2019/07/17

基地局が出張します! フェスや花火大会など大型イベントでスマホがいつも通り使える理由

花火大会

夏の楽しみといえば、音楽フェスや花火大会にお祭りといった大規模なイベントだが、撮った写真はSNSに投稿したり、友だちに送って、空気感や興奮をリアルタイムで共有したいものだ。

また、友だちとの待ち合わせやはぐれてしまった際の緊急連絡、タイムテーブルの確認、出店しているお店のメニュー検索、暇つぶしのゲームなど、イベントの規模が大きいほどスマホが活躍する場面はますます増える。

 

そこでauでは毎年、こういったイベントが行われる際には専門のスタッフが現地に趣き、みなさんのスマホや携帯電話がいつも通りにつながるように「特別な対策」を行っている。もちろん今年も花火大会や音楽フェス、お祭りなど、日本全国のさまざまなイベントに「出張」する。

au イベント対策 出張予定地

では、そういったイベントの舞台裏では一体どんな「特別な対策」が行われているのか? KDDIの対策について話を聞いてみよう。

なぜ大型イベント時には「特別な対策」が必要になる?

では、なぜ大型のイベントが開催されるとき、通信会社による「特別な対策」が必要になるのか?

通常、携帯電話は下図のような仕組みで通話や通信が行われている。

携帯電話がつながるしくみ

携帯電話の電波はまず、現地の基地局につながる。この基地局には処理できる音声通話の接続数やデータ通信量が決まっていて、その地域に合った数の基地局が設置されている。都心など人口の多い場所ではそのぶん、多くの基地局が建てられている。

しかし、花火大会や夏フェスといった大型のイベントが開催されるときには一時的、かつ局地的に人口が増える。多くの場合、現地に設置されている基地局だけでは、それだけの接続数と通信量を処理することができないのだ。そこで通信会社による「特別な対策」が必要になる。

特別な対策は3つ

こういった大型イベントに対応するために、KDDIでは主に3つの対策を行っている。

①周辺の基地局を増強する

既存の基地局を調整し、増強するという対策。イベント会場周辺の基地局のアンテナの向きを調整したり、一時的に増強することによって電波をつながりやすくする。都市部はもともと基地局が多いため、この方法で対応できる場合もある。

②「車載型基地局」と「可搬型基地局」を増設する

臨時の基地局を増設するという対策。いわば「出張基地局」。一時的に人が増えるようなイベントでは、この移動可能な基地局が出動して足りない部分を物理的に補う。また「車載型基地局」「可搬型基地局」は災害時にも出動して、災害地の通信環境を支えるという重要な役割を担う。

車載型基地局」はその名のとおり、“基地局を搭載したクルマ”のこと。災害時にも活躍するこのクルマは、緊急通行車両に指定されていて、基地局だけでなくアンテナや発電機、バッテリーなども備え付けられている。燃料さえあれば24時間の稼働が可能だ。

KDDIの車載型基地局 車載型基地局

可搬型基地局」は基地局がない場所でも通信を可能にするためのユニットをセットした、持ち運ぶことのできる臨時基地局のこと。2017年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の対策では、クレーン車のゴンドラ部分にアンテナを設置し、20mほどの高さに立てられた。

可搬型基地局とゴンドラに設置されたアンテナ
可搬型基地局とゴンドラに設置されたアンテナ 可搬型基地局とゴンドラに設置されたアンテナ

③「人間Wi-Fi」を投入してアクセスポイントを増やす

3つめは、人呼んで「人間Wi-Fi」。

人間Wi-Fi 人間Wi-Fi

小型のWi-Fiアクセスポイントを装備したスタッフがイベント会場を歩き回るという、人力とテクノロジーがフュージョンした対策。「人間Wi-Fi」ひとりあたり100端末ほどをつなげられる。auの「人間Wi-Fi」はイベント内容にあわせてコスプレをすることもあり、たびたび話題となっている。

通信インフラの整備・保守・運営は通信会社の大きな役割のひとつ

では、電波対策のためのイベントへの参加はどういった経緯で決まるのか? KDDI技術統括本部 建設本部 エリア品質管理部 推進グループ主任の赤松諒介に話を聞いた。

「イベントの規模や注目度、影響度などから総合的に判断して、何カ月も前から対策内容を検討し、準備を行い、KDDIからイベント主催者側に連絡して電波対策を申し入れています。担当者は普段から、全国のイベント情報に目を光らせているんですよ」

また、対策の検討では拠点のメンバーが会場に足を運び、必ず現地を確認するようにしているのだという。

「年に1回のイベントなので、失敗は許されませんからね。準備段階では、実際のイベントをイメージして、どこにお客様が集まり、お客様がどのように通信を利用されるか、十分に想定したうえで、取るべき対策を検討しています。イベントの主催者様などを通じて細かく情報を収集しており、同じイベントであっても、年ごとの変化に気を配っています」

イベント当日を迎えるまでには現地の住民の方との設置場所の交渉など、イベント終了後には調整した基地局の設定を元に戻すなどの作業が山積みだ。そんななか、大きな達成感を感じる瞬間がある。

「Twitterは必ずチェックしています。対策していること自体、知らなかったり気付かない人が多いですが、気付いてもらえて、さらにお褒めの言葉をいただいたときは本当にうれしいですね」

いまや「いつでもどこでもつながっていることが当たり前」のスマホや携帯電話だが、その舞台裏では今日も電波対策に奔走しているスタッフの姿があるのだ。

auは今年も全国の夏イベントに出張します!

そして今年もKDDIは日本全国のさまざまなイベントに出張し、電波対策を行う。

7月は新潟県苗場開催の「FUJI ROCK FESTIVAL'19」をはじめ、福岡の「NUMBER SHOT」といった音楽フェス、さらには愛知の「豊田おいでんまつり花火大会」、大阪の「天神祭」、東京の「第42回隅田川花火大会」と、北から南まで、郊外型のイベントだけでなく都市部のイベントにも駆けつける。

 

また、8月以降も茨城県の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や、東京ビックサイトで開催の「コミックマーケット」など、全国津々浦々に出張。

auが電波対策に出張するイベントは以下にまとまっているので、参加する予定がある人はぜひ事前に確認しておいてほしい。

文:TIME & SPACE編集部

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。