2019/06/06

新モデル『AQUOS R3』はR2からどう進化した? sense2など過去モデルとも徹底比較

auの2019夏モデルとして「AQUOS R3(SHV44)」が登場した。見た目は昨年発売された「AQUOS R2(SHV42)」と似ている印象だが、中身は大きく進化している。

AQUOS R3(SHV44) AQUOS R3(SHV44)

本記事ではAQUOS R3の機能を中心に、「AQUOS sense2(SHV43)」やAQUOS R2、「AQUOS sense(SHV40)」、「AQUOS R(SHV39)」といった過去機種からどう進化しているのかを比較してみた。

スペックの比較

まずは、それぞれのスペックや仕様を比較してみよう。

AQUOS R3、sense2、R2、sense、Rのスペック比較表

2018年の夏モデルであるAQUOS R2は、いまでも十分に通用するスペックを持っているが、新機種のAQUOS R3はそれを上回るハイスペックモデルとなった。とくに、IGZOディスプレイは新たに「Pro IGZO」の名を冠し、これまで以上の表現力を手に入れている。

また、AI性能の向上により、カメラ機能も大幅に進化しているのが特徴だ。

画面サイズ

AQUOS R3の画面サイズは、6.2インチとこれまでで最大となった。AQUOS R2と同様に、画面上部に半円形のノッチを採用したほか、画面下部のホームボタンまわりにも切り欠いたダブルノッチを採用している。

AQUOS R3、sense2、R2、sense、Rの液晶画面サイズ比較

AQUOSシリーズの特徴のひとつにIGZOディスプレイがある。液晶テレビの「AQUOS」で培った技術を利用した色の再現性の高さが人気を誇り、新機種が発売されるたびに進化を遂げている。

AQUOS R3では新開発となる「Pro IGZO」を搭載。最大表示可能色がAQUOS R2の約1,677万色から約10億色(!)に大幅アップしたほか、最大輝度もAQUOS R2の2倍になり、明るい野外でもディスプレイが見やすくなる。さらに、リフレッシュレートも120Hzにアップし、滑らかな描画と快適な操作性を実現。

また、動画視聴時の動きの激しいシーンや画面スクロール時の文字の残像を抑え、なめらかに表示できる「ハイスピードIGZO」にも引き続き対応している。

Pro IGZO
Pro IGZO AQUOS R3では、表示可能色が10億色にアップ。グラデーションの繊細な色表現などにより、これまで以上に美しく表示することが可能になっている

本体サイズ

AQUOS R3は画面サイズがAQUOS R2から0.2インチ大きくなったが、ダブルノッチの採用により、本体サイズはAQUOS R2からほぼ変わらず、むしろ厚みが0.1mm減っている。そして、AQUOS sense2よりひと回り大きいサイズ感だ。

AQUOS R3、sense2、R2、sense、Rの本体サイズ比較

重さ

AQUOS R3はAQUOS R2と本体サイズはほぼ変わらないが、重さはAQUOS R3が4gほど重くなっている。とはいえ、この差を認識できる人はわずかだろう。ひと回り小さいAQUOS sense2とAQUOS R3を比べると30gの差があり、こちらはさすがに手に持ったときに重量差を感じるかもしれない。

高級感のあるRシリーズ、ポップなsenseシリーズ

カラーバリエーションを比較すると、光沢のあるラウンドフォルムはAQUOS Rシリーズで共通。AQUOS R3はAQUOS R2と同じく、背面はガラス素材となっている。カラーは左からピンクアメジスト、プラチナホワイト、プレミアムブラックの3色。全体的に高級感を感じる仕上がりだ。ちなみに、AQUOS senseシリーズは、AQUOS Rシリーズよりもややポップなカラーが特徴となっている。

AQUOS R3とAQUOS sense2のカラーバリエーション

処理能力

AQUOS R3は、ハイスペックなプロセッサ「Snapdragon 855(スナップドラゴン 855)」を搭載。AQUOS R2が搭載していたSnapdragon 845もいまでも十分に高性能だが、そのAQUOS R2と比較してもCPUの処理性能が約30%、グラフィックのパフォーマンスも約20%向上している。

Snapdragon 855

容量に余裕があるR3

最新モデルのAQUOS R3は内蔵ストレージが128GBあり、AQUOS R2の64GBの2倍、AQUOS sense2の32GBから4倍となった。写真やアプリでストレージが埋まってしまうなど、容量のやり繰りに苦労することも少なくなるだろう。

といっても、いずれの機種もmicro SDは利用できるので、ストレージの容量はさほど気にしなくても良さそうだ。

カメラ性能が向上、AIによる「被写体ブレ補正」を搭載

AQUOS R3の背面カメラは、AQUOS R2から引き続き、標準カメラと動画専用のドラマティックワイドカメラとのデュアル構成を採用している。標準カメラには大型のピクセルセンサーを採用することで、AQUOS R2よりも1画素あたりの光量がアップ。レンズもF値1.7と明るくなっているほか、暗いシーンでも素早くピント合わせが可能になっている。

そして新たに、動き回る被写体でもブレずに撮影ができる新画質エンジン「ProPix2」を搭載している。これは、AIが被写体の動きに合わせて最適なシャッタースピードを決定し、さらにノイズ処理を施すことで、ブレずにノイズも少ない写真を撮れるというものだ。犬や猫といったペットの撮影や運動会など、被写体が動くシーンでもブレにくい写真を撮影することが可能になる。

被写体ブレ補正

AQUOS R2から引き続き、AIが自動でシーン判定を行い、最適な撮影モードを選択する「AIオート」を搭載している。被写体が犬や猫などの場合でも、シャッタースピードを上げてブレの少ない写真を撮影することができる。ほかにも料理や夕景など9シーンに対応。この機能はAQUOS R3だけでなく、シーン数は少なくなるがAQUOS sense2でも利用可能だ。

AIオート

撮りっ放しにしない「AIライブストーリー」

AQUOS R3は静止画の撮影だけでなく、動画の撮影性能も向上している。画素数が増えたことに加え、4つのピクセルセンサーを束ねて大きくすることで、取り込む光量をアップした。

また、動画を撮影するだけでAIが見どころとなるシーンを自動抽出し、約15秒のショートムービーを作成する「AIライブストーリー」機能を搭載。編集の手間がなく、撮影してから間を置かずに手軽にシェアすることが可能になる。撮る楽しみだけではなく、撮ったあとに観る楽しみを追加してくれる機能といえるだろう。

AIライブストーリー

AQUOS R2から搭載されていた、動画撮影中にAIが自動でおすすめの静止画を残してくれる「AIライブシャッター」も進化。AQUOS sense2ではAIライブシャッターは使えないが、高画質動画のなかから静止画を切り出せる「あとからキャプチャー」に対応している。とりあえず動画撮影をしていれば静止画にも対応できるのはとても便利だ。

ステレオスピーカーの採用に加え、イヤホンなしでのDolby Atmos対応

AQUOS R3は、ステレオスピーカーを搭載したことに加え、イヤホンなしでもDolby Atomsに対応することが可能になった。表現力を増したディスプレイとあわせ、よりリッチな映像体験ができるだろう。

Dolby Atoms

AQUOS R3はワイヤレス充電(Qi)に対応

AQUOS R3のバッテリー容量は3,200mAhで、AQUOS R2から微増。さらに、ワイヤレス充電(Qi規格)に対応したことも見逃せない。いちいちケーブルを挿さずに充電できるのは、やはり便利だ。

共通仕様はIPX5/IPX8・IP6X防水防塵、おサイフケータイ

最後に各モデルの共通仕様を確認しよう。

IPX5/IPX8・IP6X相当の防水防塵に、おサイフケータイ機能は各機種とも共通している。ワンセグ/フルセグは、AQUOS senseとAQUOS sense2を除く3機種は対応。

指紋認証はすべて前面下部に搭載しているほか、他機種では省かれがちな3.5mmイヤホンジャックも全機種に搭載するなど、インターフェースまわりの使い勝手は一貫している。AQUOS R3に乗り換えても操作性で戸惑うことはないだろう。

自分に合ったAQUOSを

AQUOS R2は機能的にはAQUOS R3に引けを取らない。カメラ機能にそこまでのハイスペックを求めないのであれば、AQUOS R2もディスプレイや処理能力としては十分に使いこなせるだろう。

とはいえ、ディスプレイを一新し、AIでカメラ機能を向上させたAQUOS R3は、日常的に動画や写真を撮る人にはとくにおすすめだ。AIライブストーリー機能で編集が簡単になるうえに、手ブレ補正機能によりブレの少ないクリアな写真を撮影することができる。

さらに、AIオートなど基本的な機能は抑えていながらお手頃な価格帯のAQUOS sense2もあり、AQUOSシリーズも選択の幅が広がってきた。ぜひ、自分にあった1台を見つけてほしい。