2022/11/10

通信設備のメンテナンス作業でのミスを無くすために

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2022年7月2日に発生した通信障害は、誤った作業手順での通信設備の作業を行ったことに起因します。
KDDIでは、再発防止策のひとつとして、通信設備のメンテナンス作業に関する作業手順や基準を見直し、サービスの安定的な運用に向けて全力を上げて取り組んでいます。

通信設備での作業風景

1.作業事前準備における、正しい作業手順書の選択

通信設備に対する作業を実施する際に参照する作業手順書の管理を厳格化しています。
手順書の参照・保存場所・使用後の処理などの管理を厳格化することで、誤った手順書が作成、利用されないよう改善を実施しています。

2.作業実施前の事前チェック方法を見直し、誤った手順書での作業実施を防止

通信設備に対する作業において、当該設備の有識者が作業手順書を確認の上エビデンスを残し、作業承認者はそのエビデンスを確認し、作業承認を行う手順に改善しています。

3.サービス正常性確認方法の見直し

サービスの正常性を確認する方法を見直し、シンプルな結果表示・判断基準の定量化を行いました。作業実施時には、この改善内容の確認を実施しています。

4.切り戻し設定時間の基準見直し

2022年7月2日に発生した通信障害では、問題発生時の配下サービスでの輻輳も含めた考慮ができていませんでした。
この点を改善し、作業毎に切り戻し時間を事前評価し個別に設定するとともに、輻輳発生時に備え、複数の関係部門で作成した「輻輳時の復旧手順」を事前に準備して作業するように改善しています。

5.作業リスク評価および作業抑制の基準見直し

作業失敗時のお客さま影響規模の大きさに応じて、作業リスクの評価を見直し、より高いレベルの承認プロセスを通過するように改善を実施しています。
また、特定のイベントに対する作業抑制期間(作業を行わない期間)を従来より拡張し、イベント期間中に重大な事故が発生しないように改善を実施しています。

6.ヒヤリハット事例の活用強化

ヒューマンエラーでのサービス影響を回避するために、ヒヤリハットの収集および展開の強化に取り組んでいます。
さらに、ヒヤリハットの分析から、より的確な注意喚起や啓もう活動ができるように、ヒヤリハット分析システムを導入します。現在、令和5年4月の導入に向けて開発中です。