2018/06/13

渋滞や事故をリアルタイムで反映し回避! 正確なルートを教えてくれる道案内ドローン

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街中でドローンを飛ばすにはさまざまな許可が必要で、規制する動きの方が強いように見えるが、もしかしたら将来的には街中をドローンが飛び回るようになっているかもしれない。というのも、スマートシティと呼ばれる都市の機能を情報技術で便利にしようという研究が世界で進み、そのなかでドローンを活用するアイデアがよく見られるからだ。

そのひとつがスイスのチューリッヒ工科大学が開発している「DroNet」。自動学習機能を搭載した空飛ぶガイド・ドローンで、目的地までの道案内をしてくれるのはもちろん、渋滞や事故、工事などその時の状況にあわせて最適で安全なルートを提案する機能を持っている。

「Dronet」 写真提供:Davide Scaramuzza, Director of the Robotics and Perception Group, ETH Zurich / University of Zurich

ドライビングレコーダーのような機能を持つカメラから入力された移動中の映像をリアルタイムで解析することで、周囲が危険な状況だと判断した場合に直ちにルートを修正したり、そのほかにも障害物を回避しながら自律的にナビゲートしてくれる。歩行者や自転車などそれぞれのスピードにあわせて案内してくれるうえに、ほかのユーザーと情報を共有して道をゆずりあったり一緒に走ったりといったこともできる。

DroNetの見た目は普通のクワッドローター(4つの回転翼)タイプのドローンだが、SLAMと呼ばれる自動運転自動車に使われているカメラからの情報を元に3Dマップを解析する技術や、ニューラルネットワークと呼ばれる機械学習よりも複雑な分析ができる仕組みが使われている。

そうした高度な飛行システムによって、都市部の複雑なロケーションに適応することができる。たとえば、高い建物や駐車場やトンネルなど、電波が届きにくかったりGPSが使えない屋内でも使用できるよう研究が進められており、機能次第で自動車向けにも応用するとしている。

「DroNet」から見えている映像 写真提供:Davide Scaramuzza, Director of the Robotics and Perception Group, ETH Zurich / University of Zurich

自動運転自動車とは違ってドローンから自転車を直接操作して衝突を回避させるといった機能は現時点では持たないが、それについてもなんらかの対策ができるよう研究中。そのひとつとしてドローンが5mほどの高さからルートを監視して、危険が迫った場合になんらかの方法で知らせるというものがある。また、スマートシティでは道路の交通状況や信号の情報などが共有されるので、それらと連携する方法も考えられる。

いずれにしても、本研究開発が進めばドローン本体の飛行システムが高度化され、現在心配されているようなドローン同士や建物、飛行機といったなにかに衝突する問題点も解決されそうだ。

実験中の「DroNet」 写真提供:Davide Scaramuzza, Director of the Robotics and Perception Group, ETH Zurich / University of Zurich
実験中の「DroNet」 写真提供:Davide Scaramuzza, Director of the Robotics and Perception Group, ETH Zurich / University of Zurich

実用化には実際に都市での実験が必要なのでまだ時間がかかりそうだが、スマートシティ計画に力を入れる自治体が増えているので、まずはそうした都市で実験風景が見られるかもしれない。日常に違和感なくドローンが溶け込む未来が楽しみだ。

文:野々下裕子

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