2016/05/27

【世界のドローン30】空飛ぶ卵? 独創的な飛行技術を搭載した新型ドローン『PowerEgg』

ドローンといえば、これまではヘリコプターや飛行機をイメージさせるデザインが多かったが、「PowerEgg」は独創的な卵形のデザインで、空飛ぶドローンのイメージを大きく変える存在になるかもしれない。

提供:Powervision Robot社

提供:Powervision Robot社

北京を拠点とするPowervision Robot社がこの2月に発表した「PowerEgg」は、卵形のボディから大きな4つのプロペラを持ったローターが飛び出すという、斬新なデザインをしている。さらに本体を支える4本の脚も格納されていて、離着陸時に使えるようになっている。本体のサイズは両腕に抱えられるほどコンパクトで、バックパックやカバンに入れて持ち運びもしやすい。

主な用途は、空中からの高精細度映像の撮影だ。3軸のジンバルで安定した360度のパノラマ撮影ができる4K HDカメラを搭載し、長距離からリアルタイムの映像ストリーミングができる。屋外はもちろん、屋内でも自在にナビゲーションできるオプティカルフローと呼ばれるセンサー機能があり、自律飛行に加えて直感的な操作ができるコントロールシステムも用意されている。飛ばし方も簡単で、5歳の子どもでも扱えるようにしているというが、残念ながら現時点では具体的にどれだけの飛行性能を持っているかは明らかにされていない。

Powervision Robot社は、ロボットやAIの開発、ビッグデータの解析などを行う企業であり、製品としては、市場でよく見られるクワッドローター(4つのローター)式のドローンやヘリコプター型のラジコン、UAV(無人航空機)も製作しているが、今回発表した「PowerEgg」は、初の市販ドローンとなる。「PowerEgg」の開発には、最新のロボット工学と工業用ドローン技術が取り入れられており、開発チームは18カ月以上を費やして実用化にこぎつけたという。

CEOのWally Zheng氏は「PowerEgg」をドローン2.0といえるほど革命的なドローンにすることを目指すとコメントし、サイトではドローンではなく"空飛ぶロボット"として紹介されている。プレスリリースには連続で10時間は飛べるようにするとも書かれており、見た目の美しさもさることながら、完成度の高い自律型ドローンとして、さまざまな先進的な機能が追加されるのではないかと見られている。

発売は今年の第二四半期を予定しているとあるが、完成品はどのような性能になるのか気になるところである。

文:野々下裕子