2020/11/10

折りたたみスマホは縦横どっち?Galaxy Fold & Flip それぞれの便利ポイントと特長を解説

2020年11月4日、auの2020秋冬モデルとして、折りたたみスマホの第2世代となる「Galaxy Z Fold2 5G」と「Galaxy Z Flip 5G」が発売された。どちらも同じ折りたたみスマホではあるが、Galaxy Z Fold2 5Gは横開きで広げればタブレット並みの大画面になる。

Galaxy Z Fold2 5G

一方、Galaxy Z Flip 5Gは縦開きで、折りたたむとコンパクトになるという具合にその特徴は大きく異なっている。

Galaxy Z Flip 5G

折りたたみスマホの便利ポイントはどこなのか。縦開きと横開きそれぞれの利用シーンをもとに、この2機種の機能や特長を紹介する。

開いて大画面か、たたんでコンパクトか

まず、両機種の折りたたむ目的・用途を確認しておこう。

横開きであるGalaxy Z Fold2 5Gは、閉じた状態では表側のディスプレイ(カバーディスプレイ)で通常のスマホとして利用でき、開くと約7.6インチの大画面になる。電子書籍や漫画なども読みやすく、タブレット的に利用できるサイズ感だ。

Galaxy Z Fold2 5G Galaxy Z Fold2 5Gは開くことで大画面となる

縦開きであるGalaxy Z Flip 5Gは、開いた状態ではやや縦長のスマホといった印象だが、折りたたむことで手のひらに収まるコンパクトサイズとなる。ひと昔前のフィーチャーフォン(ガラケー)のイメージと言っていいだろう。コンパクトなので、ズボンやバッグのポケットに入れやすく、持ち運びもしやすい。

Galaxy Z Flip 5G Galaxy Z Flip 5Gは折りたたむとコンパクトになる

上記のように、同じ折りたたみであっても、その方向性はまったく異なっている。開けば大画面のGalaxy Z Fold2 5G は、電子書籍や動画はもちろん、ゲームなども快適に利用できるだろう。一方のGalaxy Z Flip 5Gは、コンパクトに収納することが目的となっている。項目ごとに、その詳細を見ていこう。

画面分割による多彩な利用方法

両機種ともに、折りたたみ画面ならではの使い方として、画面を分割して利用することができる。

横開きであるGalaxy Z Fold2 5Gは、開いたときの大画面を活かし、表示エリアを分割することで最大3つのアプリを同時に利用できる「マルチタスク」に対応している。

Galaxy Z Fold2 5G Galaxy Z Fold2 5Gはマルチタスクに対応し、ネットやSNSなど最大3つのアプリを同時に利用できる

これに加えて、画面内を自由に移動できるフローティングウィンドウも最大5枚表示可能だ。ウェブと地図、メールを同時に表示したり、2分割して上半分で動画を見ながら下半分でSNSを表示するといった使い方もできる。

縦開きであるGalaxy Z Flip 5Gでも画面分割が可能で、一緒によく使う2つのアプリをペアリングさせ、同時に起動させることができるため、縦に長い画面を2画面に分割し、上下で別々のアプリを使用できる。

Galaxy Z Flip 5G Galaxy Z Flip 5Gでは2つのアプリを同時に表示できる

カメラ機能と閉じた状態での撮影

Galaxy Z Fold2 5Gの背面カメラは超広角、広角、望遠(光学2倍)の組み合わせで、いずれも1,200万画素。

Galaxy Z Fold2 5Gの背面カメラ

Galaxy Z Flip 5Gは望遠がなく、1,200万画素の超広角と広角の組み合わせとなる。

Galaxy Z Flip 5Gの背面カメラ

フロントカメラはどちらも1,000万画素。Galaxy Z Fold2 5Gはカバーディスプレイ側にもフロントカメラを搭載しており、これも同じく1,000万画素となっている。

もちろん、どちらも折りたたみスマホならではの使い方が考慮されていて、とくにGalaxy Z Fold2 5Gでは、動画撮影時に被写体を追跡し、常にピントを合わせ続ける自動フレーミングを搭載している。複数の人が映る場合には、フレーム内に収まるよう、自動で広角に切り替わり、人数が減ると元に戻るといったことも行う。

また、折りたたみならではの特長を活かし、90°に曲げて机上に置くフレックスモードでも撮影できるので、定点での動画撮影やビデオ会議などにも便利に使えるだろう。なお、フレックスモードでの写真や動画撮影は縦開きであるGalaxy Z Flip 5Gでも行える。

Galaxy Z Fold2 5G 90°に曲げた状態で机上に置くフレックスモードで撮影できる

もうひとつ、折りたたみスマホならではの撮影方法として、画面を閉じた状態でのセルフィーがある。横開きのGalaxy Z Fold2 5Gは、通常のスマホと同様に、自撮りはインカメラで行う。

これは閉じた状態でも開いた状態でも同じだ。なお、開いた状態では、カバーディスプレイ側にもプレビューを表示することができる。ポートレート撮影時など、被写体側が写りを確認するために利用するものだが、これを使って自撮りもできる。カバーディスプレイ側での操作は行えないが、ボリュームキーでシャッターを押すことは可能だ。

もう一方の縦開きであるGalaxy Z Flip 5Gも、ディスプレイを閉じた状態で自撮りができる。

Galaxy Z Flip 5Gで自撮り ※画像は「Galaxy Z Flip」での撮影イメージです

こちらはアウトカメラを使っての撮影となる。画質の面では有利になるが、プレビューが1.1インチの小さな画面になってしまうのだけが難点だ。

閉じたままでの操作感

横開きのGalaxy Z Fold2 5Gのカバーディスプレイは約6.2インチで、閉じた状態でも大型スマホと同等のサイズだ。

Galaxy Z Fold2 5G Galaxy Z Fold2 5G

画面アスペクト比(縦横比)も25 : 9と縦長で、閉じたままでも普通のスマホと同じように使用できる。もちろん、折りたたんでいるので多少の厚みと重さはあるが、大画面を必要としない通話やSNS、メールのやり取り、ちょっとした調べ物などは、閉じた状態でも問題なくできる。むしろ縦長のぶん、SNSのタイムラインなどは見やすい。

一方、Galaxy Z Flip 5Gは、閉じた状態では約1.1インチの小さなディスプレイで必要な情報のみを確認することになる。

Galaxy Z Flip 5G 左がカメラレンズ・右が約1.1インチのディスプレイ

このディスプレイには発信相手の名前や電話番号が表示され、閉じたままでも電話に出ることができる。手がふさがっているときなどにとても便利だ。

折りたたみスマホならではの注意点も

これまでのスマホとは違った使い方ができる折りたたみスマホだが、折りたたみゆえの注意点もある。まず、Galaxy Z Fold2 5G、Galaxy Z Flip 5Gともに防水防塵には非対応だ。防塵に関しては、それぞれ前モデルから進化を遂げ、ゴミの侵入には強くなっているが、砂浜などでの使用は避けたほうがよい。気になる場合は、故障紛失サポートなどに加入しておくと安心だ。

スペック比較

最後に、Galaxy Z Fold2 5GとGalaxy Fold、Galaxy Z Flip 5GとGalaxy Z Flipのスペックを確認しておこう。

              
機種名 発売年月対応通信規格 画面 ディスプレイ解像度 本体サイズ 重量 カラー メインカメラ
有効画素数
静止画ズーム OS CPU バッテリー容量 電池持ち時間 内蔵メモリ(RAM/ROM) ワイヤレス充電 生体認証 防水 防塵
Galaxy Z Fold2 5G2020年 11月5G/4G メイン:約7.6インチ
カバー:約6.2インチ
有機EL
メイン:QXGA+[2,208×1,768]
カバー:HD+[2,260×816]
開いた状態:約128×159×6.1mm
閉じた状態:約68×159×13.8mm
約282g ミスティック ブロンズ 約1,200万画素/約1,200万画素/
約1,200万画素
10倍 Android 10 Snapdragon 865 Plus 5G
Mobile Platform 3.0GHz/1+
2.4GHz/3+1.8GHz/4
4,500mAh 約105時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア)
約100時間(5Gエリア)
12GB/256GB 指紋/顔
Galaxy Fold2019年 10月4G メイン:約7.3インチ
カバー:約4.6インチ
有機EL
メイン:QXGA+[2,152×1,536]
カバー:HD+[720×1,680]
開いた状態:約118×161×6.9mm
閉じた状態:約63×161×15.7mm
約276g スペース シルバー 約1,600万画素/約1,200万画素/
約1,200万画素
10倍 Android 9 Pie Snapdragon 855
2.8GHz/1+
2.4GHz/3+1.7GHz/4
4,380mAh 約135時間 12GB/512GB 指紋/顔
※Internet Explorer ブラウザでは、スクロールが機能しない場合がございます。
              
機種名 発売年月対応通信規格 画面 ディスプレイ解像度 本体サイズ 重量 カラー メインカメラ
有効画素数
静止画ズーム OS CPU バッテリー容量 電池持ち時間 内蔵メモリ(RAM/ROM) ワイヤレス充電 生体認証 防水 防塵
Galaxy Z Flip 5G2020年 11月5G/4G メイン:約6.7インチ
カバー:約1.1インチ
有機EL
メイン:フルHD+[2,636×1,080]
カバー:[300×112]
開いた状態:約74×167×6.9mm
閉じた状態:約74×87×15.4mm
約183g ミスティック ブロンズ 約1,200万画素/約1,200万画素 8倍 Android 10 Snapdragon 865 Plus 5G
Mobile Platform 3.0GHz/1+
2.4GHz/3+1.8GHz/4
3,300mAh 約100時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア)
約95時間(5Gエリア)
8GB/256GB 指紋/顔
Galaxy Z Flip2020年 2月4G メイン:約6.7インチ
カバー:約1.1インチ
有機EL
メイン:フルHD+[2,636×1,080]
カバー:[300×112]
開いた状態:約74×167×6.9mm
閉じた状態:約74×87×15.5mm
約183g ミラー パープル
ミラー ブラック
約1,200万画素/約1,200万画素 8倍 Android 10 Snapdragon 855+
2.9GHz/1+
2.4GHz/3+1.7GHz/4
3,300mAh 約110時間 8GB/256GB 指紋/顔
※Internet Explorer ブラウザでは、スクロールが機能しない場合がございます。

CPUはどちらもSnapdragon 865 Plusを搭載。Galaxy Z Fold2 5Gは同時に起動できるアプリ数が多いぶんRAMも多く12GBだが、Galaxy Z Flip 5Gは8GBだ。どちらも現行スマホではトップクラスのハイエンド仕様となっている。

第2世代となり、どちらも5Gに対応したことに加え、より使い勝手がよくなったGalaxy Z Fold2 5GとGalaxy Z Flip 5G。縦開きと横開きという違いがあり、それぞれ得意なことが異なっている。自身の使い方や利用シーンを想定して選んでみるといいだろう。

文:山本竜也

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