2018/10/22
スタンダップコメディってどう楽しめばいいの?カナダ人に聞いてみた
そんな人は多いんじゃないだろうか。ピンと来ない方が多数だろう。僕も全く知らなかった。
「簡単に説明しますね!」と説明を受けたところ、「外国人が1人で喋って、客席がドッカンドッカン笑うやつです!」って言われた。本当に簡単な説明だった。
日本ではあまりアレだが、海外では結構流行っているお笑いのようなものらしい。西洋漫談とも呼ばれ、外人がマイク一本で、自分の話術のみで笑いを取るものらしい。
百聞は一見にしかずということで、実際にNETFLIXという動画配信サービスで観せてもらうことになった。
NETFLIXは大手の動画配信サービスで、多様なコンテンツが配信されており、スタンダップコメディも人気ジャンルの1つとのことだった。
2018年度はコンテンツ配信の予算に80億ドルもかけるというインタビューがニュースにもなった。多くはライセンス料などになるのだろうが、オリジナル番組の制作にも力を入れており、その評価も高い。
というわけでNETFLIX独占配信されているオリジナルのスタンダップコメディを観せていただいた。「ディミトリ・マーティンの考えすぎる人」だ。なんでも細かい一言ネタを畳み掛ける芸風らしい。
さあ楽しむぞ!
>>「ディミトリ・マーティンの考えすぎる人」の詳細はこちらから<<
僕は何を観せられているんだろう。
しばらく観ていたが、日本語の字幕があるのに何言ってるのかわからないことがとても多い。
オーディエンスの外人たちは1つ発言するたびにドッカンドッカン大爆笑している。僕は一度も笑ってない。どういう気持ちで見ればいいのかわからない。
楽しみたい……わかりやすい話とか来い……!
ダメだ。楽しみ方がわからない。
30分ほど我慢して観ていたが無理だった。おそらく色んなネタを言っているんだけど、その意味が理解できない。
英語のジョークを無理やり日本語にしているからなのか、文化の違いなのか。
こうなれば呼ぶしかない。この冗談の楽しみ方を知っている人を。
外国人と観てみよう
ジョーダン様「こんにちは! よろしくおねがいします!」
こちらはカナダ人のジョーダンさん。本当にジョーダンさんって名前です。
今からジョーダンさんと一緒にこの番組を見て、客席の人たちのようにドッカンドッカン笑うコツを聞くのだ。
コーラやポップコーンも用意して気合は充分。ちなみにジョーダンさんは帰国するたび、スケジュールが合えばスタンダップコメディを見に行くほどの大ファン。今のところそのモチベーションが全然わからないぞ。
知らない英単語
デミトリマーティンさん「アラスカの首都(キャピタル)は"A"」
ジョーダン様「HAHAHAHA!!!」
マキヤくん「!?」
ジョーダン様「おもしろいねえ!」
マキヤくん「説明を……お願いします……」
ジョーダン様「capitalには"首都"のほかに、"頭文字"って意味もあるからね」
なるほど! 言葉遊びネタの英語バージョンか!
これは結構英語詳しくないとわからないかも……?
デミトリマーティンさん「パーカーを着た運転手を見た。そして車はコンバーチブル」
デミトリマーティンさん「車も服もコンバーチブル」
マキヤくん「……?」
ジョーダン様「ああ!convertibleってのは、屋根付きにもオープンカーにもなるやつだよ。その動きがフードを着脱に似てるから重ねてるんだ」
車も服も着脱可能ってことか、なるほど。
言葉遊びは面白い。僕が英検4級で止まってなければもっと楽しめたのかもしれない。
文化の違い
デミトリマーティンさん「誰かの誕生日でロウソクを吹き消すとき、自分も一瞬のスキをついて、一緒に願い事するんだ」
デミトリマーティンさん「チャンスは一瞬。活用しないともったいない」
マキヤくん「これは……?」
ジョーダン様「誕生日でロウソクの火を吹き消すときの願い事、日本でもやるだろ?」
マキヤくん「いや、やらないですね…」
ジョーダン様「え、そうなんだ。で、ケーキの近くにいて当事者の人と一緒に自分も願い事をすれば、おこぼれで叶えてもらえるかも、みたいなやつだね」
マキヤくん「へ〜〜。火は吹き消すけど、願い事をするのは聞いたこと無いですね。日本では文化を表面だけなぞってそれが定着したのかもしれません」
ジョーダン様「すごいこと言うね」
デミトリマーティンさん「ニュージャージー州は州外からも臭う」
マキヤくん「ニュージャージー州、そんなに臭いんですか?」
ジョーダン様「アメリカ人はニュージャージー州にダサいイメージを持ってるんだ。日本人が埼玉のことをダサイタマとか言う感じに近いかな」
マキヤくん「アメリカでも日本と同じように田舎いじりするんだな」
*****
デミトリマーティンさん「哺乳瓶を紙袋に入れたら面白そうだね。酒瓶みたいに」
ジョーダン様「HAHAHA!」
マキヤくん「???」
ジョーダン様「アメリカは日本みたいに外で酒を飲んじゃいけないんだ。州にもよるけど没収されたり罰金されてしまうから、紙袋で隠す人が多くてね」
マキヤくん「確かに酒瓶を紙袋に入れて飲んでるシーン、うっすら見たことあるかも」
ジョーダン様「赤ちゃんは泣きわめいたりヨチヨチ歩いたり吐いたりするから、酔っぱらいと似てるところはあるしね」
*****
デミトリマーティンさん「好きな祝日はハロウィン。だって…」
デミトリマーティンさん「家族と祝わなくていい」
客席 \ドッッッッ/
マキヤくん「……基本的に記念日は家族で祝うんですか?」
ジョーダン様「そうだね!クリスマス、新年、サンクスギビングとかのホリデーは基本的に家族で祝うものなんだ。でもハロウィンだけは高校生くらいからは友達とパーティーするんだよね」
少しずつわかってきた。
文化を知っていれば楽しめそうだし、これで文化をちょっとずつ知っていけるのも楽しい。もっと文化ギャグ来てほしいと思ってしまう。
共通する文化
デミトリマーティンさん「水曜日(Wednesday)は誤植」
マキヤくん「これは……?」
ジョーダン様「Wednesdayって絶対、ウェンズデーって読まなくない?」
マキヤくん「僕も中学生の時そう思いました……アメリカでも同じ悩みを持っているんですね」
*****
デミトリマーティンさん「ポニーテールにするだけで……」
デミトリマーティンさん「男は信用を失える」
ジョーダン様「これはみんなが思っているけど話さないことだね。ポニーテールのビジネスマン、うさんくさいでしょ?」
マキヤくん「心からは信用できないですね」
普通に面白くなってきた。
すぐに解説してくれるからっていうのも当然あるのだけど、初めて知ることだったり、共通する文化があったりと、だいぶ楽しい。
そしてその時
デミトリマーティンさん「この間キッチンでラップの箱を読んでた」
デミトリマーティンさん「そしたらそこに“1947年から信頼の品質”って書いてたんだ」
デミトリマーティンさん「意味深だな、と思った。暗い過去を想像させるよね」
デミトリマーティンさん「創業は1937年」
ジョーダン様「ハハハハハハハハ!!」
ジョーダン様「その10年間はどうなってたんだよ〜〜〜!」
つまりこういうこと。「1947年から信頼の品質」と書いてあるだけで、いつ創業したかは書いてない。だからもし創業した年が1947年より前の1937年だったら、その10年間はひどいものだったんじゃないか?…という妄想。
その一文でそんなこと考えるか!?と思ったが、このスタンダップコメディのタイトルは「ディミトリ・マーティンの"考えすぎる人"」。普通の人が思いつかないようなことに考えを巡らせて笑いに昇華する彼の持ち味が活かされたネタだった。
これはわかりやすかったしクスリともした。でもこんなにカメラがぶれるくらい爆笑は出来ない気がする。どうしてそんなに笑えるのだろうか。
ジョーダン様「笑ったほうが楽しいからね。でも生で見るのと映像で見るのはだいぶ違う。会場にいくとその空気感でもっと爆笑だよ!」
今、この場の空気感は別によくない。ジョーダンさんからしたら、隣の日本人が不思議そうな顔でいちいち映像を止めてくるわけだから。それでも爆笑している。
このまま終わってしまうとジョーダンさんにも申し訳ない。説明を都度受けて、「文化が違う」事を理解したうえで楽しむものだとわかった。
大体のものがそうだが、「楽しもう」というスイッチが入ればとても楽しい。今日爆笑しなければきっと僕は一生スタンダップコメディで笑わない気がする。
しかしわからないネタでは笑えない。
何かシンプルな……攻撃力の高いネタを……
デミトリマーティンさん「************(記事に書いたら絶対炎上するネタ)」
デミトリマーティンさん「************(書いたらいろんな方向から怒られてこの記事を載せたメディアが閉鎖するであろうネタ)」
デミトリマーティンさん「************(めちゃくちゃモラルの無い一言)」
めちゃくちゃ笑ってしまった。
こんな直接的な表現を刺してくるとは。
画面の近くでいろいろ説明をしてくれて、なぜかそのままハンモックから動かなくなってしまったジョーダンさん。
ジョーダン様「スタンダップコメディは、いじっちゃいけないネタが多くてね、それを楽しみたいって人も多いんだ」
マキヤくん「いじっちゃいけないとこいじるのはどこでも面白いですね。こちらに戻ってきてください」
おわり
初めて観たとき「なんだこれ」と思ったが、「違う国の笑い」ということを理解し、楽しもうとすることでだいぶ楽しむことができた。
漫談、一言ネタ、フリップ、歌ネタ……など、表現も多岐に渡り、普通にお笑い番組を見るように楽しめた。
>>「ディミトリ・マーティンの考えすぎる人」の詳細はこちらから<<
演者によっていろんなスタイルがある。NETFLIXでは様々なスタンダップコメディを配信しているので、好みの演者を見つけてみるのも楽しいと思う。文化を知れて笑えるなんて良い……。
>>auフラットプラン25 NETFLIXパックの詳細はこちらから<<
最後に、今回学んだスタンダップコメディを最高に楽しむ方法をご紹介しよう。
(おわり)
※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。