2016/06/09

発表! KDDI社員による『IT川柳』大賞

世は川柳ブーム。発表されるたびに世間を賑わす某老舗サラリーマン川柳の大賞作に「ドローン」が読み込まれる時代だけど、ちょっと待った。それは我々通信会社のテリトリーだ。

TIME & SPACEでは、今年1月に「IT川柳」をKDDI社内で公募。作品はどんどん集まり、応募総数は357句。川柳と最新のIT用語が華麗にマリアージュした良作が出揃いました! そこで今回は、文句なしの殿堂入りの作品と4つの部門で大賞を選出、合わせて入選も紹介したいと思います。

選者はTIME & SPACE編集部員の3人。ハラダ(20代男子、No.1若手)、T(30代女子)、そしてTK(40代男子)です。培ってきた経験とプライドを胸に、澄み切った目で作品を選出。同僚や先輩、上司たち入魂の一句に遠慮会釈なく切り込み、約4時間強の品評会の末、各部門の大賞と入選作品が決定したのであります。

では順に発表していきます!

まずは満場一致の「殿堂入り」から発表!

「殿堂入り」

IoT 難しすぎて ToT

(作・はるパパ・43歳・男性)

[選評]

ハラダ「直感的にわかるし、年代を選ばない句ですよね。これが今回唯一の全会一致作でした。まさにIT川柳の象徴です!」

T「だってその通りだもん。「IoT」がパッと見、顔文字に見えるところの「あるある」感をくすぐられます。」

TK「IoTという語のキャッチーさはもちろん、横書きのビジュアルで鑑賞しないと意味をなさない表現形態がすごいブレイクスルーだと思う。」

もはや文学! 悲哀漂う「オヤジの哀愁部門」

「オヤジの哀愁部門」大賞

タブレット 反応しない 乾いた手

(作・ちゃんだい・55歳・男性)

[選評]

TK「単に指の湿り気の問題なのに、その裏には「世の中全部が俺の言うことを聞かない」みたいな、中間管理職的悲哀が伝わってきます。中年クライシスに満ちていて、妙なリアリティと共感を感じました。」

T「"乾いた手"に「はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」的な、侘び寂びを覚えます。胸がキュンってなります。」

「オヤジの哀愁部門」入選

小遣いは 実質0で 継続だ

(作・ラブYOU大阪・50歳・男性)

[選評]

TK「「実質0」で、まるっきり0ではない携帯料金の仕組みに「小遣い」という生活感あふれる言葉を掛け合わせたところに通信会社社員としての矜恃を感じます。"継続だ"という、力強いのか弱気なのかわからないところも愛おしいです。」

「オヤジの哀愁部門」入選

家族から ブロックされる 世もすがら

(作・元コンビニ店員・28歳・男性)

[選評]

ハラダ「結構年上の方の作品かと思ったら、詠み人は28歳男性なんですよね。「おじさんになったら言いそう」をうまくイメージしていると思います。僕も『ハッシュタグ 意味が分からず #マイッター』っていう、似たような句で応募しました。選ばれませんでしたけどね。いやはやマイッター。」

若者のナウを反映した「ヤング部門」

「ヤング部門」大賞

勝ち組に いいねが押せない お年頃

(作・FF7のエアリスが絶命する場面で何度でも泣けます・28歳・女性)

[選評]

ハラダ「リア充たちがバーベキューをしているSNS投稿に写っている女のコたちって、絶対にかわいいですよねッ! その時点で自分は無限のいいね! を獲得しているのに、なぜさらに他人からのいいね! を欲しがるのか。その理不尽に対する憤りは完全に共感できます」

TK「僕の歳になっちゃうと、ある意味達観して「いいね!」も押せちゃうし、逆に押さない方が負けたような気になっちゃう。28歳っていう、この年齢特有の揺れる感情がほとばしっていて、僕は好きです。」

「ヤング部門」入選

奥さんの 既読スルーで すぐ帰る

(作・わさお散歩・29歳・男性)

[選評]

TK「既読スルー=ノーヒントゆえの不安感がビビッドに伝わってきます。「返事しないところが返事になっている」というのは、リアルタイムでの文字コミュニケーションならではのもの。現代版「行間を読む」感覚ですね。」

それわかる〜! 連発の「あるある部門」

「あるある部門」大賞

いつまでも 既読がつかない 眠れない

(作・となりのトントロ・38歳・女性)

[選評]

T「私と同世代の女性の恋愛がらみのシチュエーションが新鮮で選びました。西野カナさんの歌詞みたいなシンプルな言葉の繰り返しも力強くて素敵です。」

TK「送ったのは、すでに付き合ってる関係のラブラブ感あふれるメッセージかもしれないし、もしかしたら付き合う前の好きな相手に「攻め」のメッセージを送ったあとかもしれませんよね。どちらにしても既読がつかないと眠れない......イメージが広がりますね。」

「あるある部門」入選

画素数を 下げて撮影 肌おもい

(作・元コンビニ店員・28歳・男性)

[選評]

T「女性としてはやっぱり共感しちゃいます。たまにすごく高そうなカメラをお持ちの男性がいらっしゃいますけど、「それで写すのやめてー」ってなります。」

「あるある部門」入選

隙を見て 専門用語 ググる俺

(作・ねこまっしぐら・41歳・男性)

[選評]

ハラダ「この人、実は最先端の用語が飛び交う部署のイケメン先輩なんですよ。すごくデキる人なのに"ググることもあるんだ!"っていうのが、なんか安心するというか、デキない僕が言うのもなんですけど、ちょっとカワイイっていうか。......あ、もしかしたらスペックが高いからこその余裕の一句だったとしたらニクいですね!」

社員ならではの目線に注目。「KDDI部門」

「KDDI部門」大賞

追尾用 パパに持たせる マモリーノ

(作・梅千代・55歳・男性)

[解説]

ハラダ「「ホントに仕事で遅いのかしら」って、コメントが添えられてますね。子どもを守るためのGPS機能付き「マモリーノ ウォッチ」を夫に持たせて行動確認......。未婚の僕としては、未来に絶望しか感じません。ちなみに弊社の先輩たちは、自分もいつか持たされるのではないかって戦々恐々としてます。」

「KDDI部門」入選

厳寒で 基地局建設 春を待つ

(作・零下30度・60歳・男性)

[解説]

T「詠み人は、実はモンゴルに出向されていた方なんです。ゲルで生活する遊牧民の携帯事情とか、いつも社内報用に「モンゴルレポート」を送ってくれるんです。一見、なんでもない句に見えますけど、モンゴルの情景を浮かべるとジーンとします。実直な人柄がにじみ出た素敵な作品ですね。」

かくしてIT川柳の優秀作品選出会議はお開きとなりました。通信会社としての面目躍如となったのかどうかはイマイチわかりませんが、なかなかの良作揃いではないでしょうか?

文:武田篤典
絵:沼田光太郎

presented by KDDI

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