2015/04/20

モノがインターネットとつながる! 『IoT』

IoTとはInternet of Thingsの略語で、モノのインターネットのこと。パソコンやスマートフォン、プリンターなどといったIT関連機器だけでなく、家電をはじめとするあらゆる「モノ」をインターネットと接続することで、より利便性を高めようとする概念である。

IoTの実例といえる電気自動車「テスラ」©shinya

以前、TIME & SPACEでご紹介した「ペイパル・マフィア」の1人、イーロン・マスク。彼が手がける電気自動車「テスラ」は、IoTの好例といえるだろう。テスラの車両はインターネットに常時接続し、ユーザーに納車された後も随時アップデートが行われる。ユーザーが「欲しい」と思った機能がソフトウェアに反映され、追加されていく仕組みだ。

IoTの実現には、RFIDとワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)が大きな役割を果たすであろうと見られている。RFIDとは、微小なチップにデータを保存できるRFタグ内の情報を電波を使って非接触で読み取り/書き込みができる技術のこと。すでに、Suicaなど公共交通機関のICカードやETCカードにその技術が利用されている。そしてWSNとは、随所に無線センサーを配置することで人やモノの動きを読み取ることができるネットワークを指す。これらの活用によってモノの所在だけでなく、温度や傾きなどの状態を把握できるようになるのだ。

一方、パソコンやスマホのインターネット接続と同様に、IoTでも強固なセキュリティ体制の構築は不可欠になるだろう。また、接続するモノが増える以上、IPアドレスの新たな規格であるIPv6の普及も必要とされる。

さらに、IoTの仕様や形式などは統一されていない(=標準化されていない)が、そうした状況下だとIoTアプリケーションを開発するのは非常に困難となってしまう。そこで、HTMLなどのウェブ関連の技術をIoTでも利用して標準化を進めるという、WoT(Web of Things)という概念も存在する。

文:藤麻 迪