2022/10/20

現場に向かい通信を復旧する 『KDDIサテライトレンジャー』

  • ゲンバダマシイ
  • SDGs

近年増えている地震・台風・豪雨などの自然災害。そんな時にも通信をいち早く復旧できるよう、KDDIには「KDDIサテライトレンジャー」チームが存在する。

KDDIサテライトレンジャーは、その名のとおり衛星回線を使って通信を復旧させるプロジェクトチームだ。災害で通信ケーブルが断線していても、基地局の設備自体は無事だった場合、切れてしまったケーブルの代わりに、衛星回線を使って通信を復旧させる。

サテライトレンジャーが回線をつなぐ概念図

KDDIサテライトレンジャーの結成は、2019年9月。関東に上陸した台風15号での災害対応時だ。この台風15号では、千葉県千葉市で最大瞬間風速57.5mを記録。記録的な大雨と風の影響で鉄道は大幅に遅れ、千葉県を中心に大規模な停電をもたらしたが、このサテライトレンジャーの活躍が、通信エリア復旧の鍵となった。

台風の被害により倒壊した電柱

こちらがそのときにKDDIサテライトレンジャーが実際に設置した衛星回線のシステムだ。この衛星アンテナに送受信機、高速衛星モデム、伝送装置、などからなる衛星回線のシステムを設置し、基地局とつないで稼働させる。

衛星回線のシステム

KDDIの災害対策用車載型基地

衛星回線のシステムは非常にシンプルな構造で、必要な資材も少ない。運搬、設置がスピーディーに行えるだけでなく、この設備で通信を回復することができれば、災害時に必要な可搬型・車載型基地局は、より被害の大きいほかの地域に出動することができ、全体的な復旧のスピードは上がることになる。

サテライトレンジャーの出動は、現場の立地環境や衛星との位置関係の計画・確認が必要なため、1日におけるチームの稼働は限られるが、台風15号では9日間にわたって出動し、15カ所に衛星システムを設置した。

現場の設置作業は1日2件

基地局を稼働させ続けるKDDI給油部隊

毎年のように起こる自然災害。自然の大きな力に抗うことは容易ではないが、大災害が起こったときでも、通信は「安心」を届けることができる存在だ。 だからこそ、少しでも早く通信を復旧できるよう、KDDIは災害にも強い通信ネットワークを構築し、通信を守り続ける。

※この記事は2020年1月21日の記事(/au-kddi/20200121/2828)を再編集したものです。