TS World部

2016/06/21

ゲームもオモチャも"共有"。シェアリングエコノミーを学べる子ども専用アプリ「kidstrade」

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たくさんのモノがあふれている現代社会で、モノを持つということに対する価値観が変わろうとしている。なかでも注目を集めているのが、ソーシャルネットを使って自分が持っているモノをほかの人たちと気軽に交換したり、共有したりする、シェアリングエコノミーという考え方だ。

日本でも、地域の掲示板やコミュニティ誌を通じて不用品をリサイクルする「あげます・ください」のような情報交換は以前からあるけれど、最近増えている、ネットを介したシェアリングエコノミーは、単なる「もったいない」や「資産の有効活用」というよりは、モノの価値観や大切さ、消費経済について考えるきっかけとして活用しようという動きが広がっている。

このシェアリングエコノミーの考え方を子どもたちに学んでもらおうと、アメリカで開発されたのが、子ども同士でやりとりができる専用アプリ「kidstrade」だ。自分が使わなくなったり飽きたりしたオモチャやゲーム、洋服などを写真に撮ってアップロードして、友達が持っているモノと交換できる仕組みで、場合によっては購入もできる。これまでは、新しいおもちゃや服が欲しい時は親にお願いするのが普通だったが、「kidstrade」を使えばそれ以外の方法で欲しいモノが手に入れられることが理解でき、部屋がいらないモノであふれることもなくなる。

「kidstrade」を開発したのは、子供たちが遊びながら楽しく学べる技術やエンターテインメントをつくり出すことを目的に設立された、プリンストン大学の学生を中心としたスタートアップ。マーケティングやオンラインセキュリティ、プログラミングなどさまざまなスキルを持つチームによって構成されている。そのため、子供たちに配布されるアプリは、機能はもとより利用する場合のルールやセキュリティー、グラフィックデザインについてもきちんと配慮して制作されている。たとえば、大人が子どもになりすましてアプリを悪用しないよう、モノを交換するときには親の確認が必要だったり、相手は同じ学校に通うか同じ地域に住んでいることなど、使用条件も限定されている。交換は、基本的に手渡しで行うことで、親も含めた子ども同士のコミュニケーションを広げるきっかけづくりにもつなげている。

アプリはiOSとAndroidの両方があり、誰でもすぐに使い始められるよう交換したいモノを撮影して、紹介文を付けるだけという最小限のメニューになっているのもポイントだ。アプリを使いながら、子供たちはどう撮影すれば商品の印象が良くなるか、どんな説明文を書けばわかりやすいかを考えるようになる。さらには、同じ商品を交換したい相手が複数いる場合はオンラインで交渉するため、ネットコミュニケーションやリテラシーを身に付ける練習にもなる。

オンラインショッピングやオークション、トレードサービスは、普段の生活のなかにも当たり前に入り込んでいる。子どもの時からネットを通じた商品のやりとりを経験しておくという意味でも、本アプリがどのような効果をもたらしてくれるのかが期待されている。また、本アプリは物々交換だけでなく、チャリティーで資金を集める場合のプラットフォームとして活用することも目指しているとのことで、同じようなアプリが日本でもこれから登場するかもしれない。

文:野々下裕子

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