2018/08/03

『Windows 95』から『5G』まで ネット回線の進化とコンテンツの歴史を振り返る

こんにちは。ヨッピーです。

こんにちは。ヨッピーです。
スマホを使っている人なら「3G」とか「4G」っていう言葉は聞いたことがありますよね。

ここ3Gしか入らないからネットがめっちゃ遅いわ~~!」とかそんなの。

「3G」「4G」の「G」という文字は「Generation」、つまりは「世代」という意味でして、3Gは第3世代、4Gは第4世代のモバイル通信規格を指します。

【3G】
第3世代のモバイル通信規格。通信速度は秒間384kbps~14Mbps程度。「第3世代」というからには「初代(アナログ方式)」「第2世代(デジタル方式)」よりめちゃくちゃ早いんだけど、現在主流になった4Gに比べると遅いので、「3G回線か……」って残念がられる可哀想な存在

【4G】
現在主流の第4世代モバイル通信規格。通信速度が秒間100Mbpsクラスと、3Gに比べて格段に速くなり、イケイケで完全に調子こいてる感じの存在。ただし、2020年から開始される「5G」の通信規格がスタートすると、そのうち「4G、遅いわ~!」と評価が変わるかもしれない。

【5G】
2020年からサービス開始予定の最先端通信規格。この「TIME&SPACE」の運営元であるKDDIもサービス開始に向けて急ピッチで準備を進めているらしい。5Gで未来はどう変わる!?

要するに「技術の進化でネット回線が早くなった」ということなのですが、今日はその、「ネット回線が早くなる」ことによってどういう変化が現れたのか、日本のインターネット回線の進化とともに、当時の思い出を振り返ってみたいと思います!

本日の座談会に集まった4人

じゃん! 普通の居酒屋です!
さあ、そんなわけで本日の座談会には4人のオッサンたちが集まりました。オッサンばかり集めたのは、当時のインターネットに詳しいのはだいたいオッサンだからです。絵ヅラが汚くて大変申し訳ありません

【出場選手紹介】

参加者1人目:ゴトウさん

参加者1人目:ゴトウさん
古参テキストサイト「一流ホームページ」の管理人。
インターネットを始めたのは1999年から。
以後アニメ、漫画、ゲームなどオタクコンテンツにどっぷり浸かる。今回の意気込みを聞くと「モテるためにインターネットを始めたのに一切モテなかった。『インターネットでモテる!』は全部詐欺だから世間に広く訴えたい」だそうです。

参加者2人目:TAKEXさん

参加者2人目:TAKEXさん
同じく古参テキストサイトの元管理人。
インターネットを始めたのは1997年から。
アイドルオタクで、アイドルのイベントにうれしそうに参加しているところがよくテレビで放映されるので「何百人も参加してるイベントなのに、なんでいつも俺だけがテレビで流れるんだよ」と激怒している。

参加者3人目:patoさん

参加者3人目:patoさん
古参テキストサイト「Numeri」の管理人。
インターネットを始めたのは1994年から。
最近はライターとしても活躍中。「廃線になった三江線を記録するために125km歩いた記事」「青春18きっぷで5日間かけて日本を縦断した記事」などは、「完全に異常」「常軌を逸してる」と大きな話題になった。

参加者4人目:ヨッピー(筆者)

参加者4人目:ヨッピー(筆者)
元テキストサイト管理人。
商社でのサラリーマンを経て、現在はフリーのライター。
インターネットを始めたのは1999年から。「懐古厨と言われようが、当時のインターネットが大好きなので頑張ります」とのことです。

【!注意!】
今回の記事はあくまで「4人のおっさんから見たインターネットの話」であり、多分に主観にまみれております。インターネット史はユーザーそれぞれにとって存在するのが正しく、今回は数多くあるインターネットの歴史のうちのひとつ、という捉え方をしていただけると幸いです。


【座談会スタート】

座談会がスタート

【1995年以前】

ヨッピー「さあ、そんなわけでインターネットの歴史を振り返る座談会なんですが、どの地点からスタートさせるかっていう問題があるので、とりあえず「windows 95」と「テレホーダイ」が始まった1995年からスタートさせようと思います。ただ、僕が家からネットにつないだのは1999年からなんで、僕この時代のことはよくわかんないんですよ。このなかでもやってたのはpatoさんくらいかな? ダイヤルアップでつないでピーヒョロヒョロってやつですよね。」

patoさん「そうそう。親父が会社やってたから「おやじ! もうこれからはパソコンの時代だから! パソコンがあれば経理もできるし、図面だってひけるよ! パソコン買わなきゃ時代に取り残されるぞ! 倒産だ倒産!」とか適当に言いまくって買わせたのが最初。CanBeってNECのやつ。1994年かな?」

ヨッピー「それって初代ですよね? えーと、スペックを調べてみると……。

CPU:33MHz
メモリ:8MB
HDD:210MB

ですって。今の感覚からすると笑っちゃうくらいショボいけど、これでも20万円くらいしたんですよね、当時は。」

TAKEXさん「メモリ8MBかぁ。今の時代だと下手すると画像1枚すら表示できないレベル。」

patoさん「そうなんだよ。流石に中高生が買える値段じゃないから、当時の子供たちは親をなんとかして騙すしかパソコンを手に入れる手段がないんだよ。今じゃ5万円出せば買えるもんね。」

ヨッピー「あーわかる。僕もそうでしたよ。僕が最初にパソコン買ったのは1996年、16歳のときで、NECのPC-9821V16ってやつ。親に「これからはデジタルの時代だよ。この世はすべて0と1で構成されるんだ。パソコンさえあれば全部ちょちょいのちょいだよ」とかよくわかんないことを言いながら買ってもらったんで。実際は友達が持ってた大人のゲームを家でやりたかった、っていうただそれだけなんですけど。それさえできれば満足だったからネットにはつないでなかった。」

patoさん「まあそうだよね。「エロスの探求」がいちばんのモチベーションだったもんな。ネットの進化は全部エロスのおかげって言っても過言ではない。」

ゴトウさん「いや、過言でしょ。通信会社の人に殴られますよ。」

ヨッピー「でね、家にパソコンがきて「わーい! これで家でできるぞ!」って思って友達に大人のゲームを借りたんですよ。当時はゆるい時代だったから、まあ16歳でも大阪の日本橋に行けば普通に買えたんで、「亜希子」とかそんな名前のやつ。それで喜び勇んでパソコンにフロッピーディスクをセットするんですけど、ファミコンみたいにカセット入れたらいきなり始まるもんだと思ってたのに、パソコンのゲームってインストールしなきゃいけないじゃないですか。まったく意味がわからないから適当に全部「YES」「YES」って入力してたんですけど、その勢いで、

ディスクをフォーマットしますか? Y/N

みたいなやつに「Y」って入れちゃったんですよね。」

ゴトウさん「うわーーー! それ完全にデータを消去してるじゃん!」

ヨッピー「そうなんですよ! でも、こっちはそんなのわかんないじゃないですか! あとからその意味に気づいて「やべえ!」ってなったんですけど、結局貸してくれた友達に「なんかこれ、壊れてたで?」とかウソついたら「あ、ほんまやな。データ消えてるわ。なんでやろ……」とかブツブツ言いながら別のゲームを貸してくれました。O君ごめんな。「亜希子」のデータを全消去したのは僕です。」

patoさん「とんでもない野郎だな。高校生っていう多感な時期のエロコンテンツは貴重なんだから、極刑に処されても文句言えない。」

TAKEXさん「当時のゲームって、たしかにフロッピーでしたね。容量が全然足りなくてひとつのゲームやるのに20枚くらいフロッピー使って、場面が変わるたびにディスクを入れ替えなきゃいけなかったりして、めちゃくちゃ面倒臭かった。」

ゴトウさん「そうそう! ディスクによって「ディスクLはこの子のデータ」「ディスクHはこの子のデータ」って登場する女の子が決まってるから、「ディスクGを入れてください」って表示されたときに「なんだよ! 俺はLの女の子狙ってんのに、またGかよ!」ってなってた。」

patoさん「そういえば、俺が最初にインターネットにつないだのは友達の家だったんだけど、友達がパソコン持ってて、俺が「これでエロいページ見に行こうぜ」って言ったら「モデムがないからつなげない」って言うもんだから、俺がモデム買ったんだよ。エロいのがどうしても見たくて。」

ゴトウさん「パソコンも持ってないのに!? バカじゃないの!?」

patoさん「そう、それで俺が買ったモデムを友達の家に持って行ったんだけど、今度はクレジットカードがないとつなげないってなって。」

TAKEXさん「ああ、プロバイダと契約しなきゃいけないから。」

patoさん「そう! それで「せっかくモデム買ったのに意味ねえじゃねぇか」ってなったんだけど、次の日に友達が「親のクレジットカードをなんとか手に入れたよ」「でかした!」って。」

ゴトウさん「嫌な子供だな~~~。」

patoさん「それでなんとかインターネットにつなぐことに成功して。これは昔、日記にも書いたんだけど、変な掲示板で、「下着をあげます」って女の人の書き込みを見て、友達と一緒にもらいに行ったんだよ。「インターネットすげえ! これが未来だ!」って。原付で隣の市まで行ったら「これ、売ってやるよ」って歯の抜けたおっさんが出てきた。お前、絶対それ嘘だろっていう。友達なんかガクガク震えてたもんね。「インターネットすげえ!」が「インターネット怖ぇ!」にすぐ変わったよ。」

ゴトウさん「結局、つないだインターネットでエロいのは見られたんですか?」

patoさん「結局、そのあと自分でもパソコン買ったんだけど、当時ってPC雑誌の付録にCDが付いてて、そのCDを起動するとニフティサーブ※につながったんだよ。俺もその頃は全然よくわかってなかったから、ニフティサーブを見て「これがインターネットか! 文字ばっかりじゃねえか! エロいのはどこにあるんだ!」って怒ってた。

※ニフティサーブ……ニフティ株式会社が運営していた会員制通信サービス。電子メールや掲示板、フォーラムなどのサービスを提供して最盛期には300万人の会員数を誇った。

TAKEXさん「ニフティサーブ=インターネットだと思ってたんですね。」

patoさん「そうそう。それでとりあえずニフティサーブの掲示板に書き込んだりしてたんだけど、女の子っぽい名前を使ってたから女だと思われて、まわりの人がめちゃくちゃよくしてれるんだよ。なにか質問すると、秒速で20件くらいコメントがつくの。」

ゴトウさん「あ~、当時のインターネットは女性に飢えてましたからね。」

patoさん「そうそう。それでうれしくなって、ずっと女の子の名前でネカマやってたんだよ。あれ、今思い返せば俺が日本初のネカマだったんじゃねえかって。」

爆笑するヨッピーとゴトウ

爆笑。

TAKEXさん「暇だな~~!」

patoさん「でも、それにハマったせいで電話代が月に十何万円とかになって親父に殺されそうになった。それからテレホーダイ※になったんだよ。23時になると一斉にインターネットが重くなるやつ。

※テレホーダイ……1995年にNTTがスタートした電話サービスのオプション。深夜23時から翌朝8時まで予め登録しておいた2つの電話番号への通話が使い放題になるサービス。プロバイダの電話番号を登録しておくことで、インターネットも使い放題になる。このサービスが開始されるまではインターネットにつなげばつないだ時間に応じて電話料金がかかった。

ヨッピー「やべえ、やっとこれでスタートラインか。先が思いやられるな……。」

1995年~1999年 ~テレホ時代~

≪ネット史の大きな出来事≫

【1995年】
・Windows 95の発売
・NTTがテレホーダイのサービス開始

【1996年】
・NTTがネット接続サービス「OCN」の開始
・Yahoo! JAPANがサービス開始

【1997年】
・ゲーム「ウルティマオンライン」が日本発売

【1998年】
・Googleが創業
・Windows 98が発売

居酒屋でインターネットの歴史を語る4人

patoさん「テレホーダイは本当に画期的だったね。電話代の問題はネット民共通の悩みだったから。常時接続が当たり前の今では信じられないけど。」

TAKEXさん「23時になると、みんな一斉にネットつなぐからICQ※が「アッオー! アッオー!」ってうるさかったんですよね。ICQ道場※で日本語パッチを当てるのは必ずみんなが通る道。

※ICQ……「I SEEK YOU」で「ICQ」。メッセンジャーソフト。これをパソコンに入れて知人を登録しておくと、知人がログインした時に通知され、そのままチャットでやりとりができる便利なソフト。今で言うLINEみたいなものかも。
※ICQ道場……ICQの使い方を日本語で解説してくれるサイト。ICQは英語版なので、このICQ道場で日本語化パッチをあて日本語化して使っていた。

ゴトウさん「そうそう。ICQの「アッオー!」とダイヤルアップの「ピーヒョロロ」、あとはWindowsの起動音が青春の音って言っていいと思う。当時はチャットが流行ってたから、「チャット掲示板」みたいなサイトに22時45分に入って待機するの。23時になると回線が混んじゃって入れなくなるから。」

ゴトウさん「Windws95の起動音。懐かしい。」

patoさん「そうやって苦労してつないだチャットの相手が女の子のフリしたおっさんだったりするんだよな。どんな地獄絵図だよ。」

TAKEXさん「当時のネット上には、本当に女性がいませんでしたからね。普通に女性がインターネットやってるだけなのに、みんな男性の信者に囲まれて今で言うオタサーの姫みたいになってた。女性のHPの掲示板なんて、飢えた野郎どもの書き込みがすごかったですよ。」

ゴトウさん「僕は「インターネットなんてエロ目的以外にありえない」と思っていたので、インターネットやってる人は全員スケベだと思ってたんですね。だからネットに女の人が居ると「な、なんてスケベな子なんだ……!」って思ってました。」

ヨッピー「それは飛躍しすぎ。」

TAKEXさん「あとはテレホタイムを使って、友達とファイルの交換とかしてましたね。」

patoさん「あー、あった!」

TAKEXさん「そうそう、ネット回線で動画も落とすんだけど、回線が遅すぎて時間がかかるから、何日もかけて少しづつ落とすんですよ。それに大容量のものはそもそもアップロードできないから、ファイルを何十個も分割してアップするんですよね。それをダウンロードしてこっち側で結合するんですよ。「らるちー」※とかで。

※RarUty(らるちー)……ファイルの圧縮、展開、分割、結合ができるソフト。当時は一度にアップロード可能な容量が限られていたため、大きなファイルはこれを使って分割してアップロードした。

ゴトウさん「おお……!「お礼は3行以上※」とかいう謎のマナーとかもありましたね。

※お礼は3行以上……「掲示板にファイルをアップしてくれた人には3行以上のお礼を言おう」という謎のマナー。「ありがとうございます!」のように、ひと言くらいだと「心がこもってない」と叩かれた。

patoさん「あとはエヴァが流行ってたから、いろんな掲示板でめちゃくちゃ考察されてたね。ゴリゴリのオタクが死ぬほど長文書いてた。」

TAKEXさん「今でもTwitterでアニメの感想を言う文化はあるけど、あれとはまたちょっと違いますよね。」

patoさん「お前、それ大学の論文かよっていうくらいに狂気じみた長文書いてる人がたくさんいましたからね。」

TAKEXさん「あと、当時はGoogleもなかったし、検索エンジンもなかったから、お目当てのサイト探すのが大変だった。」

ゴトウさん「雑誌に書いてあるURLを手でブラウザに打ち込んだりね。」

patoさん「そうそう。ブラウザもIE(インターネット エクスプローラー)じゃなくて、モザイクとかネットスケープだったかな。どうだっけ、時系列的に合ってるかどうか自信ないけど「世界最強の危険リンク集」とか見てたな。とにかく、当時のネット上のコンテンツはチャットとか掲示板とかの文字ベースのものが多かったね。巡回先を登録しておくと、テレホタイムの間に勝手に巡回してダウンロードしてオフラインで表示してくれるツールとかがあって重宝したなぁ。」

ゴトウさん「画像とか載せてると、それだけで「ページが重くなる!」って嫌われる時代でしたからね。今みたいな、ページ開いたらギラギラした広告が死ぬほど表示されて勝手に動画が流れるサイトを当時の人が見たら暴動起こしてたと思う。」

2000年〜2003年 ~常時接続の時代が幕あけ~

≪インターネット史の大きな出来事≫

【1999年】
・iモードがサービス開始
・EZwebがサービス開始
・2ちゃんねるがサービス開始

【2000年】
・フレッツISDNサービス開始
・東京めたりっく通信がADSLサービス開始
・シャープが世界初の内蔵型カメラ付ケータイを発売
・フレッツADSLがサービス開始

【2001年】
・侍魂がブレイク
・「吉野家コピペ」がブレイク
・「ヤプース!」がサービス開始
・2ちゃんねる閉鎖騒動

【2002年】
・CDMA2000(3G)がサービス開始

【2003年】
・はてなダイアリーがサービス開始

ヨッピーとTAKEX

ヨッピー「で、1999年にはiモードとEZwebがサービス開始してますね。当時っていうか、スマホが登場するまでは、パソコンを使ってネットしてた人間からすると、iモードもEZwebも使いにくかったですけどね。重いし、文字数も限られてるし。」

ゴトウさん「でも、出会い系が流行り始めたよね。そこでいろんな問題が起きて「インターネットは危ない!」っていう風潮になった気がする。写メール※が普及し始めたせいで出会い系でも「写メ必須」みたいになって「なんだよ! ネット上でもイケメンが幅をきかせるのか!」ってブチ切れてました。

※写メール……J-PHONE(現在のソフトバンク)が開始した写真付メール送信サービス。後に各社も追随して同様のサービスを展開。「写真をメールで送って」が「写メ送って」で通じるように「写メ」の略称で呼ばれるようになった。

patoさん「あー、あったあった。今でこそインターネットなんて誰でも使うものだけど、この頃はまだ「ネットやってる」って言ったら危険人物みたいな目で見られたよな。「キモいオタクがやるもの」みたいな。まあ、それでだいたい合ってるんだけど。」

ゴトウさん「古参のオタクに殴られますよ。」

ヨッピー「で、フレッツISDN※がサービス開始して、テレホの呪縛から抜けていよいよ常時接続が当たり前になります。僕がネットに参戦したのはここからですね。当時は右も左もわかんないから、お化け屋敷をおそるおそる探検するような感覚でした。怖いから一生懸命、初心者向けのページを見るんですけど、「インターネットやるときは串を刺せ※」みたいなことが書いてあったから律儀に守ったり。

※フレッツISDN……アナログ回線が主流だった当時のネット接続において、デジタル方式を採用した新しい電話回線でのネット接続を可能にするサービス。アナログ回線と違って「通信速度が安定してる」「ネット接続中でも電話ができる」「これまでのアナログ回線に比べれば通信速度が速い」「一日中使い放題」などのメリットがある。
※串を刺す……プロキシサーバーを経由してインターネットに接続することを示す隠語。接続元を偽装することができるので、匿名性が上がる、とされる。

ゴトウさん「「串」ね。あれ、なんの意味があったんだろうね。」

ヨッピー「僕はこの頃、「Diablo 2」「スタークラフト」「ウルティマオンライン」らへんのネットゲームに死ぬほどハマって廃人みたいになってました。」

patoさん「俺はYahoo!チャットだな。今のYahoo!からは想像できないけど、「アダルト」とか「出会い」っていう部屋があって、そういうところにたまに女の子が来るんだよ。そこにめちゃくちゃ入り浸ってた。」

ヨッピー「 patoさん、その頃の話、はてなの増田に書いてましたよね。「Yahoo!チャットって場所があったんだよ」ってやつ」

patoさん「そうそう。あれこそが青春だよ。」

TAKEXさん「嫌な青春だ。」

patoさん「侍魂のブレイクってこの辺かな? 」

ヨッピー「「先行者」の記事が出たのが2001年ですね。」

ゴトウさん「じゃあ、やっぱりこの辺がテキストサイト全盛の頃だ。僕、「ホームページつくったら女性にモテるかな?」と思って始めたのに、いまだに独身です。おかしいな……。」

ヨッピー「この頃から僕もテキストサイト始めたんですが、楽しかったな……。ネット上の友達が一気に増えて、「俺、日本全国に友達がいるんだぜ」って、地元の友達に話したら「なにそれ? キッショ」ってぶった切られて。」

ゴトウさん「「ネットバトル」とかもたくさんありましたよね。あれはなんだったんだろう。」

ヨッピー「「斬鉄剣vs無題」とかね。この頃が2ちゃんねる全盛、テキストサイト全盛、FLASH文化全盛って感じで、古いネット民が「あの頃は楽しかった」って懐かしがるの、このへんの時代のことを指してる人も多いんじゃないかと。」

ゴトウさん「「ゴノレゴ※」とかあったな~~。」

FLASHサイト「ゴノレゴ」

※FLASHサイト「ゴノレゴ」……ゴ〇ゴ13の登場人物に似たキャラクターがセリフをしゃべる。基本的に文字と画像しかなかったネットコンテンツの時代に「動いて、しゃべる」っていうのが画期的だった。今で言うVTuber(バーチャルユーチューバ‐)の先駆けみたいなものかもしれない。

ヨッピー「「吉野家コピペ※」が生まれたのもこの頃ですね。この前「象徴的だな~」と思ったのが、携帯ユーザー向けに吉野家の牛丼無料のキャンペーンがあって、すごい人が並んでたらしく、それを茶化してTwitterに「吉野家コピペ」を投稿した人がいるんですよ。そしたら「牛丼に並んでなにが悪いんですか!」ってめちゃくちゃ叩かれてたんですよね。2001年の当時は爆発的に流行って面白がられたものが、今の時代だと叩かれるんだなっていう。」

ゴトウさん「まあ、良くも悪くもインターネット上のネタに対して不寛容にはなったよね。ふざけたりすることがあんまり許されなくなったというか。きつい下ネタも言えなくなってしまった……。」

TAKEXさん「ゴトウさんの存在意義が問われる」

※吉野家コピペ……テキストサイト「NOTFOUND」を運営する新爆さんが書いた吉野家についての一連のテキスト。以下転載。

==
昨日、近所の吉野家行ったんです。吉野家。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、150円引き、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、150円引き如きで普段来てない吉野家に来てんじゃねーよ、ボケが。
150円だよ、150円。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で吉野家か。おめでてーな。
よーしパパ特盛頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、150円やるからその席空けろと。
吉野家ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
Uの字テーブルの向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、大盛つゆだくで、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、つゆだくなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、つゆだくで、だ。
お前は本当につゆだくを食いたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、つゆだくって言いたいだけちゃうんかと。
吉野家通の俺から言わせてもらえば今、吉野家通の間での最新流行はやっぱり、
ねぎだく、これだね。
大盛りねぎだくギョク。これが通の頼み方。
ねぎだくってのはねぎが多めに入ってる。そん代わり肉が少なめ。これ。
で、それに大盛りギョク(玉子)。これ最強。
しかしこれを頼むと次から店員にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、牛鮭定食でも食ってなさいってこった。
==

この「吉野家」をさまざまな場所・モノに言いかえて文章を改変することがネット上で大流行し、「吉野家」が2ちゃんねるユーザーにとってのソウルフードとも呼べるような扱いをされるようになった。みんなで集まって吉野家を食べて帰る「吉野家オフ会」が全国各地で開催された。ちなみに、作者である新爆さんは今でもTwitterで元気に発信中です。

ヨッピー「ちなみに2000年末にはフレッツADSLがサービス開始して、ISDNが一瞬で廃れましたね。あれはなんだったんだろう。」

TAKEXさん「ADSLのおかげで動画のダウンロードが爆速になってめちゃくちゃはかどりました。」

ゴトウさん「なにがかはどったんだよ。」

TAKEXさん「Yahoo! BBが駅前でモデム配りまくった※からADSLが普及したんだよね。

※Yahoo! BBのモデム配布……ADSL事業に参入したソフトバンクが駅前など人通りが多いところで通行人にYahoo! BBのモデムを無料で配りまくって一気にトップシェアを握るなど加入者を増やしまくった。ただし、加入者が短期的に増えすぎたことで開通が大幅に遅れたり、無料期間を過ぎると料金が発生することの説明不足など、さまざまな問題点も指摘された。

ヨッピー「そうそう。2002年から2003年にかけてくらいの時期で、Yahoo! BBがバーッて伸びてネットの普及率が一気に上がってるんですよね。値段も安かったから慌てて他社も料金下げたりして。安く、早いインターネットが実現したのは、あれの恩恵が大きいですよね。でも、あのやり方って今考えてもめちゃくちゃですよね。なにも知らない人に「インターネットが無料です!」って言って、モデムを渡していくんですもん。」

patoさん「2ちゃんねるでもめちゃくちゃ叩かれてたよね。でも結果的にあれがネットの普及率を押し上げたのは間違いないし、回線速度が飛躍的に上がったもんな。つまり、エロスを求めて一晩中格闘した時代が終わった。これは日本史で言えば、織田信長が殺されたくらいにインパクトのある出来事だよ。」

ゴトウさん「いい加減エロを基準に物事を考えるのやめてくださいよ。」

ヨッピー「ISDNで64kbpsだったのが、ADSLでいきなり20,000kbpsとかになりましたからね。」

2004年~2006年 ~集合知の時代~

≪インターネットの大きな出来事≫

【2004年】
・「京ぽん」の発売
・「電車男」がネットで人気に
・mixiがサービス開始
・ジオシティーズがブログ形式のサービス「ジオログ」の提供開始

【2005年】
・YouTubeサービス開始

【2006年】
・ニコニコ動画サービス開始

まだまだ座談会は続く

ヨッピー「まず、2004年にmixiがサービスを開始します。SNS時代の幕開けですね。」

ゴトウさん「出た! mixi!」

patoさん「mixiの話をすると一気にノスタルジックになるんだよな。成長するにつれて、だんだんおばあちゃん家に行かなくなる中学生みたいな気持ち。」

ゴトウさん「最初は紹介制だったんですよね。信用できる人たちが集まって、みんなでエッチなことをする秘密の会員制クラブかと思ってました。

※……あくまでゴトウさん個人の印象です

patoさん「それで合ってるよ。」

ヨッピー「合ってないわ。」

mixiのトップページ

当時のmixiのトップページ。懐かしがる人も多いはず。

ヨッピー「あと、mixiが始まるとテキストサイトの管理人が、みんな自分のサイトを更新しなくなったんですよね。自分のサイトって多くの人にとっては結局自己満で、個人的な日記を書いたり、友達となれ合うのが楽しいから、mixiがあればそれだけで済んじゃうんですよね。自分のサイトは更新してないのに、mixiには常にログインしてるテキストサイトの管理人がたくさんいたもん。」

patoさん「mixiはなんで衰退したんだろう?」

ヨッピー「招待制じゃなくなって、18歳未満も使えるようになったんですよね。そしたら一気に規制がきつくなった記憶がある。日記に局部の名称書いたら消されるようになりましたからね。」

ゴトウさん「いや、そもそも書くなよ。」

ヨッピー「あとは知らない人に適当にマイミク申請出せなくなったりしたような。あとは足跡機能の廃止かなー。あれもユーザーからめちゃくちゃ文句言われてたの覚えてる。」

TAKEXさん「あと、mixiが流行るのと同時期にブログが流行りはじめた気がする。」

ヨッピー「あー、ブログね。正直、ブログやってる人のことをちょっと見下してましたよね?」

ゴトウさん「そうそう! <BR>タグも打てないくせに! って!」

patoさん「あ~、ランキングに登録してて「面白かったらクリックお願いします!」って文末に書いてあるやつだ。」

ゴトウさん「ブログのタイトルが「たかしのブログ」とかそんなのばっかりだし、デザインも一緒だし、「なんだよつまんねーなー」とか思ってたんだけど、テキストサイト勢も「ゆうたのほめぱげ※」とかだったから「こっちもひどいわ」って思った。

※ほめぱげ……homepageをローマ字読みをすると「ほめぱげ」になる。ネットスラング。

ヨッピー「ゴトウさんはなんでブログに移行しなかったんですか?」

ゴトウさん「「これまでさんざん時間もお金も投資してきて、彼女すらつくれてないのにやめられるか!」って思って、それが今でも続いてる。

patoさん「もはや呪いじゃねーか。」

TAKEXさん「まあこの、mixiとブログ文化の台頭でテキストサイトの時代が終わるんですよ。」

patoさん「あと、2ちゃんねるのまとめサイトが猛威をふるいはじめるんだよな。「ニャー速」の管理人が「アフィリエイトめっちゃ儲かるわー」みたいな発言したのが漏れてユーザーの反感買って、個人情報とか全部晒されて閉鎖したの覚えてる。それで「まとめサイトは儲かるぞ」ってなって、まとめサイトが乱立するんだよ。」

ヨッピー「そうそう。僕もめっちゃ覚えてるんですけど、僕の友達ですごく面白い日記を書くやつがいて、そいつがサイト閉鎖するって言うから引き留めたんですよ。「辞めるのもったいないよ」って。そしたら「まとめサイトみたいに、面白いネタをあちこちから選りすぐってくるようなところには、もう個人では太刀打ちできないから」ってしんみり言ってたんですよね。」

ゴトウさん「その頃は2ちゃんねるを中心にした集合知の時代ですね。2ちゃんねるのVIP界隈でもいろんな人がなにかつくって、それをみんなで盛り上げる、みたいなムーブメントがめっちゃ流行ってた。電車男とかも流行ったしな~。」

TAKEXさん「「VIPスター」とか「のまねこ」とかね。懐かしい。」

patoさん「「VIPスター」も「のまねこ」も、やっぱりADSLが普及したからこそ流行ったんだよな。動画コンテンツなんてISDNの細い回線じゃ遅くて見てられないもん。」

ヨッピー「で、2005年にYouTubeがサービス開始です。常時接続、大容量通信っていう技術革新を経て、ついに動画時代の幕開けですね。ニコニコ動画も2006年にサービス開始です。」

ヨッピー「この頃って、ケータイもパソコンも併せてネットユーザーは爆発的に増えたんですけど、ケータイで見るインターネットと、パソコンで見るインターネットが完全に分断されてたんですよね。ケータイでパソコン向けのサイトを見れないことが多かったから。ケータイ用のmixiブラウザとか、めちゃくちゃ使い勝手が悪かったし。だから、今我々が話してるのはパソコンで見るほうのインターネットだけど、ケータイで見るほうのインターネットも独自に発展して「魔法のiらんど」でケータイ小説が流行ったりとか。「恋空」とかありましたよね。」

TAKEXさん「あー、あのケータイ独自のネット文化ってあったなぁ。そういう分断もあった。」

ヨッピー「だから、なんとかケータイの端末でもパソコン側のインターネットに接続できないかと思ってる人もすごく多くて。「京ぽん※」とか「W-ZERO3※」とかがもてはやされたのってこういう事情がありますよね。

※京ぽん……京セラが発売した、日本初のフルブラウザを搭載したPHS。正式な名称は「AH-K3001V」または、「AH-K3002V」。ブラウザ「Opera」を搭載し、PC向けサイトも閲覧できたことからPCのヘビーユーザーがこぞって使った。
※W-ZERO3……シャープが発売した、初めての国産スマートフォン。PC向けサイトの閲覧はもちろん、Windows搭載でPCのように自由にアプリケーションを組み込めることや、物理キーボードを搭載していたことでPCユーザーからの支持を受けヒット商品となった。

ゴトウさん「俺、W-ZERO3持ってたよ。」

patoさん「W-ZERO3ってPHSじゃなかったっけ?」

ゴトウさん「そうですよ。僕ずっとPHS使ってましたもん。」

patoさん「あー。PHSってケータイ代が払えない、庶民が使うメージでしたね。」

ゴトウさん「ちょっと! やめてよ!」

TAKEXさん「今でもPHS使ってる人はいますから!」

ゴトウさん「そう! 音だって良いんだから!」

patoさん「W-ZERO3ってどんなやつ?」

ヨッピー「画像出しますね。」

W-ZEROの検索結果を見る2人

patoさん「うわっ! なにこれ!? 無理やり感すげぇな!」

ゴトウさん「ちょっと! 当時はこれが最先端だったんだから!」

ヨッピー「でも「どうにかしてケータイでPC向けサイトを見よう」っていう動きはたくさんありましたよね。」

ゴトウさん「今だと、スマホでもうほとんどのことができるじゃないですか。だから今の若い人たちは全部スマホでやっちゃうし、僕らより上の世代の人はそもそもパソコン使わないわけで、ちょうどその世代の人しかパソコンであれこれやってた人っていないんじゃないかっていう。」

patoさん「えっ、じゃあパソコンで四苦八苦してなんとかエロスにたどり着いてたのって僕らくらいの世代しかいないってこと……?」

ヨッピー「「どうにかしてエロスにたどり着こう」っていうモチベーションでPCスキルを磨いたのに……!」

TAKEXさん「「真空波動拳」でコーデックを確認したりね。」

ゴトウさん「あー! あった!」

ヨッピー「この時期にちょうど、ADSLから光ファイバーに移行するような流れもあるんですけど、正直言って光になったからって、そんなにコンテンツに対する影響はなかったですよね。」

patoさん「アナログ回線とかISDNからADSLに変わったときほどの衝撃はないもんね。光とはいえ、そんなに劇的に回線速度が変わらなかったし。」

2007年~ ~スマホとTwitterの登場~

≪ネット史の大きな出来事≫

【2007年】
・iPhoneがアメリカで発売
・セカンドライフ日本語版が開始
・初音ミクが誕生

【2008年】
・Twitter日本語版が開始
・iPhone 3Gが日本で発売

【2009年】
・iPhone 3GSが発売

【2010年】
・iPhoneのあとを追って国産スマホがたくさん発売される

スマホの登場について語る4人

patoさん「セカンドライフってあったね! あれって結局なんだったの?」

ゴトウさん「なんだったんでしょうね? 誰にもわからないんじゃないですか。」

TAKEXさん「現実世界の人生がファーストライフだったら、仮想現実に第二の人生、セカンドライフをつくろう、みたいなコンセプトですよね。セカンドライフで稼いだお金が換金できるぞ! とか言われてた気がする。有名な会社が仮想のお店を出したりしてましたよね。」

ヨッピー「まだ続いてるのかな……。ちょっと見てみよ。あっ、あるある。まだある! そしてキャラクター選択画面がすげぇ!」

patoさん「えーっ! なんで天使と悪魔なの!?」

ゴトウさん「全然第二の人生じゃない……!」

ヨッピー「セカンドライフ内の家より、UOの家※のほうが結局高かったんじゃないの。

※UOの家……「Ultima online」というオンラインゲーム内に建てられる仮想の家。サーバー内に建てられる家の数は限られていたため需要は高く、オークションで何万円、何十万円という値段で取引されたりした。

ヨッピー「あとはいよいよiPhoneが登場! 初音ミクもこの年に誕生です。初音ミクくらいが普通の人がパソコンでゴリゴリつくるコンテンツの最後らへんかもしれないですね。今の若い人たちはもう全部スマホでやっちゃうから。プロのYouTuberとかになると当然、編集とか文字入れとかでパソコン触りますけど、今若い人たちのあいだで流行ってるTik TokとかInstagramとか、いわゆる素人で盛り上がるものって基本的に全部スマホで完結しますもんね。」

patoさん「エロスだってスマホ1台あれば済んじゃうからね。」

ゴトウさん「さっきからその話しかしてない。」

TAKEXさん「ガラケーだけど、怪盗ロワイヤルとかドリランドとか、ああいうソシャゲも流行ってたな。だんだんスマホに淘汰される感じになるけど……。」

ヨッピー「スマホが出てきてから、「ケータイ版」と「PC版」で分断されてたインターネットが徐々に統合されるんですよね、たぶん。それってTwitterの影響も同じで、スマホとTwitterがない時代って、コミュニティがそれぞれ分断されてませんでした? 「はてな」は「はてな民」、「2ちゃんねる」は「2ちゃんねらー」、みたいに。「魔法のiらんど」も「ニコニコ動画」もコミュニティが自己完結してて、それぞれ分断されてた気がする。」

TAKEXさん「それって、その当時もよく言われてたよね。タコ壺化するインターネットって。」

ヨッピー「そうそう。それがスマホが出てきたからケータイ版とPC版の垣根がなくなって、Twitterがハブとして機能するからそれぞれのコミュニティの情報がTwitterを経由して世に広まるようになったというか。」

patoさん「今はアイドルも芸人もリア充もオタクもみんなTwitterやってるもんね。」

ヨッピー「そうそう。あとはこれによって、まとめサイト系が猛威をふるった時代から、また個人のクリエイターにスポットが当たるようになった気がする。その流れって今でも続いてますよね。漫画でもYouTuberでも個人が目立つようになった。大SNS時代って言ってもいいかも。」

patoさん「2011年には震災があって電話が通じなくなったりすごく大変だったんだけど、TwitterをはじめとしたSNSが安否確認に役立つっていうことで改めて評価されたんだよな。」

TAKEXさん「LINEができたのも、この年ですもんね。スマホの普及も2011年から一気に増えてる。」

ヨッピー「ちなみにdocomoが2010年から、au、SoftBankがそれぞれ2012年からLTEサービスを開始します。厳密に言えば第4世代ではないらしいんですけど、まあこれによってケータイの通信速度が一気に上がりましたね。」

patoさん「4Gは画期的だったよな。俺、田舎に取材に行ったときに、山間部とかで3G回線しか入らないことがあるんだけど、3GだとTwitterなんて重くてやってられないもんな。」

ヨッピー「そうそう。スマホが登場して、LTEがはじまって、それでSNS文化が全盛になるっていうのは密接にリンクしてるんですよね。」

ゴトウさん「2020年に次の5Gになるんだよね? 正直「そんなに速くしてどうすんの?」っていう気持ちもあるけど。」

ヨッピー「ありがとうございます。ここからはこのサイトの運営元であるKDDIのPRポイントでもあるんですけど、僕も最初に「5Gが始まる」って聞いたときに「もう十分速くない?」って思ったんですけど、実際に説明聞いたら「これ、マジでめっちゃ画期的やんけ!」って思ったので今から説明します!」

4Gと5Gを比較した図表

これが4Gと5Gを比較した表。大事なのは「高速・大容量」「低遅延」「多接続」という3ポイントだ。

ヨッピー「たとえば、今ってリモートワークだって言って遠隔地からビデオ通話したりしますけど、実際のところ遅延がけっこうあったりするじゃないですか。」

ゴトウさん「あー、あるね。あれが気持ち悪くて結局会ったほうが早いな、ってなったりする。」

ヨッピー「この遅延が10分の1になるから、ほぼリアルタイムでやり取りできるようになるんですって。で、まだビデオ通話程度なら多少の遅延があっても問題ないんですけど、クルマを遠隔操作するとか、遠いところからロボットを使って手術するとかってなると遅延があるとまるで使い物にならないらしく、今の4G回線だと実現困難なんですって。」

patoさん「あー、なるほどね。クルマの操縦で遅延があったらシャレにならないよね。」

ヨッピー「でしょ。」

ショベルカーと無人の操縦席
「5G」と「4K3Dモニター」を活用した、重機を遠隔操作する実証実験

ヨッピー「たとえばこれは、5G回線を使った建設機械の遠隔操作の実証実験なんですが、タイムラグがないから操作もスムースにできるし、かつ大容量のデータを転送できるので、高解像度の4K3Dモニターで奥行きも認識しながらオペレーターが普通に操作できるんですって。」

TAKEXさん「あー、なるほどね。ただ単にネットが速くなるだけじゃないんだ。」

ヨッピー「そう。この、建機の操作なんてまさにそうだと思うんですけど、今までオペレーターの人が現地に行って動かしてたのを、コントロール室みたいなところとか、下手すると自分の家から操作するようになって、もはや通勤する必要がなくなるかもしれない。」

ゴールシーンを視点を変えて見ることができる「au/4D Replay」のイメージ

ヨッピー「あとは大容量、低遅延っていう特性を使ってスタジアム観戦のときに直接見るのと、リアルタイムの映像を手元のスマホで見るのを使い分けるとか、今のゴールシーンを視点を変えてもう一回見ようとか。」

KDDIの発表したスマートドローン

ヨッピー「あとは低遅延、大容量っていう特性を活かして、ドローンに360°カメラを搭載して遠隔操作が出来るようになるそうです。とにかく、「5Gで本当の意味での遠隔操作が始まる」くらいの感覚でいいのかもしれない。」

ゴトウさん「たしかに、建機を遠隔で操作するっていうのはめちゃめちゃ需要ありそう。テレビ電話も高解像度の映像を遅延なしで飛ばせればもっとリアルになるよね。」

ヨッピー「でしょ。僕も「おー、そう考えるとたしかにすごいな!」って思って。ちなみに2020年からサービス開始で、徐々にエリアを広げるそうです! もうすぐ!」

patoさん「じゃあ、これが実現したら遠隔のエロスもどんどん発展していくかもしれないな! 」

ゴトウさん「結局そこかよ。」

【!注意!】
今回の記事はあくまで「4人のおっさんから見たインターネットの話」であり、多分に主観にまみれております。インターネット史はユーザーそれぞれにとって存在するのが正しく、今回は数多くあるインターネットの歴史のうちのひとつ、という捉え方をしていただけると幸いです。

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文:ヨッピー
取材協力:ゴトウ、TAKEX、pato

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