2021/01/25
懐かしのケータイがカプセルトイに!バンダイ×auコラボ企画の全貌とその舞台裏
2021年1月、バンダイとauのコラボレーションにより、歴代の人気ケータイをミニチュアサイズにマスコット化したカプセルトイ(ガシャポン)が発売される。
ラインナップは「INFOBAR」(2003年10月発売)、「INFOBAR 2」(2007年9月発売)、「MEDIA SKIN」(2007年1月発売)の3モデル(カラーバリエーションを含めると全12種)。
「INFOBAR」「INFOBAR 2」「MEDIA SKIN」はいずれもデザインケータイの先駆けとして知られる「au Design project」から発売されたモデルだ。
いずれも高さ約4〜5cmのサイズ感で、全種ボールチェーン付き。
価格は各300円(税込)。2021年1月第5週より順次全国の玩具売場、家電量販店などに設置されたカプセル自販機にて発売される。
ディテールや質感まで精巧に再現
「INFOBAR」「INFOBAR 2」「MEDIA SKIN」というauの歴代の人気ケータイをミニチュア化した、今回のプロジェクト。開発の経緯や商品に込めた思いについて、バンダイでガシャポンの企画を担当する荒川裕子さんと、au Design projectの生みの親であり今回のプロジェクトの監修を務めたKDDIの砂原 哲に話を聞いてみた。
――今回のカプセルトイの開発において特にこだわったポイントを教えてください。
荒川さん「こだわったのは、現物を精巧に再現することです。デザインはもちろん、質感や色合いなど細かな部分まで徹底的にこだわりました。」
荒川さん「現物を精巧に再現するために、当時の実機を工場に持ち込んでサンプルを作製し、それを砂原さんにご確認いただき、修正すべきところがあれば修正していきました。」
砂原「ステイホーム期間中だったので自宅にサンプルを送ってもらいました。荒川さんとリアルな場でお会いするのは実は今日が初めて。サンプルの修正は3〜4回ほどお願いしました。細かいことばかり言ってすみません(笑)。」
荒川さん「いえいえ(笑)。おかげさまで、とても完成度が高いミニチュアができあがりました。たとえば「INFOBAR」は、現物と同様、アンテナを伸ばせる仕様にしています。」
荒川さん「本体の素材は硬いABS樹脂ですが、アンテナは出し入れしやすく壊れにくいよう、PVCという柔らかい樹脂を使いました。
また、「INFOBAR 2」に関しては、丸みを帯びた独特の形状を再現するのに苦労しました。最初のサンプルを砂原さんにお見せすると、すぐさまNGが出ましたね。」
砂原「「INFOBAR 2」の形状は曲面だけで構成されているのですが、最初に上がってきたサンプルは天面や側面にフラットな面がついていました。現物を触ってみるとどこにも角を感じない心地いい滑らかな曲面になっていますよね。」
砂原「「四角い飴が口の中で溶けて丸みを帯びたかたち」という「INFOBAR 2」のデザインコンセプトをうまく再現してもらえるよう、荒川さんにお願いしたのですが、最終的にとてもよく仕上げていただきました。今回、いちばん感動した出来栄えでしたね。」
荒川さん「現物を精巧に再現するにあたって、au Design projectの生みの親である砂原さんにご監修いただけたのは本当にありがたかったです。
また、「MEDIA SKIN」は開閉式のフリップが特徴なので、パカッと開く感覚もできる限り現物を再現することにこだわりました。」
――再現性の高さは、当時の実機と比べてみるとよくわかりますね。たとえば「INFOBAR」に関しては、光沢のある表面の質感や、象徴的なカラーである「NISHIKIGOI」の独特の色味も再現されています。
荒川さん「「INFOBAR」は表面にクリアパーツを使い、裏から塗装を施すことで、光沢のある質感を再現しました。色味の再現も苦労したポイントのひとつです。工場に現物を持ち込んで、それを参考にして着色していきました。」
砂原「色味に関しては、「NISHIKIGOI」と「ANNIN」はボディがグロス(光沢)で「ICHIMATSU」と「BUILDING」はマット(艶消し)なんですよね。そこも可能な限り再現していただきました。それと各モデル、ディスプレイのグラフィックデザインも当時そのままに再現しています。」
「バンダイ×au」コラボ企画が実現した経緯
――今回のバンダイ×auによるコラボ企画が実現した経緯を教えていただけますか。
荒川さん「背景として、かつてカプセルトイといえば子ども向けの商品が中心でしたが、いまは大人の方の購入が増えています。割合で言うと最近カプセルトイをご購入される約3割が大人の方です。
そのような状況のなか、大人の方に「欲しい!」と思ってもらえるものってなんだろうと考えたとき、ノスタルジーをくすぐる“懐かし系”のアイテムが心に刺さる場合が多く、そのなかで出たアイデアが昔のケータイをミニチュア化することでした。」
――「INFOBAR」「INFOBAR 2」「MEDIA SKIN」の3モデルをピックアップしたのはなぜでしょうか?
荒川さん「「auおもいでケータイグランプリ」の投票結果を参考にさせていただきながら、社内でも議論を重ねたうえで、KDDIさんにご提案しました。
「INFOBAR」「INFOBAR 2」「MEDIA SKIN」をはじめとするau Design projectのケータイは、昔持っていたという人もいれば、欲しかったけれど買えなかったという人もいて、弊社のチーム内でも盛り上がりました。」
砂原「世の中にたくさんのプロダクトがありますが、多くの人の心に残るものはそうそうありません。そんなふうに盛り上がっていただけたのはとてもありがたいことですね。」
荒川さん「私自身、au Design projectは当時憧れの存在で、買いたくても買えなかった憧れのケータイです。それを今回ガシャポンで商品化できたことはとてもうれしく思います。」
――カラーバリエーションを含めると全12種。コンプリートしたくなりますね。
砂原「はい。これはコンプリートするしかないですね(笑)。」
荒川さん「実は、このデザインプロジェクト3機種12種類以外にも、シークレットモデルが1機種あります。なにかはナイショです。携帯の元祖を思わせるアレ…!です。ぜひ、昔のケータイを懐かしみながらガシャポンを楽しんでいただきたいですね。」
文:TIME&SPACE編集部
撮影:瀬谷壮士
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