2017/01/20

スマホもクルマも動かしている! ITライフを支える『Linux』の存在をご存じですか?

ゼロ円で手に入る、なんでも動かせるOS

「Linux(リナックス、またはライナックス)」という言葉、聞いたことがあってもちゃんと理解している人は意外に少ないのではないだろうか。

ひと言で言えば、コンピューターのOS(オペレーティングシステム)の一種だ。一般的なOSといえば、パソコンならWindowsやMac OSだろうし、スマートフォンならAndroidやiOSを思い浮かべるだろうが、これらは特定のパソコンやスマートフォンを動かすためにつくられている。一方、Linuxは不特定。というよりも、カスタマイズ次第でどんな機器にもインストールできる汎用性が魅力なのだ。ちなみに、下のペンギンがLinuxのマスコットだ。

Linuxが開発されたのは、今から20年以上前のこと。1991年、フィンランドのヘルシンキ大学で大学院生だったLinus Torvaldsさんが生みの親だ。奇特なこの方、自分がつくったOSを無償で公開してしまった。世の中にあるコードを使わず、ゼロから書き起こしてつくられており、今も無料で手に入る。インターネットに接続したパソコンがあれば、誰の許可も得ることなく、自由にいつでも入手可能だ。これを"オープンソース"という。

ただ、一般的なOSと大きく違うのは、Linuxはカーネル「のみ」という点。フライドチキンとは関係ない。カーネルとはOSの中枢部分。インストールしたハードウエアを管理する部分だ。カーネルが司令塔となり、プログラムを起動/終了させたり、プログラム間のデータのやり取りを交通整理したりする。

Linuxは開発現場を激変させた優れた素材

カーネルはOSの中枢部分。だから、ホイッと渡されて、「ふーん、なるほどね」とサクサク使いこなせるものではない。パソコンもスマートフォンも、わかりやすいアイコンやフォルダがあって、クリックやタップで操作できるが、Linuxにそんな気の利いた機能はない。黒い背景に白い文字が淡々と並ぶ。命令をするためのコマンドをいちいち入力する必要がある。ダウンロードしてインストールしてすぐ使えます! という類のものではない。

しかし、Linuxの登場によって、IT界の風景は一変した。それまで、カーネルは企業が莫大な費用を投じて開発するか、エンジニアがゼロからコツコツと構築する必要があった。Linus TorvaldsさんがLinuxを無償開放してくれたことで、手間をかけてカーネルを設計する必要がなくなり、「こんな便利なことを実現したい」というアプリケーションの開発にいきなり取りかかれるようになったというわけだ。

アレンジ次第で「どうにでもなる」のがミソ

企業や自治体、金融機関、研究機関のサーバー、家電製品、クルマのエンジンや産業用ロボットの制御などなど、システムが必要なあらゆる場面でLinuxは活躍している。開発者にとってのメリットは、開発期間の短縮(カーネルが手に入る)やコスト削減(なんたって無償)が挙げられるが、もちろん利用者である私たちも多くの恩恵を受けている。というか、恩恵が当たり前過ぎて気付いてないだけなのだが。

Linuxは、用途に応じてカスタマイズができると紹介したが、表現を変えれば「必要な機能だけを搭載=不要な機能は搭載しない」ことが可能だ。WindowsやMac OSはあらゆる機能に対応できるように汎用性を考えて構築する必要があるが、銀行のATMシステムならお金の出し入れを正確・高速に行えればいいわけで、チャットで会話する機能も、動画編集機能も要らない。要らないものをバサッと切り落とすことで、処理速度の高速化、動作の安定化を実現。私たちはストレスなくサービスを利用できる。

IoTが急速に広がっていく現在、Linuxは私たちの暮らしを支える存在として、ますます重要になってくる。この記事のなかほどで、「サクサク使いこなせるものではない」と書いてしまったが、インターネットで「Linux入門」サイトはたくさんあるし、書店でも「ゼロから始めるLinux」的な本はワンサカ並んでいる。「IoTの大海原でヒトヤマ当てるゼ!」と野望を抱いているそこのあなた。今から挑んでも決して遅くはありませんぞ!

文:吉田 努

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