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2017/09/12

画質は落とさずデータ量は半分に! iOS 11の画像データ形式「HEIF」とは?

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ある日突然「データ容量が不足しています!」の通知が出て、確認してみたらあと数MBしか残っていない、なんて経験はないだろうか?

高解像度の美しい写真・動画は、当然ながらデータ量が大きい。奮発して買ったはずの大容量ストレージが、あっという間に満タンに……。急いで不要な画像を削除してその場をしのぐ、なんてシチュエーションが定期的やってくる人は結構多いだろう。

そんな、慢性的な容量不足に悩む世界中のスマホユーザーにとって、2017年は印象的な年になるかもしれない。高解像度なのにデータ容量が少ないフォーマット「HEIF(ヒーフ)」が登場するからだ。

今までと同じ画質をキープしてデータ量は半分になる

Appleは今年の世界開発者会議(WWDC2017)において、次期iPhone・iPad向けOS「iOS 11」を発表。そのなかで、写真とビデオの形式をそれぞれ「HEIF」、「HEVC」に変更するとアナウンスした。HEIFは、High Efficiency Image File Formatの略。ヒーフとかエイチ・イー・アイ・エフと読む。HEVCは、High Efficiency Video Codecの略。こちらはそのままエイチ・イー・ヴイ・シーと読む。いずれも2013年頃に標準化された比較的新しいフォーマットだ。

HEIFがどれくらい容量を圧縮できるかというと、たとえばiPhoneで撮影した2.5MBの画像が、HEIFなら1.25MBまで圧縮される。JPEGでこれだけ画像を圧縮してしまうと被写体がギザギザになったり、色の境界線が滲んでしまったりと劣化してしまうが、HEIFならその心配は限りなく少ない。

また4Kビデオを撮影した場合、1分で375MBあったファイルサイズはHEVCでは175MB。画質を変えず半分程度のデータ量になる。動画ファイルは総じて重くなりがちなので、これは嬉しい。

ひとつのファイルに多様な情報を格納できる

ファイルサイズが小さくなるほかに、もうひとつ大きな特長がある。HEIFはひとつのファイルのなかに複数の情報を収められるコンテナファイルなのだ。

たとえばiPhoneで連写機能(バースト機能)を使うと、1ショットで複数枚の静止画を撮影できる。現状ではJPEGで保存されているため、1枚ずつ個別ファイルとなって保存されているが、HEIFは1つのファイルに連写した複数枚の静止画情報のほか、音声までが格納できるようになっている。

複数のファイルがひとつにまとまるようになるから、あなたの静止画/動画ファイルのライブラリーは格段に管理しやすくなるはずだ。

「そんなうまい話があるか!」と感じる方も多いだろう。論より証拠。ぜひHEIFの公式サイトにある画像サンプルをご覧いただきたい。少ない容量とは思えない、鮮明で豊かな色調の画像の数々が確認できる。

ハードウエアの対応に期待!

iOS 11から対応がはじまるHEIF形式だが、まだまだ世の中には未対応の端末が多い。iOSから送信されるHEIFファイルは未対応のPC・スマホに送信する際、自動的にJPEGに変換する仕組みになっている。もちろんJPEGだから容量は増えてしまうし、複数のファイル情報も消失してしまうため、HEIFの恩恵は受けられない。

また、クラウドのストレージサービスでは、現段階ではGoogleがiOSリリースまでに対応するという声明を発表しているだけだが、じきに多くのサービスがHEIF・HEVCのサポートをするようになるだろう。

まとめると、HEIFはJPEGで再現する画質を半分の容量で実現し、しかも1ファイルに複数の情報を格納できるコンテナファイルなので、データが扱いやすくなる。HEVCは重い動画のデータファイルを画質を変えず約半分の容量に圧縮できる。HEIF形式の普及によって、ハードウエアの世代交代がどんどん進むはず。「え、まだHEIF対応してないの?」みたいな声がボチボチと聞こえてくるかもしれない。

HEIF・HEVCまとめ

  • ・iOS 11では、新しい画像フォーマット「HEIF」、動画フォーマット「HEVC」が採用される
  • ・HEIFは、JPEGで再現する画質を半分の容量で実現、しかも1ファイルに複数の情報を格納できるコンテナファイル
  • ・HEVCは、重い動画のデータファイルを画質を変えず約半分の容量に圧縮できる

文:吉田 努

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