2017/08/30

『セルフレジ』どころじゃない! 未来のレジシステムの機能がすごすぎる

スーパーやコンビニなどで設置が進んでいるセルフレジ。店員が行っていた商品バーコードの読み取りとお会計を、専用レジカウンターですべて買い物客自身が行うものだ。

具体的な使い方は、セルフレジの横の荷台に買い物カゴを置き、そこから商品を一品ずつレジの黒窓にかざしてバーコードをピッと読み取らせ、反対側の荷台(レジ袋かマイバックをあらかじめ準備しておく)に置いていく。合計額は逐次、ディスプレイに表示される。商品のスキャンがぜんぶ終わったら、「お支払いへ」ボタンを押すと、現金、クレジットカードなど、支払い方法を選ぶ画面に変わるので、たとえばここでクレジットカードを選んだ場合はカードをカードリーダーに差し込んで決済完了。レシートが機械から出てきたら、買い物終了となる。

購入する商品の会計を買い物客自身に任せるのはけっこうなリスクがありそうに思えるが、最近のシステムでは買い物かごの重量を計測し、袋詰めした商品との差を確認して未精算商品の有無をチェックするものもある。

店員さんがいないレジになると、ちょっとした会話を楽しめたり、多めに割り箸をもらえたりするさりげないサービスが受けられなくなるのはちょっと残念だが、セルフレジ導入が広がる背景のひとつには人材確保の難しさが挙げられる。小売店だけでなく、日本全国でアルバイト・パート募集をかけてもなかなか人が集まらない状況が続いており、セルフレジの導入は、現場の人手不足を補う手段となっている。

さらに上を行く全自動タイプも登場

セルフレジどころか全自動で買い物精算ができてしまうのが、たとえばパナソニックが開発した「レジロボ」だ。あなたが専用の買い物かごに購入する商品を入れてレジに持っていき、所定の場所にカゴを置く。するとレジロボはカゴを丸ごと飲み込んでしまう。すると画面に金額が表示されるので、その金額を支払うと、商品は袋詰めされた状態でレジロボから出てくる。お金を払うこと以外は全自動。カゴを置いてから袋詰めが終わるまでは数十秒で終わるという。

レジ作業でもっとも時間がかかるのは「商品の読み取り」と「袋詰め作業」。レジロボを導入している店舗の商品にはすべてICタグがつけられているので、データを読み取るのは一瞬だ。現在は実証試験中のレジロボだが、2018年度からは全国のコンビニでの導入が計画されている。実証実験の模様は下の動画で見ることができる。

そもそもレジもいらないんじゃない? というAmazonのアイデア

ここまでレジを効率化するアイデアをご紹介してきたわけだが、ショッピングの究極の姿とは支払作業をなくすことかもしれない。つまり、レジそのものをなくしてしまえばいいんじゃない? という、斬新なアイデアだ。まずはこちらの動画をご覧いただきたい。

お店に入るとき、電車の自動改札のようにスマホの画面をタッチする。ここで本人認証を行ったあと、利用者は自分が欲しい商品を探してバックに詰め、そのままお店を出て行ってしまう・・・・・・。事情を知らずに動画をみると、登場人物がみんな万引きしているように見えるが、決してそういうことは起こらない。そう、ここはAmazonが発表しているレジなしスーパー「Amazon Go」だ。

動画で詳細技術までは説明されていないが、たとえば本人認証をしたあと、利用者の店内での位置情報は顔認証技術を使って把握できるだろうし、商品にはICタグをつけておけば、誰がどの商品を手に取ったか確認できる。精算は店を出る際にスマホを通じて自動決済さればOK、といった感じだろう。

センサー技術の著しい進化が進む現在、このアイデアが実現の日を迎えるのはそう遠くないだろう。Amazonは数年内にレジなしのスーパーを数百店舗開く計画をしている。

高速で変化していく買い物シーン

かつて電車に乗る際、改札口で駅員さんが切符にハサミを入れていた。それが自動改札になり、今では切符を買わなくても電車に乗れるようになった。セルフレジから始まる買い物シーンは、思ったよりもずっと高速で変化していくのかもしれない。年下の部下や後輩から「え? 昔はレジで店員さんにお金を払ってたんですか? 」なんて言われちゃう日が、あっという間に来るんでしょうね。

文:吉田 努