2018/03/30

モーニング娘。’18 『音のVR』撮影現場を独占レポ 音にズームできる新視聴体験とは

モーニング娘。’18メンバー登場。音のVRとは?

さて、モーニング娘。’18である。彼女たちが登場したのは、KDDI総合研究所が開発した新しい音楽視聴サービス「音のVR」のコンテンツ発表の場。ハロー!プロジェクト20周年と、ケータイ誕生30周年を記念して、auとハロー!プロジェクトのコラボレーションが実現したのです。で、ハロー!プロジェクトを代表し、モーニング娘。’18と「音のVR」コンテンツを制作。この日のお披露目に至った。時に2018年3月14日、午後1時30分。

「音のVR」の記者発表会場でのモーニング娘。’18

従来のいわゆる「VR」とは、簡単に言うとヘッドマウントディスプレイとかスマホを使って、上下左右前後360°見たい方向の映像を見られるというもの。ただし、どこを向いても「音の聴こえ方」は変わらないことが多かった。

「音のVR」では、音が発生している位置がはっきりして、気になる対象をズームすれば、そこから発生している音にもズームして、より大きく聴こえるというもの。「見たいところを見られる」だけでなく「聴きたいところの音を聴くことができる」技術なのだ。

多くの人がいる場所で誰かと話している時、周りがガヤガヤしていても、相手の声はちゃんと耳に入ってきますよね? これを「カクテルパーティー効果」という。「音のVR」では、それに近い体験ができるのです。つまり周りの音の中から特定の音だけを切り出すのではなくて、周りの音もうっすら聴こえながら、聴きたい音がはっきり聴こえる。そんな新たな音場合成技術が使われているのだ。 全方位カメラと複数の指向性マイクを使って“場”全体の音と映像を収録するので、制作のやり方もちょっと独特。少々手間もかかる。

音のVRを体験し、大いに盛り上がる

会場では、モーニング娘。’18のみなさんも実際に「音のVR」を体験した。
ピンチインとピンチアウトの要領でタブレットを操作しながら、いろんな“対象”にズームしていく譜久村さん。

「音のVR」を体験する譜久村聖、飯窪春菜、加賀楓 記者発表の会場で、実際に「音のVR」を体験する譜久村さん、見守るのは飯窪さんと加賀さんだ

「すごい! 私の声だーっ、はずかしー(照)」(飯窪)
「ヤダ、すっごい泣いてる……」(加賀)
「うふふふふ」(譜久村)

彼女たちが再生して盛り上がっていたのは、まさに彼女たち自身が出演した「音のVR」の2本の作品。実は収録したのは、同じ日の朝だった。この会見から遡ること約4時間前……。

さてこれより、メイキング・オブ「モーニング娘。’18×音のVR」を独占レポートします!

「モーニング娘。’18×音のVR」収録現場に潜入!

3月14日午前9時32分・都内某スタジオ。「メンバー入りまーす」の声とともに続々、現場入り。
朝早めですがメンバーたちの「おはようございます」はテンション高め。

で、スタジオに入るやいなやみんなが口々に声を上げた。
「わーすごーい」「カッコいいじゃーん」「おーー、マイクやばい(笑)」「カメラちっちゃいねー」

「音のVR」収録スタジオでデバイスを見つめるモーニング娘。’18 スタジオ入りすると、そこには見たことのない機器が待ち構えていたのであった

彼女たちの注目を一身に集めたのが、これ。「音のVR」を収録するためのカメラとマイク。

「音のVR」を収録するための機器 機器は、VRカメラと指向性マイクを組み合わせたもの。演者はこれを取り囲んでパフォーマンスする

中央の四角いのがVRカメラ。360°全方位をこれで収めるのである。周りには6本の指向性マイク。それぞれが向いている方向の音を重点的に拾う。

「音のVR」を体験するモーニング娘。’18・小田さくらと生田衣梨奈 「音のVR」とは何かを理解してもらうために、撮影に先駆けて小田さんが体験

撮影の直前、小田さんに「音のVR」デモ映像を試してもらうと……。

「寄ったらめっちゃ音がおっきい! すごい! 面白い! ステキ!」。大興奮。歌姫らしく、キラキラと気合も入る。背後から「私にも見せて」と生田さん。で、横山さんと「音痴がバレる装置だよね」なんて語り合っています。

コンテンツ①「I WISH(updated)」を歌い、手紙を読む

ひとつ目のコンテンツは、メンバー全員で「I WISH(updated)」を歌い、その最中にお手紙を朗読するというもの。題して、I WISH(updated)ver. 「歌と手紙で届けるモーニング娘。への想い」。

通信技術が発達しても、大切なのは人と人とのコミュニケーションであることを表現しています。

「音のVR」カメラとマイクを取り囲むモーニング娘。’18 収録は「音のVR」専用の機器をぐるりと取り囲むようにして行われる

最初は室内のあちこちにいて歌い、曲の途中で飯窪さん、加賀さん、譜久村さんが前に出てきて、自筆のお手紙を朗読。残りのメンバーはその間も歌い続ける。

視聴者は好きなメンバーにピンチインして、自由に声を聴けるという構成だ。

手紙を読むモーニング娘。’18・飯窪春菜

お手紙を読むのは、飯窪さん→加賀さん→譜久村さんの順。

手紙を読むモーニング娘。’18・加賀楓

手紙を読むメンバー以外は、その間もずーっと歌い続けている。ほら、加賀さんの後ろで牧野さんが歌っていますね?

手紙を読むモーニング娘。’18・譜久村聖
「音のVR」リハーサルで歌うモーニング娘。’18・牧野真莉愛、加賀楓、佐藤優樹、羽賀朱音
「音のVR」リハーサルで歌うモーニング娘。’18・野中美希

「音のVR」は性質上、編集が困難。おまけにこの日は午後に記者発表が控えていたこともあって、何テイクも撮り直す時間はなかった。

だが、さすがは実力派・モーニング娘。'18。ワンコーラス本気で歌えば、室温は一気に2〜3度上がり、各種準備に追われるスタッフたちも思わず、足でリズム刻んだりしてしまう。

そんな本気の実力を見せてくれながら、録音の調整待ちなどのあいだには、羽賀さんと加賀さんと小田さんがアイコンタクトを交わして謎のダンスを始めたり、曲の終わりのスキャット部分を「なんで歌うと面白いか」大喜利が始まったり。♪ツ〜ツ〜ツ〜♪ とか、♪ぱ〜ぱ〜ぱ〜♪ とか、♪酢〜酢〜酢〜♪ とか言いながら、クスクスわらっている。

「音のVR」の収録に臨むモーニング娘。’18

何度目かのチェックのあと、「メンバーが読むお手紙の内容を聴きたいです」と生田さんが力説した。
リハーサルで使われていたのはダミーの手紙だったが、お手紙を読む声は朗読する本人にしか聴こえていなかったのだ。というのも、メンバーはそれぞれイヤーモニターを装着していたのだけれど、聴こえるのは自分の声だけ。ほかのメンバーの声は聴こえない設定になっていた。それで何度かリハーサルを繰り返すうち、「春菜たちがどんなお手紙を書いてきたのか、私たちにも聴こえるほうが、きっと歌もみんなに伝わると思うんです」と思い至ったという。……なるほど、プロだ!

モーニング娘。’18の曲「I WISH(updated)」と書かれたカチンコ

生田さんの申し出に、スタッフ全員深く納得。かくして午前10時49分、本番スタート。

「音のVR」収録中のスタジオ別室でタブレットを見守るスタッフ

メンバー13人以外は全員別室へ。なにしろVRカメラは360°全部写っちゃうので、死角がないのだ。本番中、収録の模様を映し出すのは小さなタブレットだけ。スタッフ全員、彼女たちが歌うのを息をひそめて見守るしかないのである。

約5分20秒後、一瞬の静寂を経て「OK! 最高‼」の声がスタジオ内に響き渡りました。

まず完成したのは、こちら。

これは「音のVR」そのものではなく、どんなふうに聴こえたり見えたりするのかを撮影したムービーです

コンテンツ② 娘。たち、それぞれに電話する

そして2本目のコンテンツは「電話」。メンバーを2人×6組に分け、一斉に通話してもらう。全員がメンバーの誰かとしゃべっているなか、好きなメンバーにズームすれば、その会話をメインに聴けるというシナリオ。12台のスマホが準備され、各自に手渡されると、佐藤さん、早速自撮り。

「これ、まつげまでわかるよ。めっちゃすごくないですかー」。スタッフをパシャりと撮って「ほら。若返ってません?」なんて盛り上がってる。

「音のVR」収録スタジオでふざける石田亜佑美と羽賀朱音

で、キャッキャ言いながら石田さんと羽賀さんも撮影。

「音のVR」収録スタジオで微笑むモーニング娘。’18・牧野真莉愛

牧野さんもいい具合に力抜けてて、みんなすっかりリラックス。

「音のVR」収録スタジオで微笑むモーニング娘。’18・森戸知紗希

お隣どうしで組になって、森戸さんは羽賀さんと「モーニング娘。としてのツアーの意気込みとか不安」について語る。生田さんと佐藤さんのトークテーマは「福岡と北海道」。それぞれの出身地自慢。

「音のVR」収録スタジオで話すモーニング娘。’18・譜久村聖と石田亜佑美

譜久村さんは石田さんと「今いちばん欲しいもの、最近買ったもの」についてトーク。

こちらはリラックスした雰囲気のまま本番に。テーマだけ決まっていて、トーク内容は自由。すると全員よくしゃべります! メンバー以外の大人たちは、別室でタブレットを見守るなか、娘。たちのノリノリなトークが館内全域に響き渡って、こちらも一発OK! タイトルは、「携帯電話ver. 『素の娘。とつながる音のVR』」。

そうしてモーニング娘。’18「音のVR」2作のコンテンツの収録が終了。スタジオで「やりきった!」という表情の13人同様、スタッフの顔にも満足の笑みが。

この作品、今後、みなさんに実際に体験いただける機会もあります。が、それは最後にご紹介。ここでは、スタジオでの収録の模様を動画でお楽しみください。

そして舞台は再び冒頭の記者会見場に戻る。

「音のVR」、娘。たちはどう感じた?

完成したコンテンツを実際に体験したモーニング娘。’18に感想を聞いてみました。

「周りの音が消えるわけじゃなくて、周りの音が聴こえながらその音が際立つのがすごいですよね。ライブ会場にいる感覚を、ライブビューイングとか、その場にいなくても持っていただけるんじゃないかなと思いました」(小田)

「ズームアップすると、主にその人の声が聴こえるんで、『音のVR』を使うと誰でもセンターになれますね(笑)。それに、何回でも見て楽しめる。13人メンバーがいるので、それぞれにズームしてぜひ13回見て欲しいですね」(飯窪)

「すごいです。もうスマホでなんでもできるんじゃないかって思いました。これから5Gの時代になると、今までよりも絶対住みやすい快適な世界になりますよね」(生田さん)

会見場で「音のVR」を体験するモーニング娘。’18 自身が出演する完成したばかりの「音のVR」コンテンツを体験。メンバーのみなさんのテンションも大いに上がった

モーニング娘。'18が所属するアップフロントグループ・チーフディレクターの橋本慎さんも今後の展開に期待を寄せる。

「アイドル冬の時代と言われた頃にデビューしてモーニング娘。も20年が経ちました。その間、音楽も進化しましたが、技術も革新してきました。アイドルグループは動画コンテンツと非常に親和性が高く、私たちもマルチアングルや360°VRのミュージックビデオなどをつくってきました。一層のパフォーマンスの充実を図るためにも新しい技術には積極的に取り組んでいきたいです。今後、『音のVR』と5G通信が連携する時代が来ると、これまで以上にリアルタイムでさまざまなことが楽しめるようになるでしょう。一層、生身の彼女たちを体感できる時代が来ると思います」

締めはモーニング娘。’18のリーダー、譜久村聖さん。
「今回は初めて『音のVR』で『I WISH』を歌わせていただいて、『音のVR』を通してメンバーの絆がまた深まったんじゃないかと感じています。今後も普段会えない方にも一緒に楽しんでいただけるコンテンツになっていけばいいなと思っています。ファンのみなさんとより繋がれる5G時代になればいいなと思っています。本日はありがとうございました」

と、見事な大団円!

新技術が誕生すると、「それってなにに役立つの?」「生活をどんなふうに変えてくれるの?」ということがやっぱり気になります。昨年開発された「音のVR」もそうでした。この技術でこれまでにつくられたのは、機能を紹介するための「デモ映像」だけ。

それが今回、ハロー!プロジェクトという強力なパートナーを得て、音楽視聴の世界を変える新しい一歩を踏み出しました。

20周年を迎えたハロー!プロジェクトとKDDIの最新通信技術による新しい音楽視聴体験「音のVR」に今後ともご期待ください。

最後におまけ

では特別に、今回収録した「音のVR」のなかで、譜久村聖さん、飯窪春菜さん、加賀楓さんが朗読した自筆のお手紙を公開します!

譜久村聖の手紙 リーダー・譜久村さんは、それぞれのメンバーへのメッセージを丁寧に。心配りに満ちたリーダーらしいお手紙だ
飯窪春菜の手紙 サブリーダー・飯窪さんは素直な言葉でメンバーとファンへの感謝を綴り、これからの決意も
加賀楓の手紙 “苦労人”と呼ばれる加賀さんが、自身のこれまでとこれからを記したお手紙。本編での朗読中、感極まって加賀さん嗚咽
「音のVR」、みなさんにも体験していただけます!

3月31日と4月1日に『パシフィコ横浜』で開催の「遊ぶ。暮らす。育てる。SATOYAMA&SATOUMIへ行こう2018」の会場、また4月以降は一部のKDDI直営店とCDショップに体験コーナーを設置。5月以降にはアプリの配信も予定しています。

【音のVR 体験コーナー設置店舗】

KDDI直営店
期間:2018年4月7日~4月22日
場所:au SHINJUKU、au SAPPORO、au SENDAI、au OSAKA、au FUKUOKA

HMV&BOOKS、HMV
期間:2018年4月27日~5月11日
場所:HMV&BOOKS SHIBUYA、HMV札幌ステラプレイス、HMV栄、HMV阪急西宮ガーデンズ、HMV&BOOKS HAKATA

※各体験コーナーでau×ハロー!プロジェクト オリジナルVRゴーグル「ハコスコ」が当たる「音のVR体感クイズ」を開催。詳しくは音のVR特設サイト、もしくは体験コーナーにてご確認ください。

音のVR 特設サイトはこちら

文・撮影:TIME & SPACE編集部

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