知っておきたいICT用語を解説

2016/11/21

「ワンセグ」と「フルセグ」の違い、きちんと説明します。

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いつでもどこでもTVが見られるって、超便利!

フルセグとはなにかを説明する前に、まず、TV放送の変化について、簡単に振り返ってみよう。地上デジタル放送(以下、地デジ)が2003年にスタートした。ご存じのとおり、地デジとは「地上波デジタル放送」の略。

日本のTV放送が使用する電波帯域は、1チャンネルあたり周波数幅5.57MHz(メガヘルツ)。チャンネルごとに、1本のハイウェイを使えると考えるといいだろう。この5.57MHzの帯域幅を13のセグメントに分割し、ハイビジョン対応TV向けに12のセグメントを使用して放送している。いわば13車線のハイウェイのうち、12車線を地デジが独り占めしているわけだ。

さて、残った1セグメント、つまり1車線はどうするのか?

そう、それがワンセグ。1つのセグメントとは、英語でワンセグメント。ワンセグとは、その残りの1つのセグメントを使って行うTV放送の通称だ。2006年、誰もが願って止まなかった(?)「お出かけ先で手軽にTVが見られる日」がこうして実現したわけだ。

1セグメントなので、送信できるデータ量は300kbps(キロビット毎秒)ぐらいと少ない。ハイビジョンは17Mbps(メガビット毎秒。データ量としてはワンセグの50倍)だが、そもそもケータイのディスプレイは小さいので高解像度である必要はない。これで十分!

・・・・・・と当時は思っていたのだが。

フルセグは高解像度が自慢! でも、苦手なこともある

ガラケー時代が終わり、世の中のケータイはほとんどスマートフォンになった。そこで問題になってきたのが低解像度である点だ。ガラケーよりも大きなディスプレイでワンセグを視聴すると、解像度が低いため、どうしてもボヤけた映像になってしまう。

そこで登場するのが、今回のテーマである「フルセグ」。フルセグとは、ご想像のとおり「フル・セグメント」の略。ハイビジョン対応TVと同様に、12のセグメントを使った大きなデータを、スマートフォンで見られるようにした技術だ。TVと同じデータを受け取るので、素晴らしく美しい映像になる。初めてフルセグを見たときの驚きたるや、アナログから地デジになったときの衝撃と同じくらいと表現しても過言ではないだろう。

ただ、アチラを立てればコチラが立たず。高解像度のフルセグの弱点は、移動中の視聴には向かないこと。考えてみれば当たり前で、そもそもフルセグは家のアンテナでデータを受信することを前提に開発されたもの。移動する電車やクルマで受信することは考えられていない。

その点、ワンセグは「ケータイでTVを視聴する」ことを前提に設計されているから、安定してデータを受信できる。そのうえ、扱うデータ量はフルセグの1/50だから消費電力も少ない(データが大きければ処理するためにマシンパワーが必要になる)。美しいフルセグ映像を本気で楽しみたいなら、じっくり腰を落ち着けて、移動しない! のがコツ(?)だ。

フルセグはAndroidスマートフォンしか見られない!?

フルセグ放送に対応するスマートフォンは、今のところAndroidのみ。iPhone単体では見られないし、フルセグ未対応のAndroidスマートフォンも同様だ。でも、安心してほしい。外付けのTVチューナーがさまざまなメーカーから発売されている。たとえば、株式会社ピクセラではiPhone/Androidのスマートフォン、Windowsタブレットに対応するテレビーチューナーを発売している。

ピクセラから発売されているiPhone、iPad向けのフルセグチューナー「PIX-DT350-PL1」。Lightningコネクターに差し込むだけでフルセグを見ることができる

また、auのAndroidタブレット「Qua tab PZ」はワンセグとフルセグの両方に対応しており、移動中でも旅行先のホテルでもストレスを感じさせないTV鑑賞を可能にする。

「セグメントは13あるのに12しか使わないから『フル』じゃなくね?」という疑問が湧かないわけではないが、気になるあのドラマやサッカー日本代表の試合はお出かけ先でもライブで見たいでしょう? フルセグとワンセグ、それぞれの長所と短所を理解して、賢く楽しくモバイルでTVを楽しみましょう!

文:吉田 努

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