに応用することもできる。

「ヘルスケア」アプリ

本記事では、「ヘルスケア」アプリでできることや、おすすめの使い方を紹介していく。

【目次】

「ヘルスケア」アプリとは?

「ヘルスケア」アプリはその名のとおり、歩数や消費カロリー、体重、血圧、睡眠時間といった健康にまつわるさまざまな情報をまとめて記録できる。

iPhoneヘルスケアアプリ

Apple Watchをはじめとするウェアラブルデバイスと連携したり、ほかの健康アプリと連携したりと、日常生活だけでなくスポーツやフィットネスにも活かすことができる。さらに、手洗いの時間や回数、水分の摂取量などいろいろな生活情報を記録することができ、それらのデータをもとにアドバイスしたり、体調の変化を知らせたりしてくれる。

健康を見守る豊富なカテゴリ

ヘルスケアで記録できる項目は[ブラウズ]のメニューから見ることができる。

ヘルスケアアプリのブラウズ画面

アクティビティ、バイタル、栄養、マインドフルネス、症状など10を越えるカテゴリのなかに、さらにたくさんの細かい項目があり、アプリアップデートのたびに増えている。たとえば、代表的な機能であるアクティビティだけでも歩数やエクササイズの時間など、いろいろな記録を管理でき、データの変化から健康状態や体調の変化を知ることもできる。

iPhoneだけで記録できるカテゴリには[睡眠]や[聴覚]があり、就寝時間や睡眠の内容を分析したり、音量から耳の負担をチェックしたりできる。ほかにも、身近な生活習慣を記録したり、病院の問診のようにせきやのどの痛みなどの症状をチェックしたりすることで、客観的な体調管理にも使える。また、歩幅や歩く速度から健康度を計測する歩行にまつわる最新の研究データをもとにした項目もある。

ブラウズにある各項目のページを下までスクロールすると、それぞれの項目についての解説があり、具体的に健康にどのように役立つのか知ることができる。さらに、項目のなかにあるメニューは[よく使う項目に追加]すると[概要]にひとまとめにしておくことができ、気になったときに記録するよう習慣づけるだけでも健康を気づかうきっかけになる。

ヘルスケアアプリのアクティビティ

「ヘルスケア」への記録は基本的にはiPhoneでできるが、Apple Watchなどのデバイスや「ヘルスケア」と連携できるアプリを使えばより正確で簡単に計測、記録ができる。

ここからは主要なカテゴリと使い方を紹介する。

・アクティビティ

ウォーキングやランニングの距離や歩数など、カラダを動かしたことをiPhoneだけ、もしくはApple Watchなどのデバイスやアプリと連携して自動入力したり、手動で記録したりできる。

ヘルスケアアプリのアクティビティ

歩数や距離など収集されたデータは日、週、月単位でグラフに可視化されるので、運動量を簡単に知ることができ、簡単な分析もしてくれる。毎日運動する時間を知らせてくれたり、あらかじめ目標値を設定してクリアしたら通知してくれたりする機能もあるので、運動を習慣づけたいときに役立つ。

・バイタル

バイタルは血圧、心拍数、体温、呼吸数、月経周期など、健康のバロメーターでもある生命に関する基本的な情報のこと。

ヘルスケアアプリのバイタル

これらのデータを定期的にチェックしておくことで、病気の兆候を知ることができ、治療に役立つこともある。血圧や心拍数はApple Watchなどを使えば自動で記録でき、体温などは体温計で測った数字を手入力できる。たとえば、心拍数は指で脈をとって測った数値を入力してもいいが、生命に関わることもあるので、できるだけ専用の機器を使って正確なデータを取るほうがいいだろう。

・睡眠

「ヘルスケア」アプリは寝るときにiPhoneをベッドサイドに置いたり、起床時に手に取ったりする動作から就寝時間や睡眠時間を記録し、分析することで睡眠の質を知ることもできる。目標となる睡眠時間を[ベッドタイム]で設定して、就寝時間に合わせた睡眠時間を確保するだけでも、睡眠習慣の改善につながるだろう。

ヘルスケアアプリの睡眠

・聴覚

オンライン会議などでイヤフォンやヘッドフォンを長時間使ったり、リモートワークで集中するために音楽を聴き続けたりする機会が増えるなか、気をつけたいのが耳の健康だ。[聴覚]のカテゴリにある[ヘッドフォン通知]は、iPhoneと接続したイヤフォンやヘッドフォンで音楽などを聴いているときの音量を記録して、耳に負担がある場合に自動で通知してくれる。

ヘルスケアアプリの聴覚

1週間の測定で世界保健機関(WHO)の安全聴取ガイドラインが定める騒音暴露限度を超えると通知され、音量を下げる処理が行われる。また、コントロールセンターに[聴覚]を追加して、ヘッドフォンやイヤフォンで音楽などを聴くと、現在の音量をデシベル単位で表示することもできる。

ヘッドフォンやイヤフォンを着用してオーディオを再生し、コントロールセンターを表示すると、[聴覚]アイコンが計測中の表示になる。[聴覚]アイコンをタップすると、いま自分の聴いている音量が表示されるので、適切な音量に合わせる目安にするといいだろう。

ヘルスケアアプリの聴覚

なお、イヤフォンやヘッドフォンのオーディオ測定は、AppleやBeatsの製品であれば自動的かつ正確に数値を測定できる。それ以外のイヤフォンやヘッドフォンを使用している場合は、iPhoneの音量をもとに測定値を予測するため、正確ではないことに注意しよう。

イヤフォンやヘッドフォンでオーディオを再生しても計測されない場合は、「設定」▶[プライバシー]▶[ヘルスケア]をタップ。

ヘルスケアアプリの聴覚

[ヘッドフォン音量]をタップし、[その他のヘッドフォンを含む]をオンにすると計測できるようになる。

ヘルスケアアプリの聴覚

ほかにも、Apple Watchの「ノイズ」アプリを使うと、聴力に影響するような騒音のなかに長時間いるときに通知し、どれくらいの環境音レベルだったか「ヘルスケア」アプリに自動で記録してくれる。

・その他のデータ

「ヘルスケア」は日常生活に関わるありとあらゆるデータを記録できるといっても過言ではなく、[その他のデータ]では[UV指数][飲酒量][歯磨き][手洗い]などのさまざまなデータが記録できる。

ヘルスケアアプリのその他のデータ

手入力もできるが、自動で記録できるデバイスやアプリを使うほうが簡単だ。最近はUVセンサーが搭載されたバンドや、歯磨きの時間を記録できる電動歯ブラシなど、「ヘルスケア」に自動でデータを記録できるデジタルヘルス機器も数多く登場しているので、それらと一緒に使ってみるのもいいだろう。

健康アドバイザーとして役立てる

「ヘルスケア」は記録するデータが増えるとさまざまな分析ができるようになり、使い続けるほど便利になる。

たとえば、[概要]にある[トレンド]は記録したデータをもとに歩行数が極端に減ったり、睡眠時間がバラバラだったり、自分でも気がつきにくいカラダの変化があったりしたときに通知してくれる。

ヘルスケアアプリのトレンド

[ハイライト]はその日の運動について分析してくれるので、それらを参考にしながら運動の内容や量を調整できる。

ヘルスケアアプリのハイライト

パーソナルデータの設定と「ヘルスケア共有」

「ヘルスケア」アプリは、最初に身長、体重、年齢などのプロフィールを設定することを求められる。それらを入力しなくても利用できるが、記録したデータをもとに健康に役立つアドバイスをしてくれるので、できれば正確な情報を入力しておきたい。身長や体重は[ブラウズ]にある[身体測定値]から項目をタップし、右上にある[データを追加]で入力できる。

ヘルスケアアプリの身体測定値

名前や生年月日、血液型などといったパーソナル情報は[概要]の画面で右上に表示されるアイコンをタップすると、入力画面に切り替わり、[ヘルスケアの詳細]をタップすると入力できる。同じ画面にある[メディカルID]は、緊急時に応急手当てなどの際に必要なデータを登録しておくことができる。[メディカルID]をタップすると表示される[情報]には、写真や生年月日、血液型やアレルギーの有無、緊急連絡先などが登録できる。万が一の緊急時に、パスコードなしでロック画面から表示できるよう設定することも可能だ。

ヘルスケアアプリの設定

さらに、[共有]メニューにある[ヘルスケア共有]は、iCloud経由でヘルスケアのデータを共有する相手を[連絡先]のなかから設定しておくこともできる。自身の健康だけでなく、大切な家族の健康データの見守りにも使えるので、小さな子どもや離れた家族の健康もチェックできるので安心だ。

ヘルスケアアプリの共有先設定

歩数など簡単に使えるものからはじめてみよう

「ヘルスケア」は便利な機能がたくさんあり、どう使おうか悩ましく思っている人もいるだろう。そんなときは、まずは毎日の歩数をカウントしてくれる機能や睡眠など、簡単に使える機能を[よく使う項目]に登録して、[トレンド]や[ハイライト]を定期的にチェックし、健康状態を可視化して客観的に見るところからはじめてみるのがおすすめだ。

慣れてくれば使いたい項目を増やして、自分にあう使い方を探していくと便利さが実感できる。あるいは、各項目にある解説を読むだけでも健康を守るさまざまな方法がわかって勉強にもなるだろう。自分の健康について管理したいと思っている人は、この機会にぜひ試してみてほしい。

文:TIME&SPACE編集部