TS World部

2017/05/24

「リハビリ」を"自宅で楽しみながら"取り組めるVRマシーンが登場

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あなたがもし、不慮の事故などによって体を傷めてしまい、以前のような活動ができなくなってしまった場合、おそらく通院して「リハビリ」を受けることだろう。リハビリとはリハビリテーションの略で、「事故・疾病で後遺症が残った者などを対象に、その能力を回復させるために行う訓練や療法のこと」(出典:三省堂 大辞林 第三版)。

回復のためとはいえ、痛む身体で慣れない病院に通ったり病院に長時間拘束されるというのは患者に大きな負担を与えるものだ。医師や理学療法士の正しい指示を受けつつも、病院やリハビリ施設に通わずに家でできるリハビリはないものか?

探してみたところ、家に居ながらにして、しかも最新のVR技術を使って楽しみながらできるリハビリの方法があるようだ。

病院のリハビリがお家で楽しくできる!

今回紹介するのは、スポーツや事故による脊椎・頸椎損傷などの回復を応援する「Virtual Reality Physical Therapy(通称VRP)」というVRリハビリシステムだ。イスラエルとアメリカで活動しているスタートアップ企業「VRPhysio」が開発したデバイスで、アメリカにおいて医療機器を販売する際に必要な「FDA」という医療機器認証を取得している。

準備は、VRヘッドセットを装着し、コントローラーを握るだけ。最初の使用時は診療所で理学療法士と一緒にセットアップし、そのあとは自宅で画面の指示に従ってトレーニングメニューを選択することでリハビリに取り組むことができる。場所・時間を選ばずリハビリを開始できるため、患者のストレスを大きく減らすことにつながる。

最大の特長は、VRを活用した仮想空間で『ゲームを楽しむ』という要素を取り入れていること。「つらい・面倒・大変」といったリハビリのストレスや「リハビリ通院にかかる有給問題や移動時間」のコストを大幅に減らすことが可能になる。リハビリの実施度に応じて、ゲームレベルやトレーニング内容を変更することも可能だ。

具体的なトレーニング内容については公表されていないが、公式の動画を見る限り、首を回すことによってアイテムをゲットするものや、腕を伸ばすことによって攻撃ができるものなど、体のアクションそのものがゲームにおけるコントローラーの役割をしているようだ。

データはクラウドで保存し、お医者さんからのフィードバックも

アナログなリハビリだと治癒状況が定量的に数値化されにくい難点がある。痛みが出るか出ないかというところだけで判断されがちな治療状況を、VRPではスコアという点で確認できる点もメリットだ。

VRPを通して計測・分析された身体の動きは、クラウド上に保存され、都度、医師や理学療法士から適切なフィードバックがある。これによって自己流のリハビリに取り組んでいる人が陥りがちな、必要以上にやりすぎてしまったり、目標が見えなくなってしまうといった懸念が解消される。医師の指導の下、蓄積管理されたスコアはほかの患者の目標にもなるし、客観的な視点を持ってリハビリに取り組める。

VRヘッドセットはリハビリ終了後にも使用可能

専用のヘッドセットを購入しなくてもVRPが利用可能という点も重要。互換性のあるヘッドセットは、HTC Vive、Oculus Rift、Microsoft VRヘッドセット、Google Daydream、Samsung Gear VRなど(今後も増える予定)。リハビリ終了後には、ほかのVRゲームのプレイや美しいVR映像の視聴に活用可能だ。

回復のためとはいえ、長引くリハビリ治療は心身ともに大きな負担を強いる。人間のやる気を引き出し、楽しんで治療を行うことができるのがVRPの強みといえる。

VRPは2017年の末までにアメリカの東海岸全域の病院やリハビリ施設に導入することを目標としていて、一般ユーザー向けには2017年に発売予定とのこと。このVRが発展し新たな治療のアプローチとしてこれから広がっていくのは間違いないだろう。

文:ごぼうだうし

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