2015/10/19

【つながるひみつ】第5話 「山も海もひとっ飛び! 強くなった電波くんの謎」

携帯電話やスマートフォンがつながるのはなぜなんだろう? 遠く離れたところにいる人の声がアッというまに届くしくみには、一体どんなひみつが隠されているんだろう?

シーズン最後の富士山登山に挑戦した大ちゃん。登頂を果たして大喜びの大ちゃんは、ブルブル震える寒さもなんのその、「よーし、おじいに電話をして自慢しちゃおう」とスマホを取り出します。そのころ、おじいは南の島で、釣りを楽しんでいました。さて、富士山のてっぺんから南の島まで、大ちゃんの声はちゃんと届くのでしょうか?



富士山頂の大ちゃん。スマホのアンテナマークがちゃんと表示されていることにまずビックリ!!

大ちゃん「ねえ、どうしてこんな高いところでも電波くんは元気モリモリなの?」
電波くん「頂上にもピコセルという小型基地局を設置してあるからさ。ほら、あそこの山小屋の屋根にアンテナが見えるだろ?」
大ちゃん「ほんとだ。こんなところにまで基地局をつくってるんだねー」



大ちゃんが納得したところで、いよいよ南の島で待つおじいに電話です。

おじい「もっし〜。こちらおじい」
大ちゃん「もっし〜。こちらは富士山の大ちゃんです。いまから電波くんに乗ってそっちに行くね! 」

素早く電波くんの背中に乗った大ちゃんは、頂上の小型基地局からふもとの基地局に向かって急降下していきます。

大ちゃん「!? 光ケーブルを通らないの!?」
電波くん「そうだよ。第1話で勉強したように、ふつうなら基地局は光ケーブルでつながっているけど、富士山のように地形が厳しい場所では光ケーブルを引くのがとっても大変だから、無線エントランスと言って、ふもとの基地局まで電波のまま長い距離を飛んでいけるよう、強力なアンテナを設置しているんだ。どうだい、急降下は気持ちいいだろ?」



大ちゃん「ほかの山でも同じなの?」
電波くん「富士山のように、頂上でも電気が通っていて、登山客が多いところには小型基地局があるけど、ほとんどの山では、ふもとの基地局のアンテナを登山道に向けて、登山客の電波を受け取ったり送ったりしているんだよ」



ふもとの基地局に到着した電波くん、今度は光くんに変身して光ケーブルの中を南を目指して進みます。いつものように交換局で道案内をしてもらった光くんと大ちゃんは、いつの間にか海底ケーブルの中。やがて沖縄本島を通り過ぎて南大東島という島の基地局に到着しました。

大ちゃん「着いたの?」
光くん「まだだよ。今度は光から電波に変身して、また、無線エントランスの旅を始めるんだよ」



おじいが待っているのは南大東島の北にある北大東島。この2つの島の間には深い海溝があるために、海の底に光ケーブルを引くことができませんでした。そのために、、基地局と基地局の間を無線エントランスでつなぐことにしたのです。

大ちゃん「無線エントランスでつながっている島は、たくさんあるの?」
電波くん「うん。たとえば福岡県にある志賀島と玄海島も、玄海灘の上を飛び越えて5kmも無線エントランスでつながっているんだよ!」
大ちゃん「5km!? レインボーブリッジの長さが約800mだから、レインボーブリッジ6本分だね!! そんなに長い距離を電波が飛ぶなんて、無線エントランス、すごい!!」



今日のふたりは、山の頂上から空を飛んで、光ケーブルの中、海の中、そして海の上と、とても長い距離を一瞬で飛んできたから少し疲れちゃったかな? ......でも電波くんは「なんくるないさー」と元気いっぱい! それよりも......。

せっかく富士山の頂上からやって来たのに、おじいったら浜辺で知り合った女の人とおしゃべりに夢中で、大ちゃんからの電話はうわの空......。

大ちゃん「おじいったらもう!!」
おじい「あ、大ちゃん? ゴメンあとでかけ直すわwww」

おじいにはフラれちゃったみたいだけど、富士山から南の島まで、どんなところでも電波がしっかりつながるひみつがわかってよかったね、大ちゃん!

次回、【つながるひみつ】第6話もお楽しみに!

文:T&S編集部
絵:沼田光太郎

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