2018/05/11

思い出の曲が鮮やかに! カセットテープの音源をスマホにダビングする方法

好きなアイドルやミュージシャンの音源をまとめたマイテープ、深夜ラジオやFMの洋楽番組を録音したエアチェックテープ、そして家族のひと時の会話が収録された思い出の録音テープなど、ひと昔前、カセットテープは、もっとも手軽でポピュラーな録音メディアとして君臨していた。

いまだその思い出のつまったカセットテープを自宅に眠らせている人も多いだろう。

そして今、古いカセットテープの音源をデジタル化し、スマホにデータ移行できる変換プレイヤーがひそかな話題になっている。

必要なものは? どんな音質? さっそくトライしてみた。

変換プレイヤーからデジタル化の手順はとってもカンタン

まずは肝心のカセットテープ。今回は、編集スタッフの母親が25年前に録音したという、幼少の頃の音声テープを用意した。もう何年も再生されていないというこの「お宝」をデジタル化してみよう。

懐かしいカセットテープ 懐かしいカセットテープが集まりました

カセットテープ音源をデジタルデータ化する機材は国内外のメーカーからいくつか発売されているが、今回は国内メーカーのもので、安価かつ、ビギナーにもわかりやすい日本語による詳細なマニュアル付き、と定評のあるUSBメモリへ録音するタイプの変換プレイヤー「400-MEDI016」を使用してみることに。

本体のみでもテープ再生ができるプレイヤーでもあり、USBメモリーにカセットテープの音源をUSBメモリにMP3ファイル(ビットレートは128kbps)として「ダビング」できる機能もついた多機能テープレコーダーなのだ。

サンワダイレクト カセットテープ変換プレーヤー「400-MEDI016」 カセットテープ変換プレーヤー「400-MEDI016」(サンワダイレクト)

まずは、デジタル化するカセットテープを、変換プレイヤーに装着。こちらのプレイヤーは、「ノーマル」のテープが推奨。(ハイポジ、メタルテープなど高音質のカセットテープは推奨されていないがデジタル化は可能とのこと)

サンワダイレクト カセットテープ変換プレーヤー「400-MEDI016」の使用例 変換プレイヤーにカセットテープをセット

あとは変換プレイヤーにUSBメモリと付属のイヤホンを接続すれば準備完了。イヤホンは録音中の音をモニターするために必要だ。

サンワダイレクト カセットテープ変換プレーヤー「400-MEDI016」の接続例 イヤホンとUSBメモリをプレイヤーに装着
サンワダイレクト カセットテープ変換プレーヤー「400-MEDI016」の接続例

複雑な調整は不要だが、あらかじめ本体のボリュームを大きめに設定しておくのがポイント。デジタル化した後、音源がより明瞭になるためだ。

あとは、プレイボタンと録音ボタンを押すだけ。録音ボタンをもう一度押すと録音が終了するという仕組みだ。

サンワダイレクト カセットテープ変換プレーヤー「400-MEDI016」の操作例 再生中のトラックが分割できるボタンもある

録音後、USBメモリには「TAPEMP3」というフォルダが自動で作成される。そのフォルダの中に録音されたMP3ファイルが保存されるのだ。

USBメモリに「TAPEMP3」というフォルダが自動で作成される フォルダには最大9,999トラックまでを保存可能。変換された音源はiTunesなどの音楽プレイヤーでも再生可能だ

さて、肝心な音質はというと……。

ICレコーダーで収録されるようなクリアな音質とはまったく違う代物。しかし、テープ特有の「サー」とか「シュー」とかいう、いわゆるカセットテープ特有の「ヒスノイズ」がいい具合に混じり込み、カセットテープ世代にとっては懐かしい温かみのある音源がきちんと再現されていたのだ!

せっかくなのでデジタル化したカセット音源をアナログチックに楽しんでみる

変換プレイヤーでデジタル化した音源をスマホに取り込んでイヤホンなどで聞くだけでも十分楽しめるが、ここからは少し応用編。

その1:カセットテープの感覚で再生できるスマホアプリを使ってみる

カセットテープっぽいインターフェイスで音楽を楽しめるスマホアプリがある。今回は、「Deli Tape」という無料アプリをダウンロード。フリックすると、プリセットされたカラフルなカセットインターフェイスを選ぶこともできる。変換したMP3ファイル名をあらかじめお好きな名前で登録しておけば、インデックス上に音源名として表示されるのも楽しい。

「Deli Tape」の操作例 登録した曲名がインデックスシールのように表示されるのも楽しい

その2:スマホの音源を古いラジカセで再生する

中古のラジカセを持っているという人に是非試してほしいのがこの方法。スマホに取り込んだ音源をBluetoothで飛ばし、ラジカセで再生するというマニアックな遊び方だ。

まずは古いラジカセを用意。(オークションサイトやリサイクルショップなどで数千円で手に入れられるものでOK)

三連式のナショナルのラジカセ スタッフの家の置物になっていたラジカセを用意

そしてもうひとつ、Bluetoothオーディオレシーバー。

サンワダイレクト Bluetoothオーディオレシーバー&トランスミッター Bluetoothオーディオレシーバー&トランスミッター(サンワダイレクト)

これはスマホの音楽を据え置きのオーディオやカーステレオなどにもワイヤレス接続して聞くことができるもの。古いラジカセにも外部からのライン入力ができる機種が多い。そこにBluetoothオーディオレシーバーを「後付け」し、Bluetooth対応オーディオにしてしまうというわけだ。

ラジカセのライン入力端子と設定
サンワダイレクト Bluetoothオーディオレシーバー&トランスミッターのボタン拡大 据え置きオーディオをスピーカー代わりに使用するときは「受信」を、Bluetooth非対応のオーディオ(CDプレイヤーなど)からBluetooth対応ヘッドフォンに接続するときは「送信」を選択して使用できるスグレもの
サンワダイレクト Bluetoothオーディオレシーバー&トランスミッターとラジカセの接続

このBluetoothオーディオレシーバーとラジカセをオーディオケーブルで接続すれば、ワイヤレスでスマホの音楽が聞くことができる。写真のタイプのオーディオケーブルは今でも家電量販店などで購入できる。

と、いうことで思い出のカセットテープの音源を再生してみた結果がこちら。

いかがだろうか?

カセットテープの音源とは、ハイレゾようにクリアでない反面、なんとも懐かしく、そして優しく聴こえたりするから不思議なもの。

そもそも磁気テープで記録されるカセットテープは、保管状況によって再生ができなくなる可能性もあるデリケートな記録媒体。

思い出の音源がダメになる前に「カセットテープ音源のデジタル化」、ぜひ試してみてはいかがでしょう?

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文:よもぎ三太郎
撮影:遠藤貴也