2020/10/22

坂井泉水さんの歌声に近づける!時間と空間を超えたZARDバーチャルライブが音のVRで実現

KDDIとKDDI総合研究所は、2020年10月22日より「新音楽視聴体験 音のVR」アプリで、ZARDの「負けないで」「揺れる想い」のバーチャルライブを配信した。

ZARD「負けないで」「揺れる想い」のジャケット

2007年のボーカル・坂井泉水さんの逝去後も、その楽曲が幅広い世代に愛され続けてきたZARD。2020-2021年は、デビュー30周年イヤーにあたる。

新型コロナウイルス感染症の影響で、いまだコンサートやイベントの制限が続いているなか、5G時代の最新通信技術とスマートフォンを活用し、30周年を迎えるZARDの楽曲で新しい音楽視聴体験を提供できないだろうか。

そんな想いから今回のバーチャルライブは配信された。

「新音楽視聴体験 音のVR」アプリのダウンロードはこちら ※2020年10月22日現在、iOSのみでの配信となります。

音のVRで配信されるZARDのバーチャルライブとは

まずは、音のVRによるバーチャルライブのデモムービーをご覧いただこう。

「音のVR」とはKDDI総合研究所による独自技術で、専用アプリを使って好きなパートを画面上でピンチアウト(拡大)すれば、映像と同時に、その歌声や楽器の音色にも寄って視聴することができるというもの。

バーチャルライブでは、360°動画で再生しながら、坂井泉水さんの歌声に近づいたり、ライブバンドメンバーの楽器の音色に近づける、今までにないインタラクティブな視聴体験ができる。

ZARDバーチャルライブの模様
ZARDバーチャルライブの模様
ZARDバーチャルライブの模様 バーチャル空間の「GINZA 456」を舞台に制作された音のVRのZARDバーチャルライブ

坂井泉水さんのミュージックビデオと、新たに収録したZARDのライブバンドメンバー4人の演奏を、VR空間に配置することで、今回のバーチャルライブは生まれた。

そして舞台となっているのが、KDDIのコンセプトショップ「GINZA 456 Created by KDDI」のB1階イベントフロアだ。なぜなら、「GINZA 456」が立地する、銀座4丁目5番6号の地は、ZARDファンの聖地なのである。

ZARDバーチャルライブの舞台となった「GINZA 456」の内観 ZARDバーチャルライブの舞台となった「GINZA 456」の内観

ZARDと「GINZA 456」のつながりとは

「GINZA 456」は、2020年9月にオープン。最新のデバイスやサービスを提供し、auユーザーだけでなく誰もが5Gや先端テクノロジーを活用したコンテンツを体感できるスペースも準備されている。

KDDIのコンセプトショップ「GINZA 456」の正面玄関 KDDIのコンセプトショップ「GINZA 456」の正面玄関

この「GINZA 456」は、「山野楽器銀座本店ビル」に立地している。山野楽器は、いわずとしれた楽器と楽譜とレコード販売の老舗である。128年という歴史を持ち、銀座中央通りのシンボル的な存在だ。そしてZARDファンにとっては「聖地」とも呼ばれる場所でもある。

こちらは1999年5月、ベストアルバム「ZARD BEST」が発売されたタイミングでの山野楽器銀座本店ビルの模様である。

1999年5月・山野楽器銀座本店でのZARDプロモーションの模様

そして左は1999年9月に開催された写真展、右は2016年、ZARD25周年の店頭イベントの模様だ。

ZARDの写真展や周年イベントなどなどが数多く開催された山野楽器銀座本店 山野楽器銀座本店では、ZARDの写真展(左)や、周年イベントなどなどが数多く開催された

CDの発売時には、店頭のもっともお客様の目にふれる場所で展開。7FのJamSpotでは、リリースや周年のタイミングで記念のフォトギャラリーなども開催された。そして山野楽器銀座本店には多くのZARDファンの方が足を運ぶ貴重な場所になっていただけでなく、坂井泉水さんが実際に訪れたこともあったという。

ライブバンドメンバーによる演奏とZARDの魅力

そんな今回のバーチャルライブ、演奏は、1999年以降ZARDの全ライブに参加したギターの大賀好修さんらZARDのライブバンドのメンバー4人が、「負けないで」「揺れる想い」を新たに収録した。

ギター・大賀好修さん、ベース・麻井寛史さん、ドラム・車谷啓介さん、キーボード・大楠雄蔵さん
ギター・大賀好修さん、ベース・麻井寛史さん、ドラム・車谷啓介さん、キーボード・大楠雄蔵さん 左上から時計回りにギター・大賀好修さん、ベース・麻井寛史さん、ドラム・車谷啓介さん、キーボード・大楠雄蔵さん

聴きたいパートの音に自由に近寄ることができる音のVRは、その場で聞こえる音をマルチトラックですべて録音する360°マイク(画像の赤丸)と、その周囲にいくつかのオフマイク、要所にはオンマイクを設置。それらを取り囲むようにして演奏し、収録を行った。

ZARDメンバーによる音のVR収録風景。360°マイクをギター、ドラム、キーボード、ベースが取り囲んで演奏 ZARDメンバーによる音のVR収録風景。360°マイクをギター、ドラム、キーボード、ベースが取り囲んで演奏

そしてギターとドラムのあいだ、ベースとキーボードのあいだには坂井泉水さんのボーカルが流れるスピーカーを設置し、一緒に収録する。このライブ収録でのボーカル、バンドの位置関係に基づいたライブ音源を、VR空間で再現するのである。

完成したコンテンツではこうなる。画面奥にボーカルの坂井泉水さんがいて、手前左にベース、右にキーボード。

ZARDバーチャルライブ ZARDバーチャルライブ

向きを180°反転すると、今度は坂井泉水さんの手前左にギター、右にドラム。

ZARDバーチャルライブ ZARDバーチャルライブ。上の画像を水平方向に180°反転させた状態

久しぶりにZARDの楽曲の演奏を行ったという各メンバーに、今回の取り組みについて聞いてみた。

「ZARD30周年にまた坂井さんとコラボし、この名曲達を演奏できることに感謝です。ツアーで使っていたギターを久しぶりに出して弾きました。ライブ感を大切にしましたので、VRでZARDライブを楽しんでください!」(ギター・大賀好修さん)

「節目の年に『音のVR』で作品に関わることができてうれしいです。この先も新しい技術やアイデアによって、良い作品が色褪せることなく、かたちを変えながら未来へつながっていけたらとても素晴らしいですね」(ベース・麻井寛史さん)

「記念すべきZARD30周年。今までにないリアルな臨場感を再現するバーチャル空間で、ZARD坂井泉水さんの世界をライブでお届けする。その歴史の一端を担えたことをとても光栄に感じています」(ドラム・車谷啓介さん)

「このメンバーとこのプロジェクトに参加し、ツアーを思い出しながらライブで演奏しているような気持ちになれました。『音のVR』を通してZARDの音楽がさらに広がればとてもうれしいです」(キーボード・大楠雄蔵さん)

長らくZARDのライブを演奏で支えてきた4人 長らくZARDのライブを演奏で支えてきた4人

また、新世代のZARDトリビュート・バンド「SARD UNDERGROUND」も音のVRの収録に参加した。

ボーカル、ギター、ベース、キーボードのSARD UNDERGROUNDにギターとドラムのサポートメンバーが参加してレコーディング
ZARDの楽曲を後世に伝えるSARD UNDERGROUNDの4人 ZARDの楽曲を後世に伝えるSARD UNDERGROUNDの4人。左からキーボード・坂本ひろ美さん、ベース・杉岡泉美さん、ボーカル・神野友亜さん、ギター・赤坂美羽さん

2019年に結成された20代の女性4人からなるロックバンドで、ZARDトリビュートを中心に活動。今回は、やはりZARDの名曲のひとつ「眠れない夜を抱いて」をみずみずしくパワフルに演奏してくれた。

ZARDのデビュー時から音楽ディレクターを務めてきた寺尾広さんは、このバーチャルライブで届けたい想いを語ってくれた。

株式会社ギザ 寺尾広さん デビュー当時からZARDと音楽を作り続けてきた株式会社ギザの寺尾広さん

「言葉を音楽で届けたいという思いで、ずっと歌詞を書き続け、歌い続けていた坂井泉水さん。“ZARD 30周年YEAR”を通して、ファンの皆様にはその魅力を再確認していただき、同時にZARDをあまり知らない方たちには、新たにその魅力に触れていただきたいと思っています。坂井泉水さんが綴った『君に逢いたくなったら…』の歌詞のように、このバーチャルライブでZARDの音楽に逢っていただき、思いきり騒いでいただけるとうれしいです」

5G時代のテクノロジーで誰も知らない新たな音楽体験を

今回のバーチャルライブでは「新たなジャンルの音のVRコンテンツの制作に成功した」と、KDDI総合研究所の堀内俊治はいう。堀内は音のVRを開発し、これまですべてのコンテンツ制作に携わってきた研究者であり、エンジニアだ。

KDDI総合研究所 イノベーションセンター・マルチモーダルコミュニケーショングループ 堀内俊治 KDDI総合研究所 イノベーションセンター・マルチモーダルコミュニケーショングループ 堀内俊治

「合唱やオーケストラの演奏と、今回のようなロックバンドの演奏では、収録方法に違いがあります。前者の多くは、歌声や楽器の音がそのままステージ上で一体となって曲として聞こえていますので、これまでその“場”をそのまま収録してきました。一方、ロックバンドの場合は、ボーカルも楽器も通常、アンプやミキサーで一旦調整したものをスピーカーから流します。つまり、“場”の音の収録に加えて、ボーカルや楽器ごとの個別の音も収録できているのです。VR空間上でのこれらを“場”として再構成することが今回の挑戦だったのですが、制作チーム一同で、きちんとクリアできたと思います」

これにより、今後はロックバンドの収録でも、すでにある音源でも音のVRのコンテンツとして提供していく目処がついたという。

通信は遠く離れた場所を回線でつなぐだけではない。テクノロジーを活用することで、もっといろいろなものをつなぐことができる。バーチャルライブを通じた時間と空間を超える感動が、ZARD坂井泉水さん、ZARDライブバンドメンバー、SARD UNDERGROUND、そしてファンの心をつないでいく。

ZARD坂井泉水さん ZARD坂井泉水さん

5Gの時代を迎え、テクノロジーはますます進歩していくなかで、ワクワクを提案し続けるために、KDDIはこれからもパートナーとともに新しい体験価値を提供していく。

ZARDバーチャルライブを「GINZA 456」で体験

「GINZA 456」の1階では、音のVRを体感できるコーナーが常設されており、ZARDバーチャルライブの視聴が可能(もちろん、SARD UNDERGROUNDのバーチャルライブも視聴できる)。さらに、10月31日からは、B1階のイベントフロアで音のVR体験イベントも開催している。

「GINZA 456」B1 「GINZA 456」B1階の音のVR体験イベント

音のVR体験イベントでは、最新のiPhone 12と大型スクリーンでZARDバーチャルライブを体験できる。壁一面に映し出される坂井泉水さんをはじめ、ZARDのライブバンドメンバー、SARD UNDERGROUNDの迫力ある演奏を楽しめる。

「GINZA 456」B1

また、5G通信で「音のVR」アプリを操作できるので、4Gとの通信速度の違いも体感できる。

ぜひこの機会に迫力あるZARDバーチャルライブを体験しに、「GINZA 456」へ足を運んでみてほしい。

KDDI直営店で音のVR体験

一部のKDDI直営店でも、音のVR体験コーナーを設置。ZARD / SARD UNDERGROUNDのバーチャルライブも体験できる。

日程:2020年11月21日(土)~29日(日)
場所:au SENDAI、au SHINJUKU、au IKEBUKURO、au UENO、au NAGOYA、au OSAKA、au FUKUOKA

文:TIME&SPACE編集部
写真:Nari Ueda/Winning Shot

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。