2019/12/04

簡単&便利な『ソーシャルログイン』 TwitterやLINEアカウントを使用しても大丈夫?

スマホでログインしようとしている女性

ネットショッピングで購入する際や、ウェブサイトで会員登録をするときなど、多くの場合、IDとパスワードを設定する必要がある。ただ、さまざまなウェブサイトでIDとパスワードを設定し、管理するのはなかなか面倒な作業だ。

だが昨今、そういった作業を簡略化できる「ソーシャルログイン(ソーシャルサインイン)」が可能なウェブサイトが増えている。本記事では、ソーシャルログインの仕組みやメリット・デメリット、気をつけておきたいポイントなどを紹介する。

ソーシャルログインとは

ウェブサイトで会員登録やログインをするときに、IDとパスワードを打ち込むという方法に加え、LINEやFacebook、Twitterなどで登録・ログインするという選択肢を見ることがある。このように、ユーザーが使用しているSNSのアカウントを利用し、ウェブサイトやアプリの会員登録やログインをすることを、ソーシャルログインと呼ぶ。

まずは当サイト、TIME & SPACEを例に見てみよう。メンバー登録をしようとすると、下の写真のように「メールアドレスで登録する」という選択肢に加えて、「Facebookで登録する」「Twitterで登録する」という選択肢がある。

ソーシャルログインが可能なTIME & SPACEのメンバー登録画面

ブラウザなど利用している環境にもよるが、ここで「Facebookで登録する」を選ぶと、ユーザーはメールアドレスを入力することなく、すぐにパスワードなどの設定画面に移ることができる(Facebookからログアウトしている場合は、Facebookにログインする必要があり、ログインを求めるメッセージが表示される)。しかも、設定画面にはすでに自分のメールアドレスが自動で入力されるので、とてもスムーズに登録可能だ。

また、メンバー登録後にマイページにログインするときは「Facebookでログイン」をクリックするだけで、メールアドレスやパスワードを入力することなく簡単にログインできる。

ソーシャルログインのメリット

このような簡便さから、ソーシャルログインを導入しているウェブサイトは多い。では、そのユーザー側のメリットを整理してみよう。

・文字入力の手間が省ける

文字入力をしなくても、クリックだけでログインができるので、スピーディーで面倒がない。会員登録時でも、連携するソーシャルサービスに入力した氏名やメールアドレスなどの情報が自動入力されるので、入力の手間が大幅に減る。

・新たにIDやパスワードを覚える必要がない

いろいろなウェブサイトで会員になると、それぞれのIDとパスワードを覚えるのは大変で、かといって同じものを使い回すのは危険だ。しかし、ソーシャルログインを利用すれば、使い慣れているSNSのIDとパスワードを覚えておくだけでいい。パスワードを忘れてログインできなくなるリスクが減る。

・SNSのセキュリティレベルを引き継げる

SNS側で用意している二段階認証が用いられたり、ログイン後にSNSから確認メールが届く場合があるので、もしも身に覚えがないログインならすぐにキャンセルでき、「なりすまし」のログインも防げる。

ソーシャルログイン

このユーザー側のメリットは、そのままウェブサイト側のメリットとなる。つまり、ユーザーが簡単に会員登録やログインができるので、会員登録をしてもらいやすくなるうえ、再訪率も上がるというわけである。

どんな個人情報がSNSから提供される?

では、ソーシャルログインで連携すると、いったいどんな登録情報がSNS側からウェブサイト側に送られているのだろうか。

たとえば、TIME & SPACEの場合は、メンバー登録後、「TIME & SPACEが受け取る情報:あなたの氏名とプロフィール写真、メールアドレス」という表示が現れる。つまり、この3つの情報をSNS側から取得した、ということだ。

このソーシャルログインによって連携する情報は、SNSごとに異なる。多くの場合、住所などの個人情報は取得できないようになっているが、SNSによっては「審査」の結果、許可されることもある。この「審査」とは、ソーシャルログインを利用するウェブサイトやアプリ側がSNSの運営会社に要請して行われるものだ。

個人情報に注意して活用しよう

会員登録やログインがスムーズにできるソーシャルログインは非常に便利なものだ。とはいえ、誕生日や居住地といった少し踏み込んだ個人情報が提供される場合もある。ログイン時には、ウェブサイト側にどんな個人情報が提供されるのかが表示されるのでちゃんと確認しよう。

そして、そもそも登録しようとしているウェブサイトが信用できるものかどうか、確かめることも大事だ。そのため、提供される個人情報のどこまでを許容範囲とするか、あるいはどのSNSをソーシャルログイン時に選択するのかを考えたうえで活用してほしい。

文:太田 穣