2019/06/03

Galaxy S10+ / S10 / A30の違いは? S8 / S9との比較から進化ポイントまで徹底解説します

auの2019夏モデルとして登場した、Galaxyの新作は、昨年発売された「Galaxy S9+」「Galaxy S9」の後継モデルとなる「Galaxy S10+(SCV42)」と「Galaxy S10(SCV41)」に加えて、「Galaxy A30(SCV43)」の3機種だ。

Galaxy S10+(SCV42)、Galaxy S10(SCV41)、Galaxy A30(SCV43)

Galaxy S10+とGalaxy S10で迷っている人や、Galaxy S10+と同じ画面サイズながら、手頃な価格となるGalaxy A30の購入を考えている人もいるだろう。

そこで、本記事ではそれぞれの進化したポイントや優れたポイントについて、新機種3モデルと、2018年の「Galaxy S9+」「Galaxy S9」、2017年の「Galaxy S8+」「Galaxy S8」を比較してみた。ぜひ、選択する際の参考にしてほしい。

スペックの比較

まずは、それぞれのスペックや仕様を比較してみよう。

Galaxy S10+、S10、A30のスペック比較表
Galaxy S9+、S9、S8+、S8のスペック比較表

今回もGalaxy S10+はハイスペックな仕様になっている。Galaxy S10との主な違いは画面サイズとサブカメラ、バッテリー容量といったところ。

Galaxy S10+はサブカメラがデュアルになり、「ライブフォーカス」機能を使うことで、まるで一眼レフで撮ったような背景がボケた自撮りが可能になっている。また、バッテリー容量も多いので、セルフィーでこだわりたい人やバッテリー容量が気になる人はGalaxy S10+を選ぶといいだろう。

そのバッテリー容量だが、Galaxy S10+とGalaxy S10にはユーザーの端末使用パターンを学習し、バッテリー寿命を管理する「Adaptive Power Saving(アダプティブパワーセービング)」モードが搭載された。スペックの容量以上に使用時間に差が付くはずだ。

もうひとつの新モデルGalaxy A30は、auでは初となるミドルクラスのGalaxyだ。ミドルクラスといってもバッテリー容量は3,900mAhと、Galaxy S9+やGalaxy S10よりも多く、Galaxy S10+の4,000mAhに迫るほど。手頃な価格で、なおかつ大画面で長時間ゲームや映像を楽しみたい人にはピッタリだろう。

では、各機種の特徴的な項目を見ていこう。

画面サイズ

画面サイズを数値だけで比較すると、Galaxy S10+とGalaxy A30が同じ6.4インチ。しかし、新機種3モデルにおいては、数値以上にその見た目には大きな違いがある。

Galaxyシリーズの液晶画面サイズ比較

これまでGalaxyは、画面上部が切り欠かれたノッチを採用せず、ベゼル幅をギリギリまで細くすることで画面サイズを広げた「Infinityディスプレイ」を採用してきた。

そして、Galaxy S10+とGalaxy S10は画面内のカメラ部分だけ穴が開いたパンチホール型の「Infinity O ディスプレイ」、Galaxy A30は水滴型のノッチ「Infinity U ディスプレイ」となっている。これらの採用により、画面占有率が従来モデルよりもアップ

Infinity O Galaxy S10+とGalaxy S10は「Infinity O」を採用したことにより、カメラホール以外のすべてがディスプレイとなっている

なお、Galaxy A30は従来モデルと同様、ディスプレイに有機ELの「Super AMOLED(スーパー アモレッド)」を使用しているが、Galaxy S10+とGalaxy S10は次世代の「Dynamic AMOLED(ダイナミック アモレッド)」を採用。さらに、高精細でリアルな画質を味わえるHDR新規格「HDR10+」に対応したほか、Galaxy S9やGalaxy S9+と比べブルーライトを約42%削減するなど、美しい映像表現を実現しただけではなく、目にもやさしいディスプレイとなっている。

Dynamic AMOLEDを採用した美しいディスプレイ

本体サイズ

ベゼル幅が細くなったこともあり、画面サイズがアップしているにもかかわらず、Galaxy S10+とGalaxy S10の本体サイズはさほど大きくはなっていない。また、Galaxy S10+とGalaxy S10(共に7.8m)は、Galaxy S9+とGalaxy S9(8.5m)と比べて、厚みが0.7mm薄くなっている。

Galaxyシリーズ 本体サイズ比較

重さ

新機種3モデルは、画面サイズが大きくなっているにもかかわらず軽量だ。今回、比較したなかでもっとも重いGalaxy S9+の約187gに対してGalaxy S10+は175g、Galaxy S9の約161gに対してGalaxy S10は約158gと軽くなっている。また、Galaxy A30は約176gで、Galaxy S9+よりも軽く、Galaxy S10+に近い軽さだ。

Galaxyシリーズ 本体重量比較

カラーバリエーション

Galaxyのカラーバリエーションは+シリーズが2色、無印が3色というのが続いているが、Galaxy S10+とGalaxy S10でもそれを踏襲している。Galaxy S10+はプリズム ブラック、プリズム ホワイトの2色、そしてGalaxy S10はプリズム ブラック、プリズム ホワイトに加えて、プリズムブルーの3色。ミドルクラスのGalaxy A30はブルー、ブラック、ホワイト、レッドというバリエーションで、これまでになくポップな4色を採用しているのが特徴だ。

Galaxy S10+、S10、A30のカラーバリエーション

Galaxy S10+、Galaxy S10は画面内指紋センサー搭載

虹彩認証は搭載されていないが、指紋認証と顔認証は両方ともに使用可能だ。マスク着用時など顔認証ができない場合でも、指紋を使ってスムーズに認証を行うことができる。

Galaxy A30は従来モデルと同様、指紋センサーを背面中央に設置されているが、Galaxy S10+とGalaxy S10は指紋センサーが前面に移動し、Galaxyとしては初となる画面内部へのセンサー搭載を実現している。指紋認証を行う際にいちいち持ち上げる必要がなく、置いたままでも認証できるのがメリットといえる。さらに、これまで以上に安全性が高いとされる超音波方式のセンサーを採用しているので安心だ。

Galaxy S10+、Galaxy S10は超広角撮影にも対応

カメラ機能では、Galaxy S10+とGalaxy S10はともに背面カメラにトリプルカメラを搭載。それぞれ望遠、広角、超広角に対応し、これを切り替えることで幅広いシーンの撮影に対応できる。

とくに広角カメラは、周囲の明るさに合わせて絞りが切り替わる「デュアルアパチャー」を搭載している。明るい日光下ではF値2.4でシャープな写真を、夜間など暗い場所ではF値1.5で取り込む光量を増やし、ノイズの少ない写真の撮影が可能だ。

デュアルアパチャーはGalaxy S9+とGalaxy S9でも利用できたが、AIによるシーン判別機能をはじめ、超広角撮影やズームなど、さまざまな点でGalaxy S10+、Galaxy S10は大幅に向上している。

  レンズが光を取り込む量を自動で調整。左の明るい場所ではF値2.4に、右の暗い場所ではF値1.5に自動で切り替わり、撮影できる。

もちろん、写真撮影では構図も重要なポイントになるが、Galaxy S10+とGalaxy S10はそこもカバーする。プロの写真家が活用している撮影の基本ルールと1億枚以上の写真を分析した機械学習により、撮影しているシーンに最適な構図を判断し、そのガイドを表示することで撮影をサポートしてくれる。

これらの機能はGalaxy S10+とGalaxy S10共通だが、Galaxy S10+はサブカメラがデュアルカメラになっている。このGalaxy S10+だけに搭載されているRGB深度カメラで正確に被写体と背景の位置を計測し、自然なぼかしを実現することができる。

 

Galaxy A30も背面カメラはデュアル仕様だ。超広角レンズはGalaxy S10+、Galaxy S10と同様、人の視野角に近い約123°で撮影が可能。また、AIによるシーン判定や、写真の手ブレ、目が閉じているなどを検知して通知する撮り直しアラートなどの機能も搭載している。

Galaxy S10+、Galaxy S10はスマホ最高レベルのプロセッサを搭載

Galaxy S10+とGalaxy S10は、現時点でスマホ用としては最高レベルとなるプロセッサ「Snapdragon 855(スナップドラゴン855)」を搭載。Galaxy S9+とGalaxy S9に搭載された「Snapdragon 845」もいまでも十分に高性能だが、そのGalaxy S9と比較してもCPUの処理速度が最大29%、グラフィックのパフォーマンスも37%向上している。

Snapdragon 855

Galaxy A30には「Exynos 7904(エクシノス 7904)」が搭載され、Galaxy S10+とGalaxy S10には劣るものの、サクサク動く処理能力といえる。

Galaxy S10+、Galaxy S10はメモリ、ストレージが倍増

ディスプレイ表示が美しく、処理能力が高いといっても、アプリや動画を大量に入れればやがて容量不足になってしまう。その点、Galaxy S10+とGalaxy S10は、Galaxy S9+、Galaxy S9、Galaxy S8+、Galaxy S8の倍となる128GBのストレージを搭載。最大512GBの外部ストレージにも対応している。

さらに、メモリもGalaxy S10+とGalaxy S10ともに8GBになり、Galaxy S9の4GBから倍増。

Galaxy A30もミドルクラスとはいえ、Galaxy S9と同じ64GBのストレージと4GBのメモリを搭載している。

Galaxy S10+、Galaxy S10はバッテリーを分けあえる

Galaxy S10+とGalaxy S10にはワイヤレスでほかのデバイスを充電できる「Wireless PowerShare(ワイヤレスパワーシェア)」機能が備わっている。

Wireless PowerShare

たとえば旅先で同行者のバッテリーが切れそうな場合など、スマホ同士を重ねれば簡単にバッテリーを分けあえるほか、充電ケーブルで自身のGalaxy S10+を充電しながらほかのデバイスをワイヤレス充電するような使い方も可能だ。

さらに、ワイヤレス充電規格のQiに対応していれば、スマホに限らず充電することができる。Galaxyブランドのワイヤレスイヤフォン「Galaxy Bud」やスマートウォッチ「Galaxy Watch」なども充電できるので、それらの充電器を持ち歩く必要がなくなる。

防水防塵、おサイフケータイ、ハイレゾ対応は各モデル共通

最後に各モデルの共通仕様を確認しよう。

まず、「おサイフケータイ」は各機種とも利用可能。防水防塵性能も高く、IPX5/IPX8・IP6X当で共通している。また、ハイレゾ再生対応は共通で、Galaxy S8+とGalaxy S8を除く5モデルはDolby Atmosに対応している。ただし、Galaxy A30はDolby Atmosはイヤホン利用時のみとなる。

また、Galaxy A30のみワイヤレス充電とワンセグ/フルセグには非対応となるが、それ以外の6モデルはいずれも対応している。

加えて、Galaxy S10+とGalaxy S10のワイヤレス充電は「Fast Wireless Charging 2.0」に対応しており、純正の「Wireless Charger Duo」や「Wireless Charger Pad」を利用すると、Galaxy S9よりも最大27~36%高速に充電を行うことができる。

※充電時間は機種によって異なります(Galaxy S10 / S10+)。Wireless Charger Duo PadでGalaxy S10 / S10+のみ高速充電できます。別売り。実際の充電速度は、実際の使用方法、充電条件、その他の要因によっても異なります。

Galaxy S10+、Galaxy S10はGalaxy史上最高性能

Galaxy S9+とGalaxy S9も、まだ十分に現役で通用するハイスペックを誇っている。Galaxy S9+とGalaxy S9はデュアルアパチャーにも対応しており、カメラ性能でも引けを取らないため、Galaxy S8+やGalaxy S8からの買い替えの選択肢に入れるのもいいだろう。

とはいえ、Galaxy S10+とGalaxy S10は、Androidスマホとしては現状考えうる最高スペックを詰め込んだといっても過言ではないほどに高性能となっている。特徴的なディスプレイやトリプルカメラ、Wireless PowerShareなどに魅力を感じる場合は、ぜひ検討してほしい。また、Galaxy A30も大画面で動画を長時間楽しみたい人にはおすすめできる。

文:山本竜也

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