2021/01/06
XRを活用したバーチャルストア「@cosme TOKYO -virtual store-」のお買い物体験とは
いまや広い世代で利用されるオンラインショッピング。2021年の現在、コロナ禍で実店舗でのショッピングが制限されるなか、少しでもリアルに近い体験ができるよう、XRを活用した新たな買い物体験ができるバーチャルストア「@cosme TOKYO -virtual store-」がオープンした。
バーチャルストア「@cosme TOKYO -virtual store-」とは
「@cosme」はアイスタイル社が運営するコスメや美容のクチコミプラットフォームで、その@coemeというネットの世界をリアルに体験できるフラッグシップショップが「@cosme TOKYO」だ。
店内ではブランドコスメからプチプラまで約600のブランドを展示。@cosmeに紹介されているスキンケアからメイクなどネットの情報とリアルでの体験を融合した新しい体験型店舗で、「@cosme TOKYO -virtual store-」は、KDDIと共同でその@cosme TOKYOをそのままXRで再現したバーチャルストアだ。
バーチャルストアでのお買い物体験とは
ではバーチャルストアと今までのオンラインストアでは、何が違うのか。
実際にバーチャルストア「@cosme TOKYO -virtual store-」に行ってみたので、その特長をレポートしよう。記事内では雰囲気を伝えるために画質を落としたGIF動画を掲載しているが、実際のアプリでは高画質で楽しめるので、それを踏まえて見てほしい。
■ディスプレイを楽しめる
まず驚いたのは、ドアを開けた瞬間目に飛び込んでくる、コスメが陳列された巨大な展示タワーの存在だ。東京・原宿の「@cosme TOKYO」では、このコスメタワーを中心に各ブランドのコスメが展示されているが、店舗そのままバーチャル化してるだけあって、目で見て楽しいそのワクワク感もそのまま再現されている。
コスメのお買い物の楽しみのひとつは季節ごとのディスプレイだが、この巨大展示タワー「@cosmeベストコスメアワード」には@cosme内の口コミ情報をもとに表彰された受賞商品がディスプレイされており、その並ぶ姿も圧巻だが、商品に近づくと、それぞれのおすすめポイントを描いた手書きのPOPなども楽しむことができる。
■展示やテスタームービーで商品の大きさがわかる
商品展示を見ることができるメリットはそれだけではない。展示されていることで、ほしいコスメの実際の大きさがわかるのも利点だ。オンラインストアで買ってみると、思った以上に大きい商品だったり、思った以上に厚さがある商品だったりすることがある。その点、展示されている商品であればだいたいの大きさを知ることができるし、@cosme TOKYO -virtual store-では、展示に近づき「手のマーク」をタップすることで、手にとって実際の商品を試すテスタームービーを見ることができる。大きさだけでなく、塗った感じの質感などもわかるのは非常にうれしい。
各コーナーへの移動は、実店舗と同じようにウィンドウショッピングしながら移動するのも楽しいが、バーチャルストアならではの特長として、ブランドリストをタップすることで目的の売り場にワープすることもできた。
ここからはKANEBOの売り場に移動し、さらに特長を見てみよう。
■バーチャルメイクでコスメのお試しを
コスメのお買い物の醍醐味と言えば、コスメのお試しもそのひとつ。
現在は一部のブランドに限るが、先ほどのテスタームービーに加え、自分の顔を撮影してコスメを試せる「VIRTUL MAKE UP」にも対応している。
筆者も試してみたところ、自分の肌色との相性など見ることができた。バーチャルなので実際の化粧乗りとは違う可能性があるものの、化粧落としなどを使わずに手軽にお試し品を変えることができるのは、ウェブならではの利点とも言えるだろう。
また、好みにもよるかもしれないが、接客を伴わないので気兼ねなく自分の好きなコスメを試したり、またじっくりウィンドウショッピングを楽しめたのも、バーチャルストアならではの良い点と言える。
XRドアのコンセプトでもあるが、時間と場所を問わず、誰でも好きなときに訪れることができることも大きな特長と言えるだろう。コロナ禍で外出が制限されているときでなくても、東京・原宿にある旗艦店に行かなければ見ることができなかったこのディスプレイを、いつでもどこでも見る環境ができたことも、バーチャルストアならではの利点だ。
もちろん、商品の横にある「i」マークを押すと、@cosmeのサイトで商品をそのまま購入できる。
まさにリアルとネットの融合したショップと言えるだろう。
今回の取り組みにあたり、KDDI 5G・xRサービス企画開発部 下桐と藤倉に話を聞いた。
――今回の取り組みにあたり、こだわった部分はどこでしょうか。
藤倉「ひとつは、8Kでの高画質なストアを提供できることです。「@cosme TOKYO -virtual store-」は通常版と高画質版(5G推奨)の2種類ご用意したのですが、コスメはパッケージのディティールや色彩が大事なので、できるだけリアルに近い体験ができるようきめ細やかなところまで再現したいと思い、画質にこだわりました。」
下桐「もうひとつは、バーチャルでの体験価値をどこまで提供できるかです。今世の中はコロナの影響もあって、リアルでのお買い物という体験が制限されています。それを少しでも解決できるよう、テスタームービーやバーチャルメイクなど、できるだけリアルのお店で体験できることを実現したいと考えました。今はまだ一部のブランドだけですが、いずれはすべてのブランドにその範囲を広げ、さらにはバーチャルカウンセリングやメイク教室など、お店でしか体験できないようなお買い物の楽しさをお届けしたいと考えています。」
――XRドアだからこそできたことはありますか?
下桐「360°の売り場再現にあわせ、お店への第一歩はリアルに歩いて入ることをイメージし、XRドアの技術の活用を決めました。XRドアは世界のどこにでも行けるというエンタメ要素からスタートしましたが、そのコンセプトは自宅にいながらさまざまな体験ができることです。今回のバーチャルストアをはじめとして、今後はお買い物以外にも生活に関する体験をXRドアの世界につくりあげたいと思っています。」
通信は時間と場所の概念を飛躍的に進化させてきたが、5Gの世界になり、バーチャルストアの世界も進化してきた。何より今回実際に体験してみて驚いたのが、「スマホで体験できること」が現実以上の体験価値を提供しているということだ。フロア間の瞬間移動や、立体的なショーケースの商品をクリックして買うおもしろさは、実際の店舗にはない新鮮な体験となった。リアルの体験価値の代替ではなく、新たな体験価値の創造。気になる人は、ぜひドアをくぐってその世界を体験してみてほしい。
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■「@cosme TOKYO -virtual store-」へのアクセス
(1)下記リンクより「au XR Door」アプリをインストール
・iOS:au XR Door アプリ
・Android:au XR Door アプリ
※一部の機種・OSでは動作しない可能性があります。
(2)コンテンツ一覧から「@cosme TOKYO」を選択し、ダウンロード。
(3)スタートボタンを押し、カメラで地面を認識し、タップしてドアを設置。
(4)ドアをタップして開き、歩いて入店。
(5)矢印ボタンをタップで移動。
■「@cosme TOKYO -virtual store-」の雰囲気がわかる紹介ムービーはこちら
文:TIME&SPACE編集部