2019/01/31
タフネススマホ『TORQUE』は本当にタフか? マイナス20℃のアラスカで使い倒す
アラスカという場所がある。アメリカ合衆国最北端にある州だ。途中にカナダを挟んでいるので、かなり最北。短い夏が終わると気温がマイナスすぎる冬に突入する。そして、そんなアラスカに現れるのが「オーロラ」だ。
オーロラ、ぜひ見たい。ただ気温はマイナス20~30℃の世界。ちょっと考えられない寒さだ。特にこれを書いている私は九州出身なので、マイナスの気温にビビる。ただ、それはスマホも一緒。そんな場所に耐えられるタフなスマホを持って、オーロラを撮影しに行きたいと思う。
寒いと動かない?
オーロラを見てみたいと常々思っていた。日本でも低緯度オーロラというものを、ごくまれに、すごくすごくまれに見ることができるのだけれど、街中でパンダとすれ違うような、奇跡に近い確率でしかない。
そこで私はアラスカにオーロラを見に行くことにした。真冬の時期に行くので、オーロラが現れる可能性は高いけれど、逆に気温は驚くほど低い。しかも、クルマで片道600km走る必要もある。心配だな……と思っているところに、呼び出しがかかった。
KDDIに行くと「アラスカに行かれると聞いたのですが……」、とKDDIの半谷麻理さんが話し出す。急にクライアントに呼び出されて良い話だったためしがない。そういえば、23歳の頃に会社で偉い人に呼び出されて「クビ」って言われたことあったな、と走馬灯のように思い出された。
auに「TORQUE G03」というスマホがあり、タフさを確かめてきてほしい、という話だった。よかった、悪い話じゃなかった。悪い話ではないけど、半谷さんは続けた。
半谷「最低でも1時間は外でオーロラを待ってほしいです」
地主「マイナス何十℃とかですよ!」
半谷「TORQUE G03なら大丈夫ですから!」
地主「人、ひーと! TORQUE G03じゃなくて人の問題! 凍えちゃうから!」
半谷「TORQUE G03なら大丈夫ですから!」
地主「もうアラスカにいるのかな? 日本語が通じてない!」
半谷「あと、水中の写真も撮ってほしいです」
地主「聞いて、聞いて! マイナス何十℃とかですよ!」
半谷「アラスカはゴールドラッシュがあった街なので、金があるかもしれないですからね、地主さんの旅費の足しになるかもしれません」
地主「マイナス何十℃とかなんですよ、水中に手を突っ込むとかヤバくないですか?」
半谷「TORQUE G03は大丈夫ですよ!」
地主「人、ひーと! 私が大丈夫じゃないの!」
半谷「安心してください! TORQUE G03は手袋をつけたままでも操作できるので、寒くても大丈夫なんですよ!」
地主「水中に手袋のまま手を突っ込んだら濡れて寒いですよね?」
半谷「そりゃそうですよ、そのときは手袋はずしてください!」
地主「じゃ、寒いじゃないですか!」
半谷「あと、可能ならオーロラが出現したらTORQUE G03で撮影してください」
地主「可能ならそれはやりますが、なんか全体的に心配!」
半谷「ケガとかはないように!」
地主「「au海外旅行ほけん」は入りますけど」
半谷「じゃ、安心だ!」
地主「全体的に不安だよ!」
アラスカの寒さとか
不安が多い状態で「TORQUE G03」を持ってアラスカへと旅立つことにした。空港で「au海外旅行ほけん」に入った。スマホですぐに入ることができる。auを使ってない人でも入れるので、これ絶対に入ったほうがいいよ、マジで! 去年、メキシコでこの保険がなかったら死んでいたという経験があるので、絶対に入ったほうがいいよ!
到着したアラスカはいきなり寒かった。いわゆる普通のスマホでも作動するけれど、寒すぎると動作保証外になることもある。ただ「TORQUE G03」は温度耐久に優れていて、寒すぎても暑すぎても作動するのだ。
海外でスマホを使う場合、Wi-Fiをレンタルしたり、海外SIMを使う人もいるだろう。でも、Wi-Fiレンタルは飛行機の移動日にもレンタル料が発生するし、海外SIMは設定があったりする。この「世界データ定額」は、24時間単位で日本にいるときの契約で使うことができる。これも便利です、マジで!
飛行機で到着したのはアラスカのアンカレッジという場所で、よりオーロラを見ることができるのはフェアバンクスという街。600kmほど離れているので、レンタカーで移動する(トータルで1,700kmほど走った)。ここでGoogle マップを使う。カーナビもあるんだけど、英語でよくわかんなかったから。
Google マップを使っているけれど、350マイル先を右という表示だったので、もはやGoogle マップいらないんじゃね? となった。約564km先だ。デナリ国立公園など、基本的に自然でいっぱいなところを走り、たまに寄り道をした。
自然が大きい。そして、寒い。とても寒い。マイナス20℃とかだもん。数字どおり寒い。ただ楽しい。景色は真っ白で美しい。最高に楽しい。寒すぎて面白くなっているのと、自然が雄大で楽しいのだ。アラスカ、最高じゃないか。楽しすぎる。順調なドライブにオーロラへの期待も膨らむ。なんかあっさり見られそうだぞ、これ。
TORQUE G03の安心感
事件は起きる。あんなに楽しかったのに、事件は起きるのだ。順調な海外旅行があったためしがない。フェアバンクスに向けて順調に走っていたつもりだったけれど、やはり、事件は起きてしまった。クルマがパンクした。フェアバンクスまであと100kmという、なんにもない場所で。
このときTORQUE G03でよかった、と本気で思った。普通のスマホだったら、寒さなどで動かないなどの可能性もあるのだ。もしここで電話できなかったら、この旅は最悪の結果になっていた。日本では最近のクルマはスペアタイヤがないので、今回のクルマにもないと思っていたのだ。
電話で「アイハブトラボー」と話すと、スペアタイヤがあるからそれに変えて、フェアバンクスで修理屋に行け、と言われた。スペアタイヤに変えるのもパニックだけれど、やさしい地元の人が助けてくれた。TORQUE G03で翻訳しながら一緒に直す。スマホがもし壊れていたら、と思うとゾッとした。本気で終わったと思ったから。
寒さに強いTORQUE G03
いろいろあったけれど、なんとかフェアバンクスに到着した。いよいよ待ちに待ったオーロラだ。理論上、オーロラは昼間も出ているのだけれど、明るいと見ることができないので、夜頑張って起きて、オーロラの出現を待つことになる。
ただオーロラにも強さのレベルがあって、弱いと当然見ることは難しい。またオーロラは足が速い。見えた、と思ってもすぐに見られなくなってしまうことも多い。日が沈んですぐ出たり、今日は出ないと思って寝ると夜明け前に出たりする。つまり夜中起きて、オーロラを待たなければならないのだ。オーロラは気まぐれだ。
もちろん街の光が入るとダメなので、なるたけ暗い場所に行く。夜のアラスカはますます寒い、ということはなく、1日中ずっと同じような温度で寒い。そもそも冬は日の出が11時で、日の入りが15時とかなのだ。明るい時間がとにかく短い。
「My Aurora Forecast & Alerts」というアプリで、オーロラの帯が今どのあたりにあるのかを知ることができる。これを見ながら、空とにらめっこするというのが、オーロラ観察ということになる。問題は、クソほど寒いなか、ということだ。
TORQUE G03の素晴らしい点は「グローブタッチ」である。めちゃくちゃ分厚い手袋をしていても、スマホタッチできる手袋でなくても、設定で操作できるようになるのだ。この極寒で手袋を外すのは命取り。TORQUE G03がオーロラより輝いて見えた。
フェアバンクスに行くと簡単にオーロラを見ることができると思っていた。でも、そんなことは全然なくて、まったく出ない。マイナス何十℃という世界でひたすら待った。半谷さんは「1時間は外でオーロラが出るのを待ってほしい」と言っていたが、自動的にそうなった。
本当はもっと待ちたいけれど、限界がやってきた、私の。TORQUE G03は寒くても元気で、使用状況で変わるので一概にはいえないけれど、この寒いなかなのに電池の持ちもよい。ただ、私の人間としての電池は切れた。寒すぎてヒトの限界がやってくるのだ。TORQUE G03は優秀。
オーロラは引き続き出ません
ここからが地獄だったのでダイジェストで。とにかくオーロラが出ない。全然出ない。アプリで確認するとオーロラの帯はフェアバンクスにやってきているけれど、強さレベルが低くて、目視はできない。そんな日が6日ほど続いた。
クルマで5時間とか待つのだけれど、全然オーロラは出なかった。たまに外に出て確認するけれど、全然出ない。こんな生活が6日続いたのだ。クルマでTORQUE G03をいじり続けたけれど、やがて暗くなってきた、私が。オーロラは出ないし、ずっと夜だしで、私が暗くなったのだ。TORQUE G03は元気だけど。
TORQUE G03で上記の写真を撮ったのだけれど、よく見ると向かって左のタイヤが細いのがわかると思う。パンクしてスペアタイヤにしたからだ。雪道ではかなり危険。この心配を取り除きたくて、電話で教えてもらった修理工場に行ったりもした。
私は英語が話せないので、TORQUE G03で調べたり、写真を見せたりして、コミュニケーションを取っている。もしスマホがなかったら、なんにもできない。過酷な環境に行くなら、TORQUE G03の安心感ったらない。耐衝撃や耐荷重にも強い。壊れない安心感がすごい。タイヤが壊れないのがいちばんよかったけどね。
アラスカはゴールドラッシュで栄えた場所だ。もしかすると今も砂金が眠っているかもしれない、川底に。川の中の様子が知りたい。半谷さんも言っていた。「水中の写真を撮ってほしい」と。オーロラがなくても、砂金があれば問題ないもんね。
カメラはモードを選べるのだけれど、そこに水中モードがあるので、それで撮影した。ただ水は冷たいを通り越して痛かった。カメラを水中から出すと手の感覚がもはやなくて、持っていられなくて落とした。でも、防水だし耐衝撃だし、TORQUE G03は大丈夫。私はダメだけど。
砂金なんてない。あるのは寒さを通り越した痛さだけだ。もっといろいろな場所で撮ろうと思ったけれど、ちょっと本気で手がヤバくてやめた。TORQUE G03のタフさの問題ではなく、私の問題。TORQUE G03ほど私はタフではないのだ。すぐ風邪引くタイプなのだ。
ずっと部屋にいると暗い気持ちになるし、朝から寝て日暮れ前くらいから、博物館に出かけたりもした。オーロラだけがアラスカではないのだ。グリズリーもまたアラスカだ。めちゃくちゃデカい熊だ。
TORQUE G03の素晴らしいところは、ボタンひとつで「135°スーパーワイドアクションカメラ」に切り替えることができる点。つまり、広角になるのだ。一眼カメラの広角レンズとか実は高いので、ボタンひとつで切り替えられるのはすごい。同じ位置から撮影しても広い絵が撮れるのだ。
さぁ、オーロラです
結局自力で6日がんばって、オーロラ撮影はかなわなかったので、オーロラ観察の現地ツアーに参加した。ガイドさんがいると、より見ることのできる可能性が高くなるのだ、きっと。ということで、いよいよオーロラだ。
ツアーに参加したからと言って、すぐに見られるわけではない。より街の光が届かない、さらに空を遮るものがない開かれた場所で、オーロラを待つことになる。TORQUE G03でネットサーフィンをしながら待った。そして、いよいよそのときはやってきた。
美しい、美しすぎる。シャッタースピードが15秒とか30秒とかで、かなり高感度で撮影している。三脚に設置して一眼で撮る感じだ。かなりの技術を要する。オーロラ撮影は難しいのだ。いちおう、TORQUE G03でも撮影してみた。
TORQUE G03というか、スマホの限界。ガイドさんもスマホでは難しいと言っていた。ああ見えてオーロラの光は弱く、しかも動き続けているので、かなり難しいのだ。これだけ写っただけでも、実はすごいのではないかと思う。
あとはラクです!
オーロラは8時間ほど観察したけれど、強いものはほんの数分だけだった。ただ、その数分の感動はすべての苦労を忘れさせるものだった。タイヤのパンクも、私が暗くなったことも、水に手を入れたことも。しかし、安心するのはまだ早い。
寒い場所から暖かい部屋へと電子機器を持ち込むと、結露で壊れるのだ。そのためにビニール袋に乾燥剤を入れて、そこに電子機器を入れて部屋に持ち込む。これを毎回やるので、かなりめんどい。ちょっと外に出るたびに毎回これをやる必要があるのだ。じゃないと気温差の結露で壊れるから。
TORQUE G03はそこまで気にしなくてもいい。これがかなりラクだった。TORQUE G03のタフさのおかげだ。すべての電子機器をTORQUE G03みたいにしてほしい。じゃないと電子機器は壊れるから。やはり極地に行くのは大変なことなのだ。
タフ=安心感
海外に行くとなにが起こるかわからない。ただ、現代は便利でだいたいスマホで解決する。逆にそのスマホが壊れるとだいたい解決しない。そんなときにTORQUE G03のタフさは安心感につながる。基本的に壊れにくいので、挑戦的な活動もできるからだ。また、私は「au海外旅行ほけん」に入っているので、最悪壊れたらそれで修理。ダブルの安心感はかなり心強いと思う。
文:地主恵亮
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