2018/11/27

災害時に名前で安否確認できる! Google『パーソンファインダー』の使い方

災害が起きた時にいち早く確認したいのが、家族や友人の安否である。非常時に使える災害伝言板や災害アプリを使って安否確認ができるが、もうひとつの手段として知っておきたいのが、Googleが提供している「パーソンファインダー」だ。

パーソンファインダーは、災害が発生した時にだけ提供される安否確認サービスで、家族や友人の「安否を確認する機能」と「自分の安否を伝える機能」の2つが用意されている。

使い方はシンプル。ブラウザから「パーソンファインダー」と検索して公式ページにアクセス。表示されている「人を探している」か「安否情報を提供する」のボタンをタップし、探したい相手を探すか、探してもらえるように自分の情報を登録するだけだ。

Google パーソンファインダー (安否情報)

「名前」「携帯電話番号」だけで検索や登録が可能

ポイントは、名前か携帯電話番号だけでも検索・登録できることで、漢字表記がわからない場合はひらがなでも検索できるようになっている。とにかく急いで安否を確認したい時や、「無事です」といったメッセージを残しておきたい時に助かる。

【人を探すとき】
・[人を探している]>探している人の名前を入力し、[この人を探す]をタップ。
・検索結果が表示されるので、該当する項目をタップ。

Google パーソンファインダー (安否情報) 人を探している ※画面は24時間で情報が削除される「体験版」で登録したもの

ただし、探している人がパーソンファインダーや提携サービスに安否情報を登録していることが前提となる。どこにも登録していなければ、当然検索をしてもヒットしない。

また、対象者の状況が更新された際にメールで新着情報を受け取ることも可能だ。対象者の情報ページを下部までスクロールすると「この人の新着情報を受け取る」という項目があるので、タップしてメールアドレスを登録すればOK。

Google パーソンファインダー (安否情報) 新着情報を受け取る ※画面は24時間で情報が削除される「体験版」で登録したもの

非常時に利用しやすくするため、登録した情報はすべて公開されて誰でも表示、使用できる状態になり、自分だけでなくほかの人の情報も登録できるようになっている。

たとえば一緒に避難している人の安否情報を代わりに登録したり、伝言やメールなどの手段で確認した情報を登録したり、避難所や行政が集めた情報を登録するといった使い方ができるようにしているというわけだ。

【安否情報を提供するとき】
・[安否情報を提供する]をタップ。
・「自分の情報を入力する」もしくは「自分以外の人の情報を入力する」を選択し、「識別情報」や「状況」を入力する。
・「識別情報」の下部にある「この人の特徴の詳細」をタップすると、より詳しい情報を登録できる。

Google パーソンファインダー (安否情報) 安否情報を提供 ※画面は24時間で情報が削除される「体験版」で登録したもの

登録する情報は、基本的に名前や電話番号、メッセージだけでもできるが、見つけやすいように写真や位置情報などいろいろな情報を登録できる。また情報の変更や追加にも対応しており、避難している住所を登録したあとに移動したらまた変更するといった使い方も可能だ。もちろん、情報が間違っていたり、不要になった場合は削除もできる。

さまざまな機関と提携し、より情報を見つけやすく改善

パーソンファインダーはGoogleが2005年から行っているクライシスレスポンス(災害対応)活動のひとつとして開発されたもので、2010年1月にハイチを襲った地震の安否確認のために導入された経緯がある。日本では2011年3月に東日本大震災が発生した直後に提供され、67万件以上の安否情報が登録された。

そのあともいろいろな災害時に利用されて改善が続けられ、現在公開されているバージョンは、NHK「安否情報ダイアル」、各携帯キャリアが運営する「災害用伝言版」などの情報が集約されている「J-anpi 安否情報まとめて検索」と提携。パーソンファインダーで情報が見つからなくても提携先に情報が見つかった場合、ワンタップで結果を表示できるようにしている。行政や学校などの提携先も増えており、災害の規模や状況によってはさらに多くの機関とつながっていくだろう。

まずはいざという時に使えるよう、パーソンファインダーのURLをブラウザにブックマークしておいたり、24時間で登録情報が削除される「体験版」で操作を試してみるといいかもしれない。

Google パーソンファインダー (安否情報)Demo体験版

文:野々下裕子