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2017/07/06

まもなく日本上陸! 群雄割拠のAI搭載「スマートスピーカー」それぞれの特長をまとめてみた

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この記事のポイントまとめ
  • ・アメリカで大きな話題となっているスマートスピーカーが、まもなく日本でも販売開始予定で注目が高まっている
  • ・大手IT企業が発表しているスマートスピーカーの特長をまとめて紹介
  • ・スマートスピーカーは、わたしたちがAIとともに暮らす未来の入り口といえる

スマートスピーカー、日本上陸間近!!

2017年後半、ついにAmazon Echo(アマゾン・エコー)やGoogle Home(グーグル・ホーム)などの人工知能搭載(AI)のスピーカーが日本上陸を果たすらしい。通称スマートスピーカーと呼ばれるこれらの機器は、Wi-FiやBluetoothを通じて音声操作が可能で、家電のコントロールや、天気予報やニュースを教えてくれるなどのさまざまなアシスタント機能をもつスピーカーのこと。アメリカ中を熱狂させているこのスマートスピーカーなるものを、ようやく私たちも手に入れることができるというわけだ。

スマートスピーカーのアメリカでの売り上げは、2016年には650万台に上り、2017年には2,450万台に達すると予想されている(アメリカのVoiceLab社予測)。「一家に一台、スマートスピーカー」の時代が目前なのだ。

上の写真が世界初のスマートスピーカーで、2014年に世に出たAmazon Echo。500mlのペットボトルほどの大きさの円筒形で、てっぺんの円周がLEDで青く光る。こいつが一足先にアメリカにスマートスピーカー・ブームを巻き起こした。

参考記事:Siriとの覇権争いに!? Amazonの音声アシスタント「Alexa」とは?

IT巨人たちが続々と参入

このAmazon Echoの成功を見て、続々とIT企業の巨人たちがスマートスピーカーをつくり始めた。Google はGoogle Homeを、AppleはHomePod(ホームポッド)を、マイクロソフトとオーディオメーカーのハーマン・カードンはタッグを組んでINVOKE(インボーク)を発表。日本のLINEも、2017年夏から秋にかけてWAVE(ウェイブ)という名のスマートスピーカーを発売するという。

Amazon Echoのように、それぞれが、各社のデジタル・パーソナル・アシスタントと呼ばれるAIのインターフェースを搭載している。基本的な機能はほぼ一緒で、スマートスピーカーに話しかけると、返事やなんらかのアクションをしてくれる。なにをしてくれるのか、なにができるのかは、それぞれのAIや、システムによって異なる。スマートスピーカーがみんな円筒形なのは、複数のマイクを円形にぐるりと取り付けて、どの方向からの人の声も正確に拾えるようにしているからだという。

では、各社のスマートスピーカーの特長を簡単に説明してみよう。

どんどん進化を続ける先発のAmazon Echo

「Alexa!」

スピーカーを小型化したEcho Dotや、ディスプレイがついたEcho Showといったファミリーも登場、先発の強みでさらなる進化を続けている。搭載しているデジタル・パーソナル・アシスタントは「Alexa(アレクサ)」だ。

左右2つがAmazon Echo、中央2つがEcho Dot
Echo Show

このAlexaは第三者(サードパーティー)が利用できるようにソフトウェア開発キット(SDK)などをオープンにしているので、多くの企業が参入しており、家電やクルマ、おもちゃなどに搭載されるなどさまざまなサービスが受けられるようになっている。

リーズナブルでau HOMEにも対応のGoogle Home

「Ok, Google!」

Amazon Echoとほぼ同等の機能で、50ドルも安い129ドル(およそ14,000円)という価格がうれしい。もちろん搭載のデジタル・パーソナル・アシスタントは「Googleアシスタント」なので、Google検索という巨大なデータベースが使えるのもアドバンテージ。Chromecast(クロームキャスト)としての機能もあり、テレビに接続して映画やYouTubeを楽しむこともできる。

また、KDDIのスマートホーム・サービスである「au HOME」に対応。Google Homeから直接、家電をコントロールしたり、見守りなどのホームセキュリティ機能を利用することが可能だ。

オーディオとしての完成度とSiriが魅力のHomePod

「Hey, Siri!」

巨大な低音用スピーカー(ウーファー)と7つの高音用スピーカー(ツイーター)を搭載しており、他社製品を圧倒する高品質サウンドとの噂。HomePodが置かれた部屋の音響特性を自己認識し、その部屋に適したサウンドに自動的に調整してくれる。この高機能オーディオのためか、価格はAmazon Echoの倍近い349ドル(およそ39,000円)。搭載のデジタル・パーソナル・アシスタントは「Siri」なので、基本的にiPhoneなどでSiriができることは、このHomePodでも可能になる。

コンパクトながら高音質に期待のINVOKE

「Hey, Cortana!」

写真:HARMAN KARDON

INVOKEは原稿執筆時点で詳細なスペックが不明だが、有名オーディオメーカーのハーマン・カードンらしく、ツイーターを3つ搭載、360°どこからでも高音質で音楽を楽しめるという。搭載のデジタル・パーソナル・アシスタントはWindows 10にも搭載されている「Cortana(コルタナ)」だ。スカイプを標準で搭載するので、スカイプ同士でのハンズフリー通信ができるのは強みといえそうだ。

LINEとの相性もバッチリのWAVE

「Clova!」

日本語と韓国語に対応するAIとして開発されたClovaだけに、日本語での音声認識機能には期待大だ。搭載のデジタル・パーソナル・アシスタントはLINEと韓国のNAVERが共同開発した「Clova(クローバ)」。LINEの通知やコミュニケーションも可能と、LINEとの相性がよいのは日本人にとっては魅力的だろう。

以下の表は、各社のスマートスピーカーを項目別に整理したものだ。

AIと一緒に暮らす未来の日常生活

さて、このスマートスピーカー、今後、どんなふうに進化していくのだろうか。AIのインターフェースとしてミニスピーカーを選んだのは、家庭内のどこに置いてもインテリアとしてフィットしつつ、AIの耳と口の役目を最大限にこなすことができるからだ。だとすれば、インターフェースとしての側面だけに注目すれば、Amazon Echo Dotのように、スピーカー部を極端に小さくしても機能は変わらない。さらに言えば、スピーカーというオーディオ機器である必要も、実はないのだ。

この点、LINEのClovaは大胆な戦略を発表している。AIの耳と口の役目だけでなく、今後は、目や鼻や手の役目も果たせるように進化させ、さまざまなデバイスに搭載するというのだ。目とは画像認識であり、鼻は匂いなどの検知であり、手はロボットの手だ。つまり、ClovaというAIが、スピーカーだけでなく、カメラだったり、テレビだったり、ロボットだったり、あるいは冷蔵庫だったり、クルマだったりと、さまざまなものに姿を変えて日常生活のいたるところに入り込み、わたしたちはAIとともに暮らすことになるという未来図を描いているのだ。

おそらくAmazonもGoogleもAppleも、目指す未来はClovaと同じはず。AIとの共生という未来が、まずはスピーカーから始まったといえるだろう。

文:太田 穣

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