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2017/05/17

ポップでカラフルなのに実はバーコード! 「カラーコード」ってなに?

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次世代バーコードは組み合わせが"ほぼ無限大"

スーパーのレジに並べば「ピッ」、ファストフードの注文のときも「ピッ」。バーコードが発明されていなかったら、今でも商品を手に取った店員さんは金額を手打ちしていただろうから、レジの前はいつでも長蛇の列になっているはずだ。

バーコードが発明されたのは1949年と、もう70年も前になる。現在は国ごとにさまざまな規格が生み出され、種類も豊富になった。今回ご紹介するのはバーコード界の次世代を担う「カラーコード」だ。

読んで字の如し。カラーコードとは色のついたバーコードだ。まだ世界標準となる規格がない新しい技術なので、ここでは日本の株式会社シフトが開発したカラーコードであるカメレオンコードを例に説明していこう。ちなみに、下がカメレオンコードのサンプルだ。

画像提供:株式会社シフト

カメレオンコードは、シアン(青系)、マゼンタ(赤系)、イエロー(黄系)、ブラック(黒)の4色に塗り分けられた四角が目印。1行に9個の四角が並ぶのが基本で、3行×4色で色の順番と列を組み合わせると約7兆6,255億コードを表現できる。最大では5行×5色で1,237抒9,400垓(抒=ジョは10の24乗、垓=ガイは10の20乗)という途方もない組み合わせがつくれてしまう。これだけの組み合わせ、絶対に使い切れないから、事実上無限大の組み合わせが可能といって差し支えないだろう。

ちなみにサンプル画像では四角だが、カメレオンコードは色の配列を認識できればよいので、必ずしも四角である必要はない。たとえばシアンをブルーベリー、マゼンダをリンゴ、イエローをバナナ、ブラックをコウモリのイラストにしても、技術的には問題なく読み取れるという。

高速で読み取れて、サイズが小さくてもOK!

従来のバーコードやQRコードはコードをひとつずつ読み取る必要があり、たとえばレジでは、味噌を「ピッ」をしたあと、牛乳を「ピッ」をしなければならない。ところが、カメレオンコードのようなカラーコードの場合は、複数のコード(最大20個)を一度に読み取れる。味噌と牛乳を一緒に「ピッ」とできるのだ。そのスピードは1秒以内、1個の場合は0.3秒以内に認識する。

また、読み取り用カメラのピントさえあっていれば2mほど離れた場所からも読み取りが可能だ。交通ICカードの認識距離が2mmから70mmなので、超画期的だ。しかもこの読み取り用カメラだが、専用のものでなくてもよい。WEBカメラでもスマホでも、カメラならなんでもOK。専用のスキャナ(バーコードリーダー)が必要なこれまでのバーコードとは、大きな違いだ。

さらに、カラーコードはコードを示す面積が小さくても大丈夫。どういうことかというと、QRコードはカメラが画像全体の80%を認識しないと読み取りできないが、たとえばカメレオンコードでは静止画で画像全体の0.6%、動画でも2%の大きさで映っていれば読み取ることができる。

そういったメリットが評価され、カラーコードはすでに企業や学校、学習塾の入退室管理や図書館の蔵書管理、駐車場の入出庫、電子ロック、商品管理などなど、あらゆる分野で活用が始まっている。

画像提供:株式会社シフト
画像提供:株式会社シフト

RFIDと比較したカラーコードのメリットは?

ところで、バーコードに変わるデータ認識技術として近年注目されてきたのがRFID(radio frequency identification)。商品にICチップと小型アンテナが組み込まれたタグを設置し、電波を使って読み取る非接触型の認識技術だ。一度に複数の情報を読み取れるし、電波が届く範囲であれば遠くにあっても認識できる。上書きが可能なタイプでは繰り返し利用でき、物理的な異常さえなければ半永久的に使える。このRFIDの代表例といえば、SuicaやICOCA、PASMOに代表される交通ICカードだ。

一方、カメレオンコードなどのカラーコードはシステム上、データの上書きはできないものの、専用機器がほとんど不要なので、導入コストがRFIDに比べて圧倒的に安い。カラーコードの印刷も一般的なカラーコピーで十分だし、先に書いたように、読み取るカメラも白黒でなければどんなタイプでもOK。電波を発しないため、精密機器が近くにある場所でも安心して使える。

また、RFIDでは似たような周波数を使う読み取り機や金属製の棚や網があると情報を正しく読み取れない場合があるが、カラーコードは画像撮影だけなのでその心配もない。

RFIDとカラーコード、それぞれ一長一短あるので一概にはいえないが、導入コストの面で難のあった読み取りシステムがグッと安価で実現できるようになったことは事実。

カメレオンコード以外にも、多くの企業がカラーコードを開発中なので、やがてバーコードは色つきが当たり前の時代がやってくるかもしれない。

文:吉田 努

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