知っておきたいICT用語を解説

2017/04/17

中の人はAI! 進化する「チャットボット」とは?

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LINEやTwitterで、まるで本物の女子高生のように日常会話を交わす「りんな」。SNSやサイト上で問い合わせをすると、即座に丁寧な返信をしてくれるクロネコヤマトやアスクルのカスタマーサポートサービス。しかし、チャットの先に人はいない。会話をしている相手は「AI」だ。

これらのサービスはすべて、「チャットボット」と呼ばれる自動会話プログラムを利用しているのだ。

女子高生AI「りんな」

Microsoftが開発、サービスを展開している「りんな」は、LINE上でユーザーの会話の相手をしてくれる人工知能。2015年に登場し、LINEユーザーの友だちはなんと530万人! ファンブック『はじめまして!女子高生AIりんなです』を発売したり、McRinnaとしてラップを発表と、大活躍中だ。

りんなは、ディープラーニングなど本格的なAIがバックに控えており、「しりとり」などのちょっとした言葉遊びもお手の物。まるで本物の女子高生と会話をしているように錯覚してしまうほどのリアルさと、それでもやはりときどき返される妙なコメントが楽しく、非常に高い人気を誇っている。

チャットボットの役割はなにもバーチャルな話し相手だけというわけではない。

LINEやFacebookなどのメッセージ機能を利用して、あたかも実際の人間と会話をしているような気分でさまざまなサービスが利用できるようにと開発された人工知能プログラムがチャットボットなのだ。下の動画はLINEが制作したもので、チャットボットを利用するとこんなに便利になるという様子が描かれていて、チャットボットがどういうものかがよくわかる。

猫語もわかるヤマト運輸のボット

たとえば、実際に提供中のヤマト運輸のチャットボットでは、LINEの公式アカウントで次のようなやり取りが可能だ。

ユーザー《こんにちは。》
ヤマト運輸《こんにちは。ご用件をどうぞ。》
ユーザー《お届け日時の確認をしたいのですが。》
ヤマト運輸《お届け日時の確認ですね。お荷物の送り状番号を入力してください。》

――という具合に、ヤマト運輸のホームページに行かずとも、LINEだけでいろいろな用事が済ませられる。ちなみに、このヤマト運輸のボットには、面白い仕掛けが仕込んである。猫語で話しかけると、猫語で答えてくれるという"裏ワザ"も。

便利な企業チャットボットが増殖中

ほかにもさまざまな企業が自社のサービス提供のためにプログラムを開発し、続々と投入中だ。ドミノピザのチャットボットではピザが注文でき、食べログもチャットボットでお店探しができる。宿泊予約サイト「Relux」のチャットボットでは旅行の相談が可能だし、シゴト交流サイト「Wantedly」のチャットボットでは「アパレル系の仕事をしたいんですけど」などと入力して仕事探しが可能だ。ほかにもたくさんのチャットボットがある。「国内チャットボット検索」など、専用のサイトがあるのでお気に入りを探してみるといい。

左/ドミノ・ピザのチャットボット 右/食べログのチャットボット

利用の仕方は簡単だ。LINEの場合は公式アカウントを検索して友だち登録すればいい。Facebookならメッセンジャー内で企業(またはサービス)名を検索するだけ。あとはいつも通り、誰かとやり取りするときと同じように、相手にメッセージを送ればいい。特別なアプリなどをインストールする必要はまったくないのだ。

未来型チャットボットの登場は近い

さて、チャットボットは人工知能プログラムだと書いたが、どんどん賢くなっていくのは間違いないし、統合も進んでいくだろうと予想されている。統合というのは、企業やサービスごとにいちいちメッセージの宛先を変えるのではなく、ひとつのチャットボットでいろんなサービスが利用できるようになることだ。

実際、Facebook、Amazon、Alphabet(Google)、IBM、Microsoftが、2016年秋にAIの研究開発で提携することを共同発表した。これはチャットボットの統合、または未来型チャットボットを目指しているものだとされている。

現在は文字での会話だけの「りんな」もいずれはリアルなCG映像になって、表情豊かにオシャベリをしてくれる日もくるかもしれない。

文:太田 穣

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