2017/06/27

触ってよし! 撫でてよし! 触覚を再現するVRコントローラーが登場

VRの登場・進化によって、目の前に広がる360°の仮想空間に身をおくことで、バーチャルな世界を視覚的に体感することができるようになった現在、私たちはそのまた一歩先のステージへと歩みを進めようとしている。

そう、それは多くの人が長年思い描いてきた夢ともいえる「触覚」を再現するコントローラーだ!!

シンガポールのスタートアップ企業、Hapto社が開発した「HaptoVR」は、VRゴーグルで見ている仮想空間にあるものを触って楽しむことができるユニークなウエアラブルゲームコントローラー。このコントローラーを手にはめた状態でゲームを起動すると、コントローラー内側の手のひらに当たる部分に配置された20個の突起がゲーム内のさまざまなアクティビティにあわせて上下に可動し、仮想空間内のモノの形状、密度、距離をリアルに再現する。

つまり、VRで映し出されているモノに実際に触れている感覚を体感できるというわけだ。

「触る」だけでなく、「握る」「投げる」などの動作も再現可能

HaptoVRの凄いところは、脳がつくり出す感覚を研究することで「ものを扱う」ということを完全に再現しているところだ。

触覚を再現する20個の突起のほかにも、外部の裏面と表面の両側には3つの円形の光センサー(ムーブメントキャプチャー・ライトサークル)が配置されており、ユーザーの手全体の動きを感知するほか、人差し指から小指の付け根が触れる部分には4つのボタンがついていて、手にはめた状態でゲームを操作することができる。

手のひら部分の20個の突起が触覚を再現し、裏表の3つの丸い光センサーがユーザーの動きを感知する

これにより、ただ目の前のものに触るだけでなく、撫でる、握る、投げるなどといった動作はもちろん、撃つ、戦うなどのあらゆる動作をリアルに再現・コントロールすることができるのだ!

対応VR端末も豊富で、遊べるゲームタイトル多数!

HaptoVRは対応するVR端末も豊富だ。Oculus Rift、OSVR(Open Sourse Virtual Reality)、Samsung Gear VRなどの主要ハイエンドVR端末のほか、リーズナブルなGoogle Daydream、Google Cardboardなどにも対応。今後はPlayStation VRやHololensなどの注目VR端末への対応も予定しているとのこと。

対応するVR端末は上段7種類、下段2種類も今後対応予定だ

遊べるゲームはOSVRのサポートタイトルだけでも300タイトル以上。ゲーム内にあるものに触れられることで得られる没入感は一体どれほどのものか。これは早く体験してみたい。

仮想空間を「触れる」というリアリティはVRの可能性を広げた!

現在はクラウドファンディングサイト「Indiegogo」にて出資者を募集中だが、目標金額はすでに達成されており一般販売開始までのプロセスを順調に歩みはじめ、日本からも購入が可能だ!

「好きなキャラに触れたい」「ゲーム世界に入り込んでプレイしたい」というのは多くの人の夢である。これまで見るだけだったVRの世界観に手で触れることができるようになるのは、まさにその夢を実現したといえるだろう。

このHaptoVRが実現した仮想空間を手で「触れる」というリアリティは、VRの可能性を大きく広げたに違いない。もしかすると、「会いにいける○○」のようなコンテンツが、「自宅で触れる○○」に変わる日がくるかもしれないぞ!!

HaptoVR

サイズ:70×80×90mm/238g
カラー:ホワイト&オレンジ、ホワイト&ブラック、ブラック&オレンジの3種類
対応デバイス:Oculus Rift/OSVR/HTC Vive/Samsung Gear VR/Google Daydream View/Marge VR Googles/Google Cardboard(近日中にPSVR、Hololensにも対応予定)
最大連続使用時間:約2時間。USB充電式で充電中の使用も可能
対応OS:Windows、Android(Mac、iOSにも対応予定) Bluetooth接続
予定小売価格:249ドル(約2万8,000円)

文:安東 渉(EditReal)