2016/07/13

INFOBAR、talbyが永久収蔵品! ......『MoMA』ってどんな美術館なの?

マンハッタンにある「ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art, New York、以下MoMA)」は、1929年リリー・P.ブリス、アビー・オルドリッチ・ロックフェラー、メアリー・クイン・サリバンの3人が設立した美術館。1932年世界で初めてデザイン・建築や映画・ビデオ、写真部門を創設し、アートの枠を広げたことで「近代美術のための美術館」と称されている。2004年には、日本人建築家・谷口吉生が新館のデザインを手がけるなど日本とのつながりも大きい

ニューヨーク近代美術館、通称「MoMA」。
日本でもポスターやTシャツなどで広く知られるポップ・アーティスト、アンディ・ウォーホルやキース・ヘリング、ロイ・リキテンスタインらの作品をパーマネントコレクション(永久所蔵)していることで知られるモダンアートを代表する美術館のひとつだ。最先端の現代美術のほか、建築、グラフィックデザイン、工業製品、写真作品など、さまざまな分野で合計20万点以上の作品を展示・収蔵している「MoMA」。一体どのような美術館なのだろうか。

アートだけじゃなく、プロダクトデザインも評価をするMoMAとは?

ほかの美術館との最大の違いは、デザインや建築、映像などの作品を評価し、展示・収蔵していること。一般的にアートの世界で、商業製品のプロダクトデザインが、その美術的価値の評価を受けるということはなかった。

しかし、プロダクトデザインに込められたデザイナーの思いや、デザインとしての完成度に着目し、収蔵品として扱い始めたのが「MoMA」だったのである。伝統技術ディレクターとして世界のプロダクトデザインに造詣の深い立川裕大氏(t.c.k.w代表)にMoMAの魅力を聞いてみた。

「今でこそ美術館でもプロダクトデザインへの評価は進んでいますが、MoMAはその先駆けといえます。80年代半ばから、世界中のプロダクトデザイナーや、そのファンに大きな影響を与え続けている存在です」(立川氏)

「MoMA」は、プロダクトデザインをパーマネントコレクション(永久収蔵品)に選定し、展示・収蔵している。選定されれば永久的に収蔵されるという名誉を得る。収蔵品は企画展などが開催されるとき展示されることになるのだが、そのなかに実は「au design project」として発売されたINFOBAR・talby・neon・MEDIA SKINの4台も入っている。

INFOBARは、2001年始動の「au design project」先陣としてプロダクトデザイナーの深澤直人氏とコラボレーションし、大人気となったモデルだ。2013年日本美術コレクションでも有名な米国「インディアナポリス美術館」にも収蔵されている。

talbyは2004年第3弾として、世界的に知られるプロダクトデザイナーのマーク・ニューソン氏とコラボレーションしたモデル。neonは2006年第5弾として再び深澤直人氏とコラボレーション。MEDIA SKINは、2007年第6弾として、プロダクトを始め建築・空間などのデザインも手がける吉岡徳仁氏とコラボレーションしたモデルだ。

国内でも大いに評価されたデザイン性の高い携帯電話は、2007年「MoMA」の永久収蔵品に選定された。国内でしか使用できない携帯電話が選ばれたことは、当時大いに話題となる。選定までの詳しいプロセスや基準は非公開となっているが、立川氏いわく選出されたポイントがあるという。

「単にデザインが美しいだけでなく、この4台からは繊細な日本の美意識さえも感じ取られたからではないからでしょうか。余白、平面性、アシンメトリー、デリケートな触感、引き算の美、混ぜこぜの妙、等々。著名なデザイナーの方々のお仕事ではありますが、欧米の価値観とは異なる日本的な美をキュレーターが見出しているのでしょうから、とても次元の高い評価が成されているのだと思います」(立川氏)

マックもThinkPadも収蔵品

MoMAには、ピカソやダリの絵画作品から、ル・コルビュジェやイームズといった日本でもよく知られるプロダクトデザイナーのインテリア製品、それからAppleの「Power Mac G4 Cube」、BRAUNの電卓「ET66」などの電化製品も永久収蔵されている。

バタフライスツール
戦後日本を代表するインダストリアル・デザイナーである柳宗理の作品(写真提供:hhstyle.com)

SL-10
1979年に発売されたテクニクスのフルオートプレイヤー。レコードジャケットサイズのなかに当時の最新技術が使われていた

日本からは「au design project」の携帯電話のほかに、柳宗理のバタフライスツールや、川崎和男氏の車椅子「CARNA」などプロダクト、テクニクスのレコードプレーヤー「SL-10」、日本IBMの大和研究所がデザインを担当していた「ThinkPad 701C」、また、近年では神原秀夫氏によるコクヨのカドケシといった工業製品もある。面白いところでは小津安二郎監督の映画『東京物語』や、2012年にはなんと、ビデオゲームの『パックマン』『塊魂』の収蔵が発表され、大きな話題となった。

「選定されたプロダクトデザインは、従来のデザイン概念を超えたデザインと実用性を兼ね備えた製品といえます。デザインが斬新でも、使えない製品ではいけません」(立川氏)

海を越えたアメリカの美術館で日本の、しかもプロダクトデザインが高く評価され、愛され続けている。ほかにも意外な作品が収蔵されていたりするので、興味のある方はぜひ、調べてみてほしい。

文:松田政紀(アート・サプライ)

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