2018/06/14

20キロ痩せてた頃の写真が発掘され新郎は…… 『おもいでケータイ再起動』、沖縄上陸

古いケータイを再起動するイベント、やってきたのは……

あなたが持っている古いケータイをauショップに持ってきてもらえば、どの携帯会社のものでも関係なく再起動。今回で4回目となるこのイベント、やってきたのは……

那覇の美しい海。「波の上うみそら公園」

那覇である! 完全にリゾートな、ここは「波の上うみそら公園」。那覇市唯一の海水浴場「波の上ビーチ」を擁する、とってもキレイな公園です。今回の会場「au NAHA」からおおよそ20分も歩けばこんな楽園に到達できるという。

そしてこの行列!

行列のできる「au NAHA」前の「おもいでケータイ再起動」特設会場

開催中の“イベント”とは、もちろんそう「おもいでケータイ再起動 in那覇」。5月11〜13日の3日間にわたって「au NAHA」前の特設テントで開催されました。こちらは3日目の模様。オープン直後にこの状態に。

「おもいでケータイ再起動」、海を越える

手持ちのガラケーに合う充電用ケーブルさえあれば、ケータイなんていつでも充電できるんじゃないの? という疑問が聞こえてきそうですが、実はケータイのバッテリーって、しばらく充電せずに放置していると、電力を完全に使い果たしてしまうのです。そこまでいくと“充電するために必要なパワー”すらなくなってしまう。その場合、いくら合うケーブルを買ってきても自宅では充電できなくなります。

そんなみなさんのケータイにもう一度、電源を入れて、そこに入っているはずの古いケータイの懐かしの画像やデータを見ていただこうというのが、このイベント。ここで活躍するのが、この「バッテリーテスター」という秘密兵器です

auおもいでケータイ再起動のバッテリーテスター

このマシンにガラケーのバッテリーをセットすれば、まだ息を吹き返す余地があるか否かを判定することができます。昔はどのケータイショップにもあったようなのですが、KDDIに現存したのはわずか3台。ここでバッテリーが息を吹き返すかをチェックし、最低限の充電をしてから別のコーナーに移動し、本格的に充電。首尾よく電源が入ったら、お気に入りの画像をプリントアウト。

auおもいでケータイ再起動でプリントアウトされた写真

前回、3月に開催された福岡での「おもいでケータイ再起動」から、同時に「リサイクル」も実施。 ガラケーを回収し、各パーツをいろいろなかたちで再利用するのですが、「リサイクル」希望の方々には、ガラケーからスマホへ画像データの移行を行うということもあって、かなりの大好評。

auおもいでケータイ再起動でガラケーをリサイクル
auおもいでケータイ再起動でガラケーをリサイクルし、スマホで画像データを掲げる男性

リサイクルされたこちらの安慶名長治さん曰く「データがスマホに移せるなら、古いケータイはもう回収してもらってもいいかな」と笑顔。これでいつでも、おもいでの画像が見られる次第なのです。

このイベントは2017年夏の名古屋を皮切りに、仙台、福岡で開催し、これまで1,000人以上のおもいでを再起動してきました。

auおもいでケータイ再起動で昔のケータイを持参して再起動に成功した人々。おもいでのデータに感極まる女性・子ども・おじいさん
auおもいでケータイ再起動で昔のケータイを持参して再起動に成功した人々。おもいでのデータに感極まる女性・子ども・おじいさん

電源が入ってディスプレイに火が灯り、ずいぶん久しぶりにおっかなびっくり操作して、画像が表示されたときのみなさんの顔!

老若男女に関わらず、ケータイの古さも新しさも関係なく、感情のスイッチが一瞬にしてON。まさに「おもいで」ごとケータイを再起動しているのだ! と実感させられる瞬間なのです。

那覇で再起動したケータイとおもいでたち

では、今回那覇では、ケータイたちからどんなおもいでがよみがえってきたのでしょうか。

■「158枚も出てきました……」 古謝文乃さん

再起動したケータイに涙が止まらない女性

拭っても拭っても涙があふれて止まりません。彼女は3歳の双子のお母さん。手にしていたのは3年前頃から充電できなくなってしまったスマートフォンでした。

実は再起動に大きな労力はかかりませんでした。つい最近のスマートフォンですから。でも、彼女の思いがあまりにも切実だったのです。

「子どもたちの写真が、生まれたときからのものが全部ここに入ってるんです!」

ケーブルを刺しても充電できなくなり、別のところにバックアップを取っていると思い込み、データ移行をせずに機種変更。そんな「うっかり」で、わが子の幼い日の成長の記録が永遠に消えてしまったことを、ずーっと気に病んでいました。

再起動したケータイに涙が止まらない女性

はたして、本体からは「2015年」と記された写真が次々と!

「158枚も出てきました……もう二度と見ることができないとあきらめていたので。子どもにも申し訳なくて……」

プリントアウトされた写真と満面の笑みの女性

復活の喜びだけでなく、長年の胸のつかえがすっと取れたようです。そして最後にはこの満面の笑み!

■「あきらめきれなかったんだもの!」 さゆりさん

auおもいでケータイ再起動で昔、使っていたケータイを見つめる女性

さゆりさんのケータイは10年ほど前まで使っていたもの。右は5歳のお嬢さん・あーちゃん。ちょっぴり憮然とした顔には理由があります。この時点で会場に来て2時間以上が経過していたから。 「こんな写真が見たいっていうイメージはとくになくて。面白いものが出てきたらいいなあって思ってたんです(笑)」

再起動まではスムーズにいきました。そして(“再起動あるある”なのですが)、パスワードが思い出せず、トライし続けること2時間以上。

「せっかく起動したから見たくて見たくて……。たぶんね“盛れる”以前のプリントシールが山ほど入ってると思うんですよねー」

ケータイから見つかった昔のプリントシールたち

そして……、入ってました!

スマホにデータ移行し、ものすごい勢いで中身をチェックするさゆりさんなのですが、肝心のガラケーを起動させるためのパスワードは極めて意外なものでした。

「4ケタという概念にとらわれ過ぎていました。それで考えられる限りの4ケタを打ち込んだんですけど、ダメで。なんとなく✳をポツポツ押してたら、結構たくさんケタ数が入って。もしかしたら! って」

……結婚以前の実家の電話番号でした。

夫との古いツーショットのシールを掲げる笑顔の女性と娘さん

「ウソ、これパパ? わかーい!」
「ママはずかしーっ!」

ケータイのリサイクルの模様を撮影する女性

結局、リサイクルの模様まで撮影してSNSにアップするさゆりさんでした。

■「結婚するので・PART1」 みづきさん、まさよしさん

auおもいでケータイ再起動でよみがえったケータイを見るカップル

実は来年初頭に結婚が決まっているというふたり。披露宴で流すスライドのネタを発掘するために、このイベントにやってきました。持ち込んだケータイは、ふたりがそれぞれ高校時代終盤から大学1年頃にかけて使っていたもの。

「学科が一緒で知り合ったんです」(みづきさん)
「その頃の写真がケータイにしかなくて困ってたんですよ」(まさよしさん)

ちょうど今から8〜9年前、付き合い始めの初々しい画像を見ながらキャッキャウフフと盛り上がる。

「いや、それだけじゃないんです」と、まさよしさん。「ほら(笑)」

auおもいでケータイ再起動でプリントした写真を手に微笑むカップルと、昔のふたりの写真

「チョ〜痩せてる!!!!!(笑)」(みづきさん)

まさよしさん、就職して5年で20kg増だそうで「結婚式までに目指すべき理想のフォルムがここにありますね(笑)」

■「結婚するので・PART2」 諸喜田建さん

auおもいでケータイ再起動で復活した古いケータイに喜ぶ男性

こちらも結婚を控えた諸喜田さん。やはり披露宴でのスライドのネタを発掘するためにやってきたのですが、上のふたりよりもっと切迫していて、式はなんと3カ月後。彼女から「こんなイベントやってるよ!」と尻を叩かれたそうです。

「高校時代に使ってたケータイで、部活の仲間と撮った写真が欲しくて……おお! 出てきた!!!!」

auおもいでケータイ再起動で復活したケータイの写真。レスリング部

マッチョな半裸の男たち、登場!

「レスリング部だったんです。高校時代に沖縄で準優勝して、インターハイに行ったメンバーです」

auおもいでケータイ再起動でプリントアウトした写真と共に微笑む男性

「これで安心!」と諸喜田さん、大喜び。聞くと、沖縄県の結婚式は相当に派手なのだそうで、ものすごく気合いが入っているといいます。列席者は400人以上、式場には必ずステージがあって、余興がすごい。で、最後は会場全員で「カチャーシー」。400人乱舞のフェス状態だそうで、なるほど、結婚式のための再起動は「沖縄ならでは」なのかもしれません。

■「あのころはよかったな」中村美紀さん

おもいでケータイ再起動に古いケータイを持ち込んだ女性と子どもたち

7歳の光くんと5歳の新一くん、あと姪っ子の愛羅ちゃんと共にやってきた中村さん。6台のガラケーを持ち込みました。ほぼほぼ見事に再起動。11年前、高校時代に使っていたケータイから画像をプリントするところまではすんなり決まったのですが、そこから1枚に絞れない。

母の古いケータイに出てきた若い頃の母の写真にはしゃぐ子ども

「何これ、誰? ママ? ウソだー」「もう帰りたーい」「アイス食べたーい」の子どもたちの声をモノともせず、中村さんどっしり腰を落ち着けて珠玉の1枚を選ぶのでした。

おもいでケータイ再起動in那覇の会場前でアイスを食べて和む子どもたち

その間ちゃっかり子どもたちはアイス代もらって再起動のテントから外に出て自由なひととき! そして1時間以上悩んだ末にプリントアウトした写真は……

11年前のケータイから復活した女子高生たちのスナップ

「高校時代の友だちとの写真です。左端の眼鏡が私」

ふざける子どもたちとピースサインを送る女性

「なんか……もしかしたらこの頃がいちばんよかったのかも(笑)。まあ、今は今で十分いいんですけどね。8月に高校の同窓会があるので、写真、持っていきたいと思います。あと、実は子どもたちにはちょっと見せられない写真も結構出てきました(笑)。でも、一緒に写ってたのが全部ダンナで。ああ、よかった」

■「母の日だから」大城つぐみさん

ガラケーを手に微笑む女性

大城さんが手にしているのは、5年ほど前のケータイ。めでたく再起動し、こんな写真が復活しました。

プリントアウトされた女性と姪っ子たちの写真

姪っ子たちとの福岡でのワンシーン。ピンクのブラウスが大城さん。でも彼女が本当に見たかったのは、この写真ではありませんでした。

「以前、私は病院に勤めていたんですが、10年ほど前、祖母がそこに通院していたんです。それで、祖母が来るタイミングで私の母も病院に来て、女三世代で写真を撮ったことがあったんです。祖母は6年ほど前に亡くなったんですが、3人で一緒に写真を撮った機会はそんなになくて……」

今回、大城さんは持ち込んだのは、その後機種変更したこの黄色いケータイ。画像データはすべて移行したつもりだったので、このケータイを再起動すれば「女三世代」の画像が見つかると思っていたのですが、とうとうアルバムからその画像は見つかりませんでした。

今ではすっかりおませさんになってしまった姪っ子ちゃんたちの画像で満足して席を立とうとした大城さんにスタッフが声をかけました。「もしかして、これじゃないですか?」

auおもいでケータイ再起動でプリントされたお母さんとおばあさんと女性の写真

前の機種から画像を移行したため、アルバムではなく別のアーカイブフォルダに画像が保存されていたのです。

auおもいでケータイ再起動でプリントされた写真を手に涙ぐむ女性

「ああ!」と大城さんは絶句。「母の日なので、今日これから、母に見せに行きたいと思います」という言葉は、途中で大城さんの感涙にかき消されて最後までは聞こえませんでした。

auおもいでケータイ再起動でプリントされた写真を手に微笑む女性

楽しんでいるのは、再起動する側も

auおもいでケータイ再起動が行われたau NAHAと、オリジナルキャラの「auシカ!」

こちら、auの仲間「沖縄セルラー」のオリジナルキャラクター「auシカ!」。本土では幻のキャラ呼ばわりされている彼(オスなんです)も参戦し、那覇での「おもいでケータイ再起動」は大いに盛り上がりました。

結局3日間で278人のみなさんにお越しいただき、合計139台のケータイを再起動しました。なので、2017年から正式にスタートしたこのイベントでは累計1,000人以上のケータイに電源を入れ、それだけのおもいでを世の中に解き放ったことになります。

auおもいでケータイ再起動でお客様に全力で接客するスタッフたち
auおもいでケータイ再起動でお客様に全力で接客するスタッフたち

初期は、「バッテリテスターで充電できなくなったバッテリーを蘇らせる」というのがテーマでした。でも、回を重ねるごとに「持ち込まれたケータイはなんとしても再起動したい」という思いが、スタッフ間に強くなってきたようです。そして「この手がダメならあの手で行こう」「パスワードをみなさんに思い出していただくヒントはないか」「1枚画像をプリントアウトするだけよりも、すべての画像をスマホに移行するリサイクルをオススメしよう!」と、参加したスタッフが考え始めました。

再起動のためのスキルはもちろん蓄積されているから対応の幅も広がるのですが、やっぱりなにより電源が入ったときのみなさんの顔。それを見るスタッフも同じような顔になっているのです。

失われかけたおもいでを、そのギリギリのところで繋ぎ止める。そんな「おもいでケータイ再起動」はこれからも続けていきます。

auおもいでケータイ再起動でお客様に全力で接客するスタッフたち

KDDI直営店での全国ツアー、次回は秋に「au OSAKA」、冬に「au SAPPORO」、来年春には「au SHINJUKU」で開催予定。スタッフは一層、再起動のためのスキルアップに努め、「TIME & SPACE」は今後も、各地のみなさんのケータイのおもいでストーリーを追いかけていきます。

待っててくださいね。

文:武田篤典
撮影:比嘉晃、TIME & SPACE編集部

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