TS 文化部

2018/04/06

最上もが 脱退後の本音トーク「ケータイを変えるたび、連絡先を断捨離してきた」

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いまどきのネットを騒がせている女性たちを紹介する「ネット系女子!」。今回はモデル・女優の最上もがさん。

昨年8月にアイドルグループ「でんぱ組.inc」を脱退し、数ヶ月の活動休止期間を経て復帰。アイドルらしからぬ率直な発言がたびたびネットで話題となってきたSNSも再開し、今やTwitterのフォロワーは64万人、Instagramは37万人越えと注目度の高さが伺い知れます。月9ドラマ『海月姫』への出演や、2nd写真集を発売するなど精力的に活動している彼女に、休止期間から現在にかけての心境の変化、そしてブログやSNSに対する思いについて、素直な気持ちを語ってもらいました。

でんぱ組時代はとにかく余裕がなかった

――今年2月に写真集を発売し月9ドラマにも出演するなどモデルや女優として大活躍していますが、近況はいかがですか?

「以前と比べるとだいぶ落ち着きましたね。でんぱにいた頃、グループのほかにソロの仕事もやってたんですけど、両方ともとなると本当にスケジュールが厳しくて。人と会う時間も、気分が落ち込んだときにうまく気分を上げる方法もわからなくて落ち込んだまま現場入りしたり……。今はでんぱの仕事がないぶん、自分のペースで働けるのでだいぶ変わりました」

――プライベートはいかがですか?

「落ち着いて考えられる時間は増えたと思います。あと、人付き合いをちゃんとしていこうって考えるようになりました。以前は飲み会とかに誘われても断ってしまっていたので」

――付き合いを断っていたのは多忙から?

「そうですね。当時は仕事を最優先していたので、どうしても次の日のことを考えてしまうんです。『この時間に起きるためには遅くとも何時までには寝ないと』とか。しかもぼくはお酒が弱いので、飲むと口数が増えるどころか眠くなって、黙っちゃう(笑)。一時期誘われたら行くようにしていた時期もあったんですけど、結局翌日ボロボロになってしまって。だから忙しいシーズンの誘いは断って、余裕がある時期に絶対行こうって思ってました」

――でも、でんぱ組時代はずっと忙しかったのでは?

「そうなんです。余裕のある時なんてまったくありませんでした。だから、結果的に『もがは誘っても来ない』と思われて、どんどん誘われなくなってしまって。理由がどうあれ、相手によくない印象を与えてしまうなら、いっそ人と関わるのはやめようって思うようになっていました」

――スパッと切り替えちゃったんですね。

「そうですね。結構極端な性格なので、すぐ断捨離しようとするんですよね。学生時代も、携帯に残っていたあんまり親しくない人の連絡先を一気に消去したり。去年も脱退後しばらくして、LINEの連絡先をごっそり消しましたし。まあそれについては、『自分は今後なんの仕事もしないんだ』って心に決めるくらい落ち込んでいた時期というのもありますけど……」

――でも、これからはちゃんと人付き合いをしていこうと。

「はい。今年やっと気づいたんですけど、いろんな人と関わった方がいいなって。狭く深くの付き合いだと視野がどんどん狭くなってしまうんですよね。今までは狭い範囲に集中しすぎていたなって反省しています。第一歩じゃないですけど、冷たい印象にならないようにメールやブログで絵文字を使っていくとか(笑)」

――文字だけのやり取りの場合、絵文字をつけるだけで印象が変わりますよね。

「そうなんです。文字だけのコミュニケーションって本当に難しい! 自分ではそんなつもりはなくても、人からは“キツい”って捉えられることもあるんですよね。SNSでも口調が冷たいって指摘されることもありますし。でも、そこに絵文字とか顔文字を足すことでだいぶ印象が和らぐというか。ワンクッション置くとちょっと自分に余裕も出て、ちょっと文章読み返してみようって思いますしね」

――逆に、いつも絵文字を使う人の返事が「了解」とかだけだと不安になったり……。

「そうなんです! 『なんか怒らせちゃったかな』って思います。普段から絵文字を全然使わない人だと気にしないんですけど、いきなりひと言だけとか、『。』だけとかは寂しいです(笑)

――ところでケータイはいつ頃から持っていましたか?

「中学2年生くらいですね。単純にケータイに憧れがあって。当時はケータイが連絡手段というより、なにか面白いことができそうな機械だと思っていました。高校生でインスタントカメラしかなかった時代にケータイで写真を撮れることが嬉しくて、撮りまくってました。クラスでいちばん可愛かった女の子を撮影して待ち受けにしたら、すごい噂になったり(笑)。ぼくとしては猫を撮って愛でるような感覚だったんですけどね」

最上さんのiPhoneのホーム画面。「映画が好きなので、映画関連のアプリをフォルダにまとめています」

ネトゲではムードメーカー的存在

INFOBARを見て「懐かしい〜! 素敵なデザインでしたよね」と最上さん

――ブログやSNSのクールな文面は最上さんのキャラだと思っていました。

「多分周りからは不機嫌キャラだと思われていると思います(笑)。自分自身リアルでは絵文字を使わないタイプでしたけど、実はネトゲ(ネットゲームの略)では結構使ってるんです」

――ネトゲですか?

「はい。ぼくは父親がプログラマーということもあって、小さい頃からパソコンに親しんでいて。絵を描くのも見るのも好きだったので、ネットで絵師さんの絵を観覧したり、チャットやメールで交流したり。ゲームも大好きで、お兄ちゃんと一緒に遊んでました。

ある日ネットでRO(オンラインゲーム『ラグナロクオンライン』の略)のサービスが始まるというのを見かけて、お兄ちゃんを誘って始めたんです。ROはチャットでやりとりするんですけど、そこで顔文字を多用してたら、いつの間にかムードメーカーみたいな存在になってて(笑)」

――ネトゲでは必要なことだけのやりとりが多いですからね。絵文字を使う人は確かに親しみやすいかもしれません。

「ネトゲの友達には、『すごく話しやすいし、話も面白い』って言われることが多いんですよ。それは顔文字を多用していたことがひとつあるかもしれません。だから、ネトゲで会話していた感じを取り戻せばいいんだって最近気づきました」

――ネトゲは何年くらい続けていたんですか?

「中学生から始めて高校受験で一旦やめて、また復活して、大学受験でまたやめて戻って……。結局10年間はやっていました。でんぱに入るときにやめましたけど。少しでも触ったら夢中になって仕事に差し支えるのは目に見えてたので、すっぱりと」

――10年も続けていたのによくやめられましたね。

「学生時代の夏休みとかひどかったんです。倒したいボスの出現時間を待機していないといけないから、ずっと家にいて何日も徹夜したりしていました。仲間とスカイプつないだままだったので、仮眠中にボスが出現したら仲間に『おい、時間だ!』って起こしてもらったり(笑)。

何回もやめようとして失敗してきたので、物理的に道具がなければ諦められると思って実家にパソコンを置いてきました(笑)。あと、ちょうどでんぱに加入する頃、ROのアップデートがあったんです。今まで使っていた高い装備がゴミになっちゃうような大きな仕様変更で、すごい萎えちゃって。それもあってスパッと」

――まさに断捨離ですね(笑)。

「ネットは戦いだなって思います」

――楽しいことも辛いことも経験してきたと思いますが、最上さんにとってインターネットとはどんな存在ですか?

「まず、SNSはぼくに結構ダメージを与えてきました。匿名で喋れてしまうので、人を自覚なく傷つけてしまう人が増えてしまった。それはやっぱり、ネットのマイナスな部分ですよね。でもぼくはネットがなかったらROをやってなかったし、そこでの楽しい思い出や友達に出会うこともなかったので、それは今も財産だと思ってます。

あと、テレビだけでは拾えない情報をネットで探せるというのは、ありがたい反面、情報が多すぎるぶん混乱もあるのかなって思います。ネットの情報を鵜呑みにする人もいますし、少しでもミスすると一気に拡散されてしまうし。でも、自分が発信する限りは間違った情報を上書きできるとも考えています。だからぼくは、ネットは戦いだなって思います」

――戦いというと?

「たとえば、ぼくに関して間違った情報が広がっていたら、SNSで訂正したり、ブログにきたコメントに一つひとつ返信したり。ただそうしていると、返信だけ求めてきてブログの内容を理解しようとしない人も増えてしまって、それはそれでモヤっとしたこともありますけど(笑)」

――そういえば、最上さんは昔のブログも消さずに残していますよね。

「はい。ブログを読めばぼくがどういう人間なのかが少しでもわかってもらえると思うので、残してます。昔の発言を遡るのにツイッターは手間だし、インタビューは探さないと見つけられないじゃないですか。でも、ブログは結構簡単に見つけられるし、僕から消さない限りは残り続けますし。

それに、ブログはぼくの偽りのない考えを綴ってきたものなんです。昔やっていた悩み相談も、相談してくれた人だけじゃなくて、同じような悩みを抱えている人全員に向けて返していたつもりでした。少しでも参考になればいいなって。だから、ぼくの人柄や考え方がいちばんわかりやすいのがブログ。ひとつの本みたいな感じですね」

――SNSとブログを使い分けてるんですね。

「ブログでは、自分から誰かと繋がってる意識がないから自由に書けるというか。結局ブログを通して誰かと個人的にコミュニケーションが取れるわけじゃないですしね。SNSは個人的なやりとりができるぶん、ぼくとは相性が悪いかも(笑)。見てもらうだけならいいんですけど、自分から誰かをフォローしてやり取りするとなると、やっぱり人を選んでしまいますし。でもそれも変えていかなきゃなって思ってます。付き合いを避けず、誘いはなるべく断らず、楽しい感じでネガティブなことを晒さないように! 今年の目標ですね」

精神的に辛かった過去から現在までの自分を冷静に分析しつつ、明るくハキハキとお話をしてくれた最上さん。言葉の端々に人に対しての優しさも垣間見え、仕事も人付き合いも前向きに頑張ろうとしている思いが伝わってきました。断捨離しない人間関係をつくりたいと宣言した彼女は、これからスマホの絵文字以上にどんな新しい表情を私たちに見せてくれるのでしょう?

文:服部桃子(アート・サプライ)
撮影:有坂政晴(STUH)
スタイリスト:ヨシダミホ
ヘアメイク:澤西由美花(クララシステム)
衣装協力:6-D Sebastian Masuda

最上もが(もがみ・もが)

2月25日生まれ。東京都出身。A型。アイドルグループ「でんぱ組.inc」の元メンバー。
2011年でんぱ組.inc加入。2017年8月にでんぱ組.incを脱退し、ソロ活動を開始。
今年1月スタートの月9ドラマ『海月姫』に出演中。
最上もが2nd写真集『MOGAMI』(集英社)発売中!
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