2018/05/08
| 更新
2021/09/07
携帯3社の新チャットアプリ『+メッセージ(プラスメッセージ)』 の便利ポイントを紹介
KDDI、NTTドコモ、ソフトバンクの3社は、携帯電話番号だけでメッセージを送受信できるサービス「+メッセージ」をスマートフォン向けに提供開始した。これは、お馴染み「SMS(ショートメッセージサービス)」を進化させた位置づけのアプリだ。
とはいえ、ただの進化ではない。「+メッセージ」は、SMSの“進化版”とも呼ぶべき充実の機能を備えている。その「+メッセージ」の機能はどんな機能なのか。進化したポイントなど紹介する。
電話番号だけでメッセージのやりとりができる「SMS」が進化
まず、SMSとは電話番号だけでメッセージのやりとりができるサービスで、ガラケーの時代から長く親しまれてきた。今回登場した「+メッセージ」は、SMSの後継となるコミュニケーションサービス。これまでのSMSと同様、IDやメールアドレスなどを登録しなくても電話番号同士でメッセージをやり取りできる。従来のSMSというと簡易的な機能を思い浮かべる人も多そうだが、「+メッセージ」の登場でそのイメージはガラリと変わりそうだ。
「+メッセージ」では、LINEのようにチャット形式でテキストやスタンプ、最大100MBまでの写真と動画、音声メッセージ、地図情報などを送り合える。これまでのSMSでは最大70文字だったメッセージの長さは、なんと39倍にあたる最大2,730文字にまで拡張された。
■グループチャット
また、SMSでは一対一でのやり取りしかできなかったが、複数人のグループチャットも相手の電話番号さえ知っていれば、気軽に利用できるようになった。ほかのメッセージアプリと比較しても、機能の充実度では見劣りしないだろう。
■スタンプ機能
アプリに標準搭載されたスタンプは160種類。さらにスタンプストアからダウンロードすると、全500種類の無料スタンプ(5月9日時点)を利用できる。
すでにLINEやFacebookメッセンジャーなどを常用している人からすれば、「わざわざ『+メッセージ』を使う必要あるの?」と首を傾げてしまうかもしれない。しかし、ここで思い出してほしいのが、「LINEのIDは知らないけど、電話番号は知っている」という間柄の知り合いのことだ。
たとえば、商談で1〜2回顔を合わせた程度の取引先や、PTAの活動でしか連絡を取らないママ友には、LINEのIDやメールアドレスは聞きづらいもの。そんなとき、電話番号だけでメッセージを送り合えるのは、ほかにはないメリットとなる。実際に既存のSMSユーザーも、相手に応じてLINEなどと使い分けている人が8割以上を占める(通信会社調べ)。
かねてより改善を望む声の多かったSMSを進化させ、純粋に利便性を高めることが目的だ。
ほかにも「+メッセージ」にはこんな便利機能が!
さらに「+メッセージ」特有の便利な機能もある。順番に紹介していこう。
■既読・未読機能
「+メッセージ」には、既読・未読機能も搭載されている。これだけならほかのメッセージアプリと同じだが、特徴的なのは機能のオンオフを切り替えられることだ。設定をオフにすることで、メッセージを確認しても相手に知らせないように変更できる。
“既読無視”をすることにプレッシャーを感じていた人や、従来のSMSと変わらない使用感を求める人には嬉しい機能と言えるだろう。
また、SMSで好評だった「送達確認」という機能も引き継いでいる。これは、相手にメッセージを正常に送信できた際、「届きましたよ」と教えてくれるチェックマークのこと。
画面上では、相手にメッセージが届くとチェックマークがひとつ、既読されるとチェックマークがもうひとつ表示される。この「ダブルチェック」システムにより、安心してメッセージを送受信できるのだ。
■不明な差出人からのメッセージも一目瞭然!
「+メッセージ」はIDで繋がるSNSのようなサービスと異なり、電話番号を知っている“顔見知り”同士のコミュニケーションツールだ。知らない人からのメッセージはひと目でわかる仕様となっている。
■従来のSMSにも対応
ほとんどのスマホに対応している「+メッセージ」。しかし、連絡先のなかにはガラケーを使っている人もいるだろう。そのような場合でも問題なくやり取りをできるように、「+メッセージ」には従来のSMSも残されている。
連絡先の一覧で、名前の右側にアイコンがあるのは「+メッセージ」アプリを持っている人、逆にアイコンがないのはアプリを持っていない人。そして、後者の人を宛先にメッセージ作成を選択すると、SMSを送受信できる画面になる。つまり、このアプリひとつで「+メッセージ」と従来のSMSをシームレスに使い分けられるのだ。
料金はパケット通信料に一新
さらには料金の仕組みも一新された。SMSは1通ごとに各通信会社が設定する料金が課金される「通数課金」システムだったが、「+メッセージ」はデータ通信でやり取りされるため、ユーザーの契約するパケット通信量から消費される。これにより、SMSだと料金の嵩む高頻度でのメッセージ交換も、気兼ねなく行えるようになった。
※「+メッセージ」アプリからSMSを送信する場合は、従来のSMS送信料がかかります
気になる迷惑メッセージ対策は?
一方で、気になるのは迷惑メールへの対策だろう。複雑な文字列を登録できるメールアドレスと異なり、11桁の数字のみで構成される携帯電話番号は、迷惑メール業者にとって格好の的になりかねない。
それに対し、「+メッセージ」の対策はふたつ。ひとつは迷惑ユーザーからのメッセージ受信を拒否できるブロック機能、もうひとつは迷惑ユーザーを通信会社側に報告できる通報システムだ。報告の方法は簡単で、どんな被害を受けたのかリストにチェックを入れて送信するだけ。通信会社側は寄せられた情報を基に迷惑メッセージ送信者に対する処置を実施することで、迷惑メッセージの防止に努める。
「+メッセージ」の対応端末とインストール方法
さて、期待の高まる「+メッセージ」だが、気になる対応端末は以下の通りだ。
端末:KDDI、NTTドコモ、ソフトバンクいずれかと契約したスマホ、タブレット端末
バージョン:iPhone/iPadはiOS 9.0以降、AndroidはAndroid 4.4以降
2018年5月以降に発売される機種には、「+メッセージ」は標準搭載される見込み。一方で、過去の機種を使っている人は、アプリをインストールする必要がある。auユーザーの場合、Androidなら既存SMSアプリをau Marketでアップデート、iPhoneとiPadなら別途アプリをダウンロードしよう。
※iPhone、iPadについては、準備ができ次第提供予定。
大した手間もかからないので、サクッと済ませてSMSを一気に進化させてみてほしい。
今後はユーザーと企業を結びつけるプラットフォームに
こうした進化の先には、将来への展望もある。今後は「+メッセージ」を使い、ユーザーと企業のコミュニケーションを円滑化していく方針だ。
たとえば、「+メッセージ」を通じた商品購入の手続きや、ホテルやレストランの予約確認などのシステム構築を検討しているという。電話番号と紐づくことによる本人確認の担保は、安心・安全なサービス利用に繋がるだろう。
また、「+メッセージ」は39カ国50キャリアで採用される「RCS(Rich Communication Service)」という国際規格に準拠している(SMSもこうした規格のひとつ)。今のところ、海外端末との「+メッセージ」のやり取りには対応していないが、ゆくゆくはそれも可能になるかもしれない。
「+メッセージ」の登場で、連絡先を登録している人同士のコミュニケーションは豊かに変化していきそうだ。
文:佐藤宇紘
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。