2017/07/18

【au×TRANSFORMERS】真っ白な『ANNIN』モデル登場

今年春に始まった「au×TRANSFORMERS PROJECT」。トランスフォーマーがINFOBARに完全変形する玩具を製作するプロジェクトで、クラウドファンディングでは3,000万円を超えるご支援を頂き、大きな話題になりました。

参考記事:『INFOBAR』がトランスフォーマーに! 超コラボプロジェクト、スタート

さて、本プロジェクトでフィーチャーされたのは「NISHIKIGOI」、「ICHIMATSU」、「BUILDING」の3種類でしたが、実は初代INFOBARには全4種類が存在していたのをご存知でしょうか。

そのモデルが「INFOBAR ANNIN」。

2004年に発売されたANNINはその名が表す通り、杏仁豆腐をモチーフとしており、ボタンからボディー側面、アンテナに至るまで真っ白というクールなカラーリング。実はクラウドファンディング中にも、「ANNINモデルはいつ出るのか?」「ANNINモデルが出ることを期待して支援する」といったコメントをいただきました。

皆さんのそんな熱い要望に応えるべく、「INFOBAR OPTIMUS PRIME(ANNIN)」が発売されることが決定しました! この新しいモデルの詳細と、鋭意製作中の3モデルの開発状況について、タカラトミーのトランスフォーマーデザイナー 大西裕弥さんと、生産担当 寺本敦志さんに話を伺いました。

「ANNIN」モデル発売決定の経緯と特徴とは

――「au×TRANSFORMERS PROJECT」は大きな反響がありましたね。

タカラトミー トランスフォーマーデザイナー 大西裕弥さん

大西さん「はい、INFOBAR、トランスフォーマー共にファンが多く存在するので、今回のコラボは非常にインパクトのあるプロジェクトになりました。

実は、トランスフォーマーにおいては、クラウドファンディングを使用して製品化の支援を集めるというのが初挑戦だったんです。社内においても非常に注目されているプロジェクトでした」

――ANNINモデルの製作が決定した経緯を教えてください。

大西さん「クラウドファンディングに参加いただいた方々から、“ANNINはないんですか?”というご質問や要望が数多くありまして、KDDIさんと検討を行いました。やはり初代INFOBARをモチーフにしているのならANNINははずせないという結論に至り、是非とも作成しましょう! ということで、開発がはじまりました。

初代INFOBARにおいても、ANNINは最初からラインナップにあったわけではなく、先行して3種類が販売されたあとに販売されたという経緯があるので、INFOBAR TRANSFORMERSのストーリーとしても良いのではないかと思います」

――BUILDING、NISHIKIGOI、ICHIMATSUの3種との違いはありますか?

大西さん「色の面で大きな違いがあります。ほかの3モデルは、複数色使ってパターンが示されていますが、ANNINはメインカラーが白一色。もちろん白といっても、原色の真っ白ではなく、INFOBARをよく見ていただくとわかりますが、何色か混ぜ合わさった白色なので、今回のフィギュアでも非常に絶妙な加減で色を加えていくことになります。

白のボディーって、一歩間違うとチープに見えたり、加えた色が強調されすぎて調整が難しいんです。INFOBARの高級感を出来る限り再現できる様に、発売ギリギリまでブラッシュアップしていく予定です」

――白といっても、色々な調整が必要なんですね。ANNINのイメージイラストも拝見しましたが、ほかのINFOBAR TRANSFORMERSにはない白さは特別感があって良いですね。

大西さん「クラウドファンディングの3種は、トランスフォームした際のフレームやボディー内部のカラーリングでキャラクターの特徴を際立たせました。たとえばICHIMATSUにはバンブルビーカラーの黄色が入っています。

ANNINについては、白一色で一度テストモデルをつくった際に白だけのロボットモードが結構クールだと感じたんですね。その体験をキッカケにANNINのカラーをスポイルせずに極力、色を加えないことでクールさを出すということをコンセプトにして開発に取り組みました。

また、マーケティングの要望からオプティマスプライムとしてリリースすることが決まっていたので、白を生かしてどう彼らしさを出せるかということも同時に検討しています。実際のアイテムとしては、ロボットモード時もANNINの白色を目立たせながらも、白に良く合うブルーを採用し、実写映画のオプティマスプライムのファイヤーパターンをアクセントとして取り入れることにしました。そうすることでANNINの白色が映えつつ、キャラクター性をもたらせることを目指しています」

取材時(6月)のINFOBAR OPTIMUS PRIME(ANNIN)のテストモック。まだ彩色も文字の印刷もされていないのがわかる
こちらが最新版(7月)のテストモック。文字が印刷され、グッと製品版に近づいた印象だ
au×TRANSFORMERSと同じく、専用のBluetoothユニットを内蔵しており、スマートフォンの着信を知らせてくれる。カラーリングについてはさらにブラッシュアップしていくという

「au×TRANSFORMERS PROJECT」の製作状況は??

鋭意製作中の3モデル。左からINFOBAR MEGATRON(BUILDING)/INFOBAR OPTIMUS PRIME(NISHIKIGOI)/INFOBAR BUMBLEBEE(ICHIMATSU)

――先のクラウドファンディングで発売した3モデルも、着々と生産が進んでいますね。こういったフィギュアは、どんなプロセスを経て作られるのでしょうか。

タカラトミー 生産担当 寺本敦志さん

寺本さん「フィギュアが量産に至るまでには多くの作業が必要です。通常、フィギュアや玩具をつくるには、プラスチックを溶かして金型に流し込んで製作していきます。今回のモデルの様に、一度作成された3Dデータがあったとしても、そのまま量産できるわけではないんです。

作業としては、まずは3Dデータをパーツ分けして、金型をどうやって作っていくか、シミュレーションするところから始めます。「透明パネルの質感をどう出すか?」「パーツ同士の組み合わせはどうするか?」「強度や変形のしやすさはどうなるか?」など、海外の工場に渡す前に一つひとつ解決しておく必要がありますが、こうした課題点の洗い出しには、やはりそれまでの経験値がとても大事になってきますね。

それからようやく金型の製作に進みます。途中で何回もテストモデルを作り、細かく金型に修正を加えながら完成形に近づけていくんです。その工程で、細かいパーツの表現や、変形する際の動きなどを確認していきます」

こちらが中国工場の金型。ここに樹脂を流し込むと・・・・・・

こんな感じで、パーツができあがる。樹脂が流し込まれたあとがライナーとして残るのはプラモデルと同じだ。

段階の異なるテストモデル2体。左の方が新しく、細かいパーツの形状や、関節の強度などが改善されているという。

「au×TRANSFORMERS PROJECT」製作での苦労とは?

――製作するうえで、ほかのトランスフォーマーとの違いや苦労している点はありますか?

寺本さん「まず、自動車や飛行機と違って実物大で本物と比較されるので、リアルに再現する必要があるという、今までと違った緊張感をもって取り組んでいます。さらにINFOBAR自体が洗練されたプロダクトなので、それに少しでも近づけるためにさまざまな工夫をしています。NISHIKIGOIモデルは、特に赤の色合いで調整に時間をかけました。原色の赤とも違う特殊な色合いなので調色(色を作ること)が非常に大変です。

ボタンひとつとっても、通常なら細かいパーツには何回も着色はしないんですが、透明なボタンに印字するのに裏側からまず文字を印刷して、その上から赤や白などのボタンの色を着色しています」

INFOBARのボタン部分が脚部パーツになる。クリアパーツの彩色、接合部分の造形には特に気を遣っているという

――通常のトランスフォーマーよりも手が掛かっていそうですね。

寺本さん「ハイエンドの大型トランスフォーマーと同じか、それ以上に時間をかけて作っています。サイズは携帯電話ですが、その中にはギッシリとパーツが詰まっています。元の携帯電話が11mmという薄さですから、筐体内にトランスフォーマーの構造を詰め込むのは非常に大変でした。

また、購入された方は何度も変形させて楽しんで頂くと思うので、腕や脚などの強度をどう担保するのか、という点も悩みどころでしたね」

大西さん「今回のトランスフォーマーは、通常の製作よりも多くの段階を踏んで製作しています。デザインを開始する前から寺本とはいつも以上に打ち合わせをして、塗装工程やパーツの精度出しのシミュレーションを繰り返しました。その打合せなく製作していたら、今頃大変な事になっていたと思います(笑)。

INFOBARのファンの方は、実機を横に並べて比べることもあると思いますので、量産開始ギリギリまで細かいところを調整していく予定です」

テストモデルの肘関節部。肘を伸ばしたときにパーツ同士のズレがなく、ピッタリと面が合っているのがわかる

――最後にトランスフォーマー、INFOBARのファンにひと言お願いします。

寺本さん「実はINFOBAR発売当時、海外赴任していたので実機を見たことがありませんでした。当時、海外の携帯電話は黒色でシンプルなデザインがほとんど。INFOBARというデザインが素晴らしい携帯電話が、しかも日本で発売されたことに非常に驚かされたものです。当時のユーザーが手に持った時と同じ様な驚きを、このコラボモデルで共有できていたら嬉しいです」

大西さん「au Design projectの携帯電話は、見た目のデザインだけでなく、持った感じや使い込んでいく際のこだわりが詰まっていると思います。ANNINを含めてコラボレーションモデルに期待していただいている方達に、しっかり再現して遊べるトランスフォーマーをお届けしたいと思います」

「INFOBAR OPTIMUS PRIME(ANNIN)」を数量限定発売します!

タカラトミーとKDDI双方のこだわりが詰まったANNINモデル。今回ご紹介した「INFOBAR OPTIMUS PRIME(ANNIN)」は、7月21日(金)よりKDDI直営店にて先行予約。続いて、au Online Shopとタカラトミーモールで8月1日(火)より予約開始する予定です! なくなり次第終了となりますので、クラウドファンディングでの購入を逃した方、4種コンプリートしたい方は、この機会をお見逃しなく!

また、7月21日(金)からGOOD DESIGN Marunouchiにて開催する「ケータイの形態学展 -The morphology of mobile phones-」で、今回ご紹介した「INFOBAR OPTIMUS PRIME(ANNNIN)」のサンプル品を展示いたしますので、こちらもお楽しみに!

文:東雲八雲

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